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雨粒の滑り出す夜間
光りの集いに誘われて
虜は踊る
はためかす羽の美しさは束の間
秒針だけが見届ける
華麗なまでの毒牙
瞳を流し
甘い罠を香らせ
一夜を
蜘蛛に捧げたなら
瞼に焼き尽くほどの毒で
....
切り刻む術を得ていない手は
汚れの中で服従する
卑下の渦は思いのほか深く
改善しうる点から背けさせ
怒りばかりを生み
暫定をも喰い荒らしていく
未熟故の愚かさを
飲み込めないまま ....
理由など探せないけれど
赴くままに尋ね行く旧家
急ぐように古びゆく様を
呆然と眺めることしか出来ず
異空間の佇みに安心を覚える
理由も探せぬまま
歪む扉をこじ開けた
古さを物語る音はあの頃のまま
荒 ....