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俯きがちという言い方は生ぬるく
人々の首は、方角の違いはあれど
完全に折れています


それぞれに掛かる負荷の為に
多くの頭は地面の方向へ折れています
左や右へ折れている首も ....
底面の アスファルトまでも
濡らす五月の緑を
どれほど丁寧に踏みしめても
足音は奇妙に乾くのでした


その足音に含まれた 一連の私は
ぱらぱら 小さくほどけ散るところで ....
しゃがれた体がとぎれそうになったら
ちょうど 一日がおわって
ちぎれ落ちそうな目を浴槽に浸したら
ちょうど まに合って


なんだか ぎりぎりなのだ
それでいて
真夜中には
 ....
墨の ように 
雨が 落ちて


朝の駅に向かうひとびとの
ぼんやり
傘までが 喪に服している
今日失うものの分まで 
悼む顔つきの 薄い朝


雨を 追いすぎて 私は
 ....
夜が
朝 に
ならず
雨になり
ツツジ 切れ
濡れ 流れた 蜜


この先 ひとつの舌も
幸福になりません


雨が
晴れ に
ならず
夜になり
何かが ....
廊下に落ちた西日の溜まりは
しろくしろくまぶしく
まぶしすぎると口に出すことは体の不足を認めることである気がして
目蓋薄め密かに調整しました


床板では、遠くからのピアノ音が ....
午睡が
目蓋をあとにして 引いた頃
残された畳は
幾重もの夕刻で磨耗して
いつしか
青みを失っていた


かつて 
お伽噺の 
わざとらしい色合いの湿度を
痒がって むず ....
浴槽に沈んでいる 午前三時の
代わりに沈み始めた 
無益な水分を含んだ体だ
生暖かく悲しがり
一匹の魚も住めない水分子を
誰か 泣いてくれ


眼球が 震えているのか 
眼球 ....
不揃いな足音は鳩 鳩 鳩の
何かを象徴して下さることを願った赤い皴の寄る足でした
逸らした塞いだ目に耳に染み付いた 赤の皴 皴 皴に
自らの底面の砂利を明け渡す為ベンチの上面へ足を抱え上 ....
紅色に蕾んだハナミズキの予感の
爆ぜるように的中した枝の 昼間の春の
染み込んだ雲は少しも耐えたりしないので
自在に 夜は春を濃くして暮れ


紅を翳らせてゆく 通りの並木の直立の ....
鳴きちる鳥の満ちる朝に形が満ち
形を得た形たちを再び濁らせゆくのは
千切れけぶる花の煙


それは なれの果てではなく
気が遠くなるほど緩やかな横溢
浮かされ翻弄されているのは
 ....
曇天とは無関係に翳った夢の後
ぎゅっと
その翳り残るこめかみを圧する
スピーカーからの果汁


光みたいな酸味、沁み
やっとのことで
鈍すぎた朝に気がついたのは
昼に ....
屋根瓦に置かれた夕刻の重みで
玄関を飛び出したまま私は戻りません


西空の 夜にかけての諦めが
すべて諦め終わった証拠
としての 暗い打撲跡の広がり
そして癖になったそ ....
視界にて
生成される
着色料と甘味料


そこから逃れるようにして
ぽとり、と、うつ伏せるしかない
あなたとわたし
春に間に合わない体



ああ
お砂糖の誇 ....
ぱらぱらと
ぱらぱらと
あの指の微弱な震えが錠剤の音を取りこぼす
そこにどれほどの眼球を差し出しても
私の平衡は心もとなく
ぽたぽたと ぽたぽたと 眩暈 落ち



 ....
春泥が
明るいインクの
滲み、です


その滲みが
無意識に漏れる
芳香、です


その芳香が
呼吸のような
肌色、です


文字を読む幼子の口調の明朗さで
明 ....
どれほど 
雲の束縛を破り 雲間から降り立つも
乾いたグラウンドに
冷え切った夕刻に
結局は 卒倒しがちな冬の光線です


そこにあるのは
どこにも尾を引かぬ手の平
だからこ ....
屋根の下で行われていた 歪な行為の為
一旦泣き出した子供の泣き声は
とうとう消え続けるのだった


すべての 眼に マタニティ・ブルーが
満ちればいい 満ちればいい
そして 溢れ ....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです



ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
私が 一滴も
何ものにとっての海にも
なれぬことが要因となり
アスファルトは 
忽ちに透け凍った雪の成れの果ての 
既に 雪ではないものの 下で
アスファルトは
ただ 固く  ....
わたしは 此処に いるけれど
わたしは 此処に いる人か


本当は 此処に いるのだけれど
猫は 此処に いないのだ




雪で 
日のない夕景は
アルミ箔の
 ....
無数の雪の投身
その微かな高音
その消失跡には
無数の無音です


外套の毛羽に沿い 覆い
潅木の微妙に沿い 覆い
歩道の段差の詳細を隠しながら
歩道の段差の ....
分離、分離、分離、そして、分離


静かなる透析の果てに
冬が、あり


眼球を、振り切る
圧倒的に、眼球を、振り切る
赤のみ知っていれば許される踏切のサイレンの赤の ....
寒気団の
肺の
永続的な空咳が聞こえる


どこに辿り着けば的中と呼ばれるのかを知らぬまま発射され
自ら目隠しをしたまま直走るガードレールのスピードが
白い


苦しげな吐き方しか ....
圧縮繊維 の雲
を 引っ掻こうとするも果たせぬ細枝 細り
凝り固まったアスファルトから続く
彫刻的な彫刻的な陰影まみれ の樹皮には
纏足をほどく糸口が ありません 


何か ....
雨上がりが
夕暮れに間に合ってしまい
その為に見てしまうもの、を
見ていました


結局は
全て冷えゆくというのに
明るみに出てしまったショベルカー、の関節
轟き続ける工場からた ....
まばゆさの
明かり障子 前にして
あらゆる形状の輪郭は 
努めて 溶け
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて 
あらゆる形状は 悲しかった


思わせ振り ....
雨が降ってばかりの午後の終わりになって
雨が止んでばかりであること、感づいた
数億粒の喪失、愕然として足を止めた
ずぶ濡れのアスファルト踏みしめるゴムタイヤ
が群れ行き
音 ....
歩け
私よ


高い高い 青い 硬い硬い 空に
息も出来ぬほどの銀杏
高い高い 青い 硬い硬い 空へ
撒かれた イエロー
湧く イエロー
破れた イエロー
の 咆哮
 ....
うなじ、ああ、うなじ
寒々と潔く、美しさを意識していた付け根あたり
いつかの冬に結い上げた髪、が
氷のように動かし難く完全だったから
私、もう髪を伸ばさないだろう、もう結わえたりな ....
砂木さんのA道化さんおすすめリスト(150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
屈折率- A道化自由詩704-5-11
五月の枯渇音- A道化自由詩1004-5-3
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雨天占い- A道化自由詩804-4-27
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床板の眼球- A道化自由詩204-4-3
肌色の春泥- A道化自由詩804-3-23
冬の物理学- A道化自由詩704-3-18
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無音域- A道化自由詩404-1-22
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