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しずやかに睫毛を下ろした女の人の
うっとりと水が疾走する線路の方角に
暮れては滲んでしまう稜線がその輪郭を喪ってゆく
眠れない枕木は鍵盤となって揺れながら
囁かれた嘘の吐息にしがみついた
 ....
悠々と二羽の鳥が、碧い空を裂いてゆく、
       鮮やかな傷口を、
銃弾のような眼差しで、わたしは、追想する。
  その切立つ空を、あなたの白い胸に、捧げたい。
  
     ・・・・ ....
 その少年は、少女で動いていた。
 少年のどこかに少女が埋めこまれている。
 少年はときどき吐き気がする。
 そういうとき、たいていそれは夜だけれど、砂浜を思い描く。すると、少女が少年の砂浜を歩 ....


親しい輪というものに対する
石ころを眺めるように眺めていた
たまには色を塗ってみたり
だが僕はバイトをやめようとしていた

バイトは心地よい坂のようなもので
そしてその旨を塾長に ....
白く鮮やかに咲きほこる、
一本のモクレンの木の孤独を、わたしは、
知ろうとしたことがあるだろうか。
たとえば、塞がれた左耳のなかを、
夥しいいのちが通り抜ける、
鎮まりゆく潜在の原野が、かた ....
 冬の空は乾いている。遠くで鳥の鳴き声がしている。車のデジタル時計を見る。空腹で気持ちがわるく、くらみを覚える。午前9時。いや10時だったろうか。もう時間など意味はないