肌色の春泥
A道化



春泥が
明るいインクの
滲み、です


その滲みが
無意識に漏れる
芳香、です


その芳香が
呼吸のような
肌色、です


文字を読む幼子の口調の明朗さで
明朗に明朗に開いた
隙間への春の溜まり始めの
ああ、その春泥
の、滲み
の、芳香
の、肌色


それら
繰り返してよ
幼子が読む漢字へのルビのように懇ろに
懇ろに懇ろに
ああ、春泥から順に
それら
繰り返して頂戴よ


そうしたらば


あ、


春注がれた私が
たまらなく模糊とした
肌色、です



2004.3.19.


自由詩 肌色の春泥 Copyright A道化 2004-03-23 01:46:13
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