朝と別の朝はつながり
声や水を憶えている
光や傷を憶えている
頬をかすめゆく小さな 小さな
見果てぬもののかけら かけら
定まらぬ世界をゆく定まらぬもの



水色と銀色
 ....
 みんな、ここで横たわって、死んだふり
 アンチニヒリズムの行き止まりで
 ときどき誰かがビートルズを歌う
 ジョンを撃ったピストルみたいに、歌う

 こんなところには世界は無い
 た ....
恐怖と不安にさいなまれる
それは波のようにやってくる

僕はあなたがどれほどの
恐怖や不安を感じているのか
わからないんだ
イメージはできるけど
実感はできないんだ

あなたと同じ境 ....
たったひとつの睡眠を
羊たちと分かちあって眠る
もこもこしてるね
なんて今日は言わない
めえ、と寝言を言っても口をふさがない
数をかぞえない
何も思い出さない
あなたは電車で言った
こんなこと長くは続かない
続いたことはあるかと
わたしは答えられなかった
続いたことなどなかったから
答えはいっこだけ
答える必要などなく
いつか終わる
けれどだ ....
天使が天界から落ちる理由、知ってますか?

天使って真っ白だからですよ

真っ白って無なんです

だから、黒が憧れなんです

0が白なら

100が黒だから

羨ましいんですよ ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
眠くてたまらない

朝が早かったからだけじゃなく

たとえようのない疲労感

泥沼にひきずりこまれるような

けだるさ



今の目

きっと死んだ魚のよう

濁って ....
汗臭いほんとうのことにはもう付いて行けず
けれど 瑞々しい嘘をよけながら
照れ笑いで誰かと話すのが好きだ

政治とか宗教とか戦争とか
どうだっていいことじゃないからつまらないんだ たぶん
 ....
ゆっくりと曲がった
あなたの
スニーカーの最後の踵が
ビルの角に消えるのを
見ていた

喫茶店で
飲んだのは
なんだったんだろう
もう一生
思い出せないかもしれない
渡そうと思っ ....
センレツナ

キオクダケヲノコシテ

キエテシマイタイ
箱の中には
何も、入ってなかった


でも

箱が無ければ
思い出なんて、なかった
カッターや
  ハサミや
カミソリなんかより

もっと鋭く尖ったモノを
あたしはちゃんと知っている
 どっかの国で
 戦争が起こった
 
 兵隊が来た
 飛行機も来た
 戦車も来た

 人が死んだ
 動物も死んだ
 家が消えた
 緑も消えた
 
 遠い国の話
 箱の中の話
 ....
ヒラリヒラリ
ヒラリヒラリ

何処へ逝くのですか
何処へ帰るのですか
君の居る場所は
其処にあるのですか

ヒラリヒラリ
ヒラリヒラリ

僕の処にきませんか
1人では淋しいでし ....
朝の影がのびてゆく
誰かが手放した
結晶のかたちをした風船が
小さな鳥たちに囲まれ
森のほうへと流れてゆく



町をかがやかせる
なめらかな人工
昼から夜へと動 ....
空を泳ぐ雲の魚
誰のもとへ?
君のもとへ?
月のもとへ?

金色の海を越えて
逃げていった空の果て
できるだけここから逃げたい
外は雨模様
すべて流されてゆけ、
ぼくの逃げる必要がなくなる

明日は晴れるかい、と聞いたけれど
足跡すら何も答えない、
さようなら、
言葉では簡単だけれど ....
口笛が遠くまで聞こえるのは
まわりに誰もいなかったからだ
分かっていたんだろう


少女よ
どこにも行かなくていい
君が知ってる誰もかもは
どうせ君の知らない場所で笑っている


 ....
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