現実という醜さ
見崎 光

切り刻む術を得ていない手は
汚れの中で服従する

卑下の渦は思いのほか深く
改善しうる点から背けさせ
怒りばかりを生み
暫定をも喰い荒らしていく

未熟故の愚かさを
飲み込めないままに
時間ばかりが無駄に流れ
崩れ落ちそうな気を
持ちこたえていく


直結なやり取りを絶たれ
炙り出されたささくれは
生皮を剥ぐように取り扱われ
広がる波紋

小さい事柄を引き連れてほくそ笑む
縦社会の洗礼とは
汚れた手口


くだらない、と
肩を撫でた手がせめてもの救い
十人十色の指導者への憤りを
敏感に感じ始めた肌は
冷静を宿した


締め直す手先
我が指導者への信頼を攫われぬよう
心してこの岐路を渡っていこう


汚れた縦社会
現実とは皮肉で残酷


自由詩 現実という醜さ Copyright 見崎 光 2007-07-26 20:46:36
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