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ホントに海なんだって
あるつってんだよね車座のばあちゃん連が
あの丘をこえたらザザザ
と、むかし たぶん一度きり
お波とお供からあっとさらわれると云い
舟のり達なら躊躇うわず ....
春の雨に隠された怖れを彼女は見ている
幾つものしずくに映る逆さまの世界を
彼女は見ている
からだの動かし方は知らない
時代がかった衣装の代えもない
おひな祭りというものが過ぎて
誰かさ ....
寝たきりの祖母が一週間の大半を
天井を見て過ごすことがかなしい
私の顔も忘れた瞳が
時にきれぎれの記憶を思い出す
その輝きが
新しく覚えることがらを無くしても
ふと寂しさを宿して見える ....
誰もぼくを知らないところへ行きたい
優しい人も
厳しい人も
生意気なやつもみんな棄てて
誰もぼくを知らないのなら
ぼくが知っている人たちのところだって構わない
ぼくに関する記憶を消しさって ....
乾いてゆく風があった
薄れてゆく光もあった
綺麗にされた夏だった
目の前に拡がる
どこか懐かしい景色に
なぜかふるい歌を思い出し
海に腕をさし入れる
かなしみが群れているのは
きっ ....
九月
あなたが好きでした
あこがれの名ばかりを孕んだ
鳳仙花が弾けています
木の葉が
択んで
静かなところへ落ちつくように
黄金の峰からふく風がゆきます
夕暮れがやわく優しく
....
水はグラスに包まれ
グラスは両手に包まれ
あなたを包むのは誰ですか
水が包むのは、何
泣いているのは
瞳だけ幼い老人
その掌に
日溜まりのような優しいぬくみ
その額にま新しい水を注 ....
ほんとうのことは
今俺がお前の中にいること
どれほど身体すり減らしているのか
知りながらお前は綺麗な眉をひそめて
お前の中の俺を撃ちつづける
挟まったフライドチキンを爪楊枝で遊ぶ
この ....
夕方にはカエルと言って
行方不明の父親が現れた
その日仕事から帰ってみれば
珍しく上がりに揃った母親の靴と
並んで見慣れぬ紳士靴
その好い趣味と墨が切れた痛み具合が
父親の物をおいて他 ....
こどもの頃棄てたはずの手が
壁の中で指をならしている
むかし山の小川に浮かべた舟が
朝のトイレの水面をはしっている
出会った人も別れた日々を憶えずにはいられない日々
雀たちの六月 ....
唐草フウさんのsoft_machineさんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ザザザ
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soft_machine
自由詩
9*
23-7-28
フランス人形
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soft_machine
自由詩
20*
08-3-29
かなしみ
-
soft_machine
自由詩
14*
08-1-23
誰もぼくを知らないところ
-
soft_machine
自由詩
10*
07-11-1
乾いてゆく風があった
-
soft_machine
自由詩
16*
07-10-13
九月
-
soft_machine
自由詩
15*
07-10-6
包まれて
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soft_machine
自由詩
24*
07-7-7
ホントウノコト
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soft_machine
自由詩
13*
07-7-6
夕方にはカエルと言って
-
soft_machine
自由詩
10*
07-7-4
断想_十二
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soft_machine
自由詩
18*
07-6-27
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