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 真っ赤な薔薇に血の匂いを嗅ぐと、
 私は過去を表現する雫で満たされた器となる。
 そしてあなたの白い肌の内側に流れる真紅の清流は、
 私の生きている理由そのものになる。

 人はそれぞ ....
 ワタシハココニイルヨ。
 
 明け方にピアノの純音は吐息を白く染める。
 真冬のキャンバスに描かれた森の中で、
 幼い少女が光の帯に包まれている。
 誰かに見つけてほしいのだ。

 ....
 私の机上で白バラが咲いている。
 窓の外では白い雪が降る。
 壁に掛かる絵画には白鷺が息づいている。
 この世は白いと初めて感じる。

 透明だと感じていたものが全て白になる。
 娘 ....
 木々の隙間を縫って滑り込む木漏れ日に太陽と緑の匂いを嗅ぐ。
 足元の緑はいつしか真っ白な絨毯になる。
 気がつけば木々の葉も色付きはじめている。
 夏は過ぎ去ったのだ。

 秋を想い、 ....
 目の眩むような夕日に明日への希望を託し、今日の自分を労う。
 それは燃えるような赤さで限りなく透明で。
 お疲れ様。
 今日も精一杯生きたんだね。

 もうすぐここは闇に包まれるけれど ....
 あてどもなく私は私だけの絵画を求め歩いてゆく。
 町を抜けると海に出る。
 なぜだか私の見る海はいつも孤独に満ちている。
 停泊している貨物船に群がる鳥たちの声も聞こえない。
 
 待 ....
 坂を上りきったところには思い出が宿る。
 僕は持ってきた手帳を開き、使い古した万年筆でそっと言葉を描く。
 生命の継続。生命の継続。生命の継続。
 三回繰り返すと不思議とその場所には新しい ....
 心はいつも籠の中。
 苦しさ紛れの言葉遊び。
 朝方の霧雨に煙る旅情。
 夜はまだ先。

 渓流の流れに似たひと時。
 我が腰の辺りを啄ばむ猛禽。
 湖でもがく 浮上の兆し。
  ....
 時代を超えて鳴り響く鐘の音よ。
 この夏の盛りにやって来る荘厳の響き。
 この身を何度委ねたか分からない魔性の響きよ。
 乳飲み子の眠りを妨げるのはやめておくれ。

 閑散とした町の中 ....
 静かな平日の図書館に人の気配はない。
 幾千幾万の蕾たちが花開くのを今か今かと待ち望んでいる。
 私の手の中で花開いた詩集は遠い昔の魂の叫びだ。
 私は今日もまた本の森へと足を運ぶ。

 ....
 散財につぐ散財でまったく有り金がなくなった。
 ギターすら売っちまった。
 あとにはおんぼろの車と愛すべき彼女だけが残った。
 友達への借金も残ったままだ。

 そんなある日彼女を連れて海 ....
 遠くで蜩が鳴いている。
 商店の軒先から蚊取り線香の匂いがする。
 祖父との思い出が詰まった公園へ行く。
 そのとき私は自分に見合った石ころを拾い上げた。

 石には歴史が刻まれている ....
 夏の日差しを浴びて影が私の前を歩いてゆく。
 大通りから一本中に入った林道に避暑客は少ない。
 挨拶を交わすのは老人だけで見知らぬ若い友人たちは
 まるで私を影だと思っているのだろう。
 ....
 絶望のたゆたう夜空に黄緑色の言の葉は寄り添い、
 音楽を友として今まさに昇天しようとする魂よ。
 君のその美しい羽はなんであるか。
 此岸より望む大河の流れに身を任せるのか。

 ああ ....
 清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
 願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
 初夏の訪れと共にやってくる想像を
 使い古した手帳に書き留める。

 白樺の林の中で虫たち ....
 街角の雑貨店に流れるオルゴールの音色が心地よい。
 店番をしている若い雌猫のカフェオーレのような顔もまた楽しい。
 店の扉を押し開けてのっそりと入ってくる常連の猫は
 手入れの行き届いたひ ....
 霧の漂う高原で朝を迎える
 冷えた暖炉に薪をくべる時
 私の内側で眠っていた生命の光も
 優しく穏やかに目を覚ます。

 何かが覚醒するときに感じる小さなエクスタシーは
 すでに準備 ....
 心の奥底を見つめる眼は誰もが持っている。
 心の奥底には見つめるべきものが眠っている。
 見つめてみるがいい。
 それを目覚めさせるのはあなた自身なのだから。

