現実という醜さ
見崎 光
切り刻む術を得ていない手は
汚れの中で服従する
卑下の渦は思いのほか深く
改善しうる点から背けさせ
怒りばかりを生み
暫定をも喰い荒らしていく
未熟故の愚かさを
飲み込めないままに
時間ばかりが無駄に流れ
崩れ落ちそうな気を
持ちこたえていく
直結なやり取りを絶たれ
炙り出されたささくれは
生皮を剥ぐように取り扱われ
広がる波紋
小さい事柄を引き連れてほくそ笑む
縦社会の洗礼とは
汚れた手口
くだらない、と
肩を撫でた手がせめてもの救い
十人十色の指導者への憤りを
敏感に感じ始めた肌は
冷静を宿した
締め直す手先
我が指導者への信頼を攫われぬよう
心してこの岐路を渡っていこう
汚れた縦社会
現実とは皮肉で残酷