焦げついた蜜
油照りの午後2時08分
萌えたぎるアロカシア
茹でられた風のカーヴ


(Lent et douloureux)
(:ゆっくりと苦しみをもって)
(Lent e ....
月のといき
天の川の星のながれに
指をふれる
星のしじまのつめたさに
寂しさを 手づかみする



そんな夜には、
なぐさめの亡霊が やってくる
小さなベッドにすべりこんで
私の ....
熱すぎて飲めない
ミルクとぐるぐるかきまぜ溢れそう
カプチーノのカップが目の前で
ぐらり揺れた

そういえば、ここのお店で前にも仲直りしことあったね
仲直りして、あたしの好きなタルトをはん ....
泣いてる僕に、みんなこう言うんだ
『キミは独りじゃないよ』


でもどうだろう
本当に苦しいとき、
誰か僕のそばに居てくれたかな?

助けを求めても誰も救いの手など差し伸べてはくれ ....
道路に落ちたセーター

片足だけのくつ

ブルーがつよすぎてこまる


町では
たくさんの
自転車が
倒れてる

BBSは
宗教戦争に負けて
家を飛び出した

おれは借 ....
僕はひとりになるために
金属に なってみた
僕はひとりになるために
光沢をみんなに 自慢してみせた
僕はひとりになるために
なめらかな感触に 飛び込んで行った

いろんな人のざわめきが聞 ....
その痕は

痛いほど澄みきった
マイナス42℃の夏空を覆う豪雨のよう



歪みきり揺れては
捻れ滲んだピンク色の粒子


埋め尽く
された聴覚は光化学スモッグで視るアリゲー ....
はっきりするな
頭よ覚醒するな
パルスよ走るな

封印するんじゃない
忘却するんじゃない
隠匿するんだ
確信犯として

みんなが知っている
一番ばれない嘘のつきかた
それは嘘 ....
高いところで窓ガラスが割れる音を聞いたよ

風の悲鳴だけが音もなくいつまでも聴こえていたというよ


公園のコーヒーカップが朝からぐるぐると廻っていたよ

なくした誰かの思い出だけがそれ ....
信じられないほど狭い夢の世界。
僕らの呼吸はほんの気休め。

カーテン越しに常世のレプリカ。
いつまでたっても未熟なまま。

何も望みなんてないし、下手な助けもいらない。
誰が ....
何度も塗りかさねた

漆の重箱をデリケートにひらいて

広がるのは非日常の香り

静謐であるもラグジュアリー

つみかさねた格式で

心の隅まで満たされる

そんな ....
チェリー

甘くて酸っぱい果実よ

ほおばって

Sweet

もう 忘れましょう


この毎日に必要なのは

珈琲じゃない


ノートと鉛筆と

かかとのすり減っ ....
ここからは
陸続と
死が育まれてゆくことだろう

でも それは愚かなことじゃない
偽造された朝を押しつけられても
注文どおりの覚醒など出来よう筈もなく
自らを小さく蝕むことで
存在可能な時空をどうにかつなぎとめ
意識はただ浅く笑い
深く滅んでゆく



 ....
わたしにゆるされることは手をかさねること
六月の墓地でしゃがみこんで草笛を吹くと
わたしの手はやわらかい土のように
生まれたてのなめらかな手を覆う



(ささやくのはありふれたうたのよ ....
ひとしずく
ほほの目方をふやしてく
ひとしずく
夕陽は目方をへらしてく

ぼくらは肯いた
あかじみたシャツと
 しみのついた上着
タイパンツは涼しげな水色で

はだしの足のうらは
 アスファルトにふれる

おおきな耳をもった
ゾウの毛の指輪をはめて

ライラックの花の色 ....
鍵が見つからないと云って
出かけたのは午後三時
アップルパイの甘さに
憂鬱を重ねて
シナモンの匂いが広がる


目に映るのは日常の風景なのに
空っぽになったあたしは
ただ
悲しかっ ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
友達がたくさんいる
ちょっと狭いけど
寂しくないから

慌ただしくも
ユラユラと
揺られながら

何のためにここにいるのか
知りたくはないけど
涼しさの中で見え隠れ

白い世界 ....
みじかめに
つめを切ると

ゆびさきが
やわらかくなる

そのあと

髪を洗うとき
ゆびさきが
あたまのひふと
みっせつに
ふれる

そのあと

キーを叩くとき
ゆび ....
 あわただしい昼間をのりこえて眠りにつく
 自由の丘に駆け出して みつけた一輪の花
 
 美しく輝くその花は 僕の苦しみを癒してくれた
 
 重なり合う喜びの連鎖

 子供の汚れてい ....
時が人を変えるのではない
その人がその時をどう生きたかによる
自分に責任を
今のあなたはあなたに作られている
空間にいくつも描かれる縦線の世界
刻まれる空間と共に水滴が運ぶ音の洪水
雨雲の下一帯にいたら注意して
知らない間に楽器にエントリー
クラッシュアイスが
しゃらしゃらと音立て
ストローとしばしの戯れ



タイムカードから解放された
一本目のタバコは息継ぎ



白い灰皿に
二本目の吸い殻を押しつけるころ ....
か細いわらの詩人が
明るい月の下
カバと話した

「僕の詩を読んでくれよ。
これが僕の他愛ないけれど、
たった一度の人生なんだ」

カバは当惑しながら読もうとするのだけれど
ちんぷん ....
身体が疲れを訴えている
誰にも言えずに殻に閉じ篭り
静かにベットに入る

ようやく独りになれる

部屋の灯りを消して瞼を閉じる
重力から開放されない身体
柔らかく冷たいシーツに包まって ....
静かに夜がふけていくね
なんだかもう何もかも見失って
眠る必要なんて無いのかもしれない
それとも明日覚めなくてもいいのかもしれない

森がざわざわとゆれる
あたし、この中にとけてしまいたい ....
みてみたい
星の誕生する瞬間を
流動する熱い肌

なめらかですべやかな肌
それでも
笑えるしあわせ不仕合せ

今晩のおかずは何?
魚の視界
鳥の羽ばたき
貝の呼吸
ひとりのつぶ ....
何を
見ているの
何を
感じているの

あなたは
誰のコト
想っているの
かつてのように
君と僕
戻れないの
少しずつ
でも確実に
離れていく
君が
僕はまだ
好きだ ....
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