すべてのおすすめ
だきしめて、とねだる
息がとまりそうなくらいに
だきしめて、とねだる
まっくらなよるのなかに溶けていく
指もくちびるも言うことをきかない
意識や計算のおよばないところで
このまま消えて ....
ごめんな
と言う
ただ
ひたすら
ごめんな
と言う
あやまる
理由なんて
はじめから
なかったのに
あんたなんかね
あの時あたしを
見捨てればよかったんだよ
三十半ばを過ぎていた
あの時僕は妻と結婚した
僕の意思で子供をつくったために
安定した職に就いている
幼なじ ....
ぼくが夜に眠る理由は
寂しさ以外のなにものでもない。
人間じゃなくなれば
人間じゃなくなれば
きっとぼくは眠らない。
うさぎは寂しいわけじゃない、
ましてや死ぬわけでも ....
失ったところに立っている
父さんと僕が
二人で写真をを撮った後
ふと思い出したように
西の空を見ている
あの日と同じ
今日という一日も
その一部分に違いなかった
....
あの夏の日の
電話ボックスの中
受話器を持ちながら
あと一桁ダイヤルを
回せば届く
思いがあった
あの夏の日は
静止したまま
僕は僕の海に溺れ
窒息している
何 ....
暗闇で
手を繋いで歩いていた
手首だけになって
手首からその先は
僕のようで君ではない
魂になったように
君の息遣いが聞こえる
楽しそうに
何か話してる
僕も何か答え ....
きみのこと すきっていえるよ うそでなら
ぼくはまだ さびしいきもち くっついて
はなれられずに ないているよる
エイプリルフールはさっき おわったけど
ぼくはいまごろ ....
ふとわたしはある予感がして
お風呂場へ走ってゆく
扉を開ければ片隅にいる
たわしは新しいたわしに
買いかえられていた
お風呂掃除係のわたしに
ぼろぼろになるまで付き合ってく ....
三年ぶりの故郷の海は
以前よりも幾分痩せていた
「少し痩せたんじゃない?」
そう言ってみたが 海は黙々と同じ作業を繰り返していた
三年ぶりの故郷の母は
以前よりも幾分 ....
どうか私に惚れないで下さい
あなたとは結ばれることは決してないのですから
どんなに想いは通じていても住む世界が違うのです
それは許されないことなのです
どうか私に惚れないで下さい
....
ペタッ
と君の心に 張り付いた
僕の心
君はチラッと 見ただけで
付箋のように 軽やかに
半分に折って さようなら
スラッ
と伸びたその指に 釘付けになっ ....
突然やってくる悪魔ちゃん
おうーーー
自分の力ではどうすることもできないし
場所によっては最悪だ
あいつは何なんだ
本当に空気読めない
たまに私をからかうくらいの振りをして
突然 ....
君の子犬のような無邪気さと
あなたの大犬のような聡明さ
君の突拍子もないところと
あなたの包み込む優しさ
君の無遠慮さと
あなたのおしとやかさ
私にはどちらも選べない
いっそ ....
暗闇の先
見つけてしまった光
遠く遠く
手の届かない才能
同じ時代に生きてるなんて
点火されてしまった
どっちにしろ
太陽の様に赤いひまわりはもう枯れてしまった
残されたわたし ....
空から降る雨の粒
その数を僕は知る
乾いた大地に雨粒を弾かせて
その淡い弾力で君を包む
雨量を司る龍に凭れて
愛した人に祈りをささげる
彼女は何処か知らない場所で
延々続く雨粒の ....
熱が下がった朝
起き上がるとまだ
少しだけ喉が痛い
でも、気にならないくらい
だから
顔を洗う
洗濯機に洗濯物を入れ
スイッチを入れる
台所の椅子に座って
湯が沸くのを待つ
....
生きている
というのは
そう、
ぼくじゃなく
他人だ。
それは人じゃなく、
空かもしれない。
花かもしれない。
風かもしれない。
海かもしれない。
ぼくたちは
そういうと ....
投げいそいだ十月
アウトローなうちの会社
痛々しいほど楽しく終わって
ひんやりと電車を待っている
そんなときだ
平凡であることについて考えるのは
そして
悲し ....
何かを始めなければならない時とか
何故こうも憂鬱になるのか
僕の淵源にはqualiaが程々に溢れていて
僕は僕に「ああ、そうなの」とか
「しかたない」とか
circleの中には僕にとって価値 ....
ホテルをでてお台場を歩いた
東京タワーが中途半端な距離だ
自由の女神の模型が
寂しさをだいなしにしている
フジテレビってこんなもんかあ
すし好をよこめにビルに入る
....
幸せなときに限って
幸せを知らない
河原のベンチに座りながら
そんな時が誰にでもあるように
思うことがあった
ベンチに座ると
夏の虫が僕のまわりで
いっせいに鳴きはじめるものだ ....
青い光のなかを
(俺は孤独だ)
防砂林のむこうで轟音がしている
林を抜けると
(焦がされていた)
いつものおまえだ、海だ
朝の雨の海に泳いだ
ぼんやりとし ....
故郷での暮らしは
けっして貧しいものではなかった
手に入るものは手に入り
手に入らないものは手に入らない
ただそれだけだった
小さな都会で暮らして
もう二十年になるけれど
....
1:[identity]
僕が「僕」である場合
僕は必ず「何か」でなくちゃならない
誰かにとっての「僕」
どこかに所属する「僕」
何らかの役割を担う「僕」
僕は一つの個 ....
駅の端の小さな改札口で君を待っている
電車がくるたびにパラパラと降りてくるひとりひとり
ここではそんなに多くの人間が行き交うわけでは決してなく
鳥かごみたいな短い階段を
家路につく人たちが通り ....
恋文を書いたつもりでした
まったく何年ぶりなのでしょう
こんな気持ちは
なんども破り捨てようと思いましたが
結局そうすることもできずに
他の誰にもわからないように書きました
あなた以 ....
涙がこぼれてる
匂いが消えた路地に
オレンジがこぼれてる
きらめく街の夜なんかに
若かったから?
今もそうなのかな?
タイミングなんて大宇宙からみたら
ほんの ....
これらのものは
いつ
どこの海から
どんな国の風景をめぐり
どんな雲になって
空を流れ
今、僕の頬に降るのだろう
指先に伝わっていく雨 ....
ためいきの
かず
きんもくせいの
かおり
なにかに
あやまるとするか
オレンジの
ひかりやかげ
おさなくて
かげやしない
つんとする
....
1 2 3 4