 目をそらしてはならな ....
 表通りに街灯は点る。
 閉め切られたシャッターの並びの中に誰かの忘れた人形が笑う。

 心の休息は遥か彼方に横たわっている。
 詩を歌えなくなった者は思い出の中に消えてゆく。

 垂れた ....
 オルゴールの奏でる短調の流れの中で僕らは出会った。
 静かな避暑地の美術館に君の麦藁帽子は雄弁で
 僕の黒髪に風を寄越した。
 グランドテラスでは老夫婦の会話の隙間から優しいカモミールティーの ....
 桜の花は満開で 君は一つの時代を卒業した。
 休むまもなく 新しい時代はめぐる。
 心の準備は出来たかい?
 いま少しだけ 幼い君でいてもいいんだよ。

 健気に咲いている花を見て君は ....
家族の中にあって孤独を感じる魂が木の十字架のある教会に飛んでゆく。
縁も由もないこの教会に慰めを求める気持ちは分からない。
消えてしまいたい。
愛したはずの人達が頭の中を駆け巡り、記憶の糸は縺れ ....
 夢は常に遥か遠くに横たわっている。
 僕らはあらゆる手段を用いて少しでもそれに近づこうとする。
 幾つになってもそれは大事で光り輝く真夏の太陽のようだ。
 空には気さくな雲が流れている。
 ....
銀色の飛沫をあげて僕の頭がスパークする。
それは一線を超えた幸福。
手の平から放たれた感情。
自分自身を取り戻す熱情。

七色の太陽。
夜空に煌くダイアモンド。
黄色い鳥達の声。
 ....
降り注ぐ星のシャワーを全身で浴びる。
宇宙に横たわる星座達の囁きが聴こえる。
エメラルドグリーンの胎動を感じながら
鮮やかな爆発の連鎖に息を呑む。

無意識を意識すると宇宙が見える。
 ....
地上と天上とを結ぶ黄金色の光の帯に
限りなく果てしない眩きが伝わり
辺り一面の闇を吸い込んで
私を幸福の世界へと導いてゆく。

輝く光の帯は雄大に広がり
いつしか生命の母となる。
海 ....
 舗道を照らす外灯を見上げ、ふとため息を漏らす。
 胸の奥にしこりがあるような気がして、そっと煙草に火を付ける。
 時を刻む秒針が不整脈のように歪んでいる。
 こげ茶色の幾つもの顔から感 ....
画家がキャンバスに向かい、あらゆる影を創り出す時、
私は白昼の都会で私の影を創造した。
人並みを避けながら、あらゆる方角へ歩みを進め、
変幻自在に形を変える自分の影を創造した。

発見と ....
芝刈りの最中、可憐に咲いている名も知らぬ花を私は見た。
同僚に聞いても知らぬと言う。
私はその花がどうしようもなく気になったので、
皆の見ていぬうちにこっそりと花を抜き、作業着のポケットに詰 ....
振り返れば後ろに誰もいない森の小径を私は往く。
森の中はあらゆるところから何かの声がする。
私を狙う声、無関心な声、官能的な声、はては幻聴。
道案内人はとうに消えてしまった。

自らの思 ....
りゅうのあくびさんのヒヤシンスさんおすすめリスト(102)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- ヒヤシン ...自由詩5*16-2-20
追憶- ヒヤシン ...自由詩7*16-2-13
白い世界- ヒヤシン ...自由詩8*15-12-19
秋を想う- ヒヤシン ...自由詩10*15-9-26
勇気- ヒヤシン ...自由詩7*15-9-19
疼き- ヒヤシン ...自由詩8*15-9-19
生命の歌- ヒヤシン ...自由詩9*15-9-7
怯える心- ヒヤシン ...自由詩10*15-8-20
貴方へ- ヒヤシン ...自由詩7*15-8-18
街中の森- ヒヤシン ...自由詩7*15-8-18
メモリーモーテル- ヒヤシン ...自由詩5*15-8-15
市民公園- ヒヤシン ...自由詩10*15-8-8
スナップ写真- ヒヤシン ...自由詩8*15-8-1
夜会- ヒヤシン ...自由詩11*15-7-18
蛍の光- ヒヤシン ...自由詩14*15-7-11
愛というもの~永遠と呼べる一瞬- ヒヤシン ...自由詩10*15-6-25
小さき絵- ヒヤシン ...自由詩8*15-5-16
強い心- ヒヤシン ...自由詩6*15-4-29
深い夜に- ヒヤシン ...自由詩5*15-4-25
- ヒヤシン ...自由詩9*15-4-2
娘に- ヒヤシン ...自由詩11*15-4-2
悲しみのエチュード- ヒヤシン ...自由詩9*14-12-7
夢語り- ヒヤシン ...自由詩10*14-10-13
- ヒヤシン ...自由詩8*14-10-9
白日夢- ヒヤシン ...自由詩4*14-10-9
幻空- ヒヤシン ...自由詩3*14-10-9
道のり- ヒヤシン ...自由詩7*14-10-6
個人的詩作について- ヒヤシン ...自由詩13*14-9-24
小さな祈り- ヒヤシン ...自由詩9*14-9-24
ユートピア- ヒヤシン ...自由詩7*14-9-23

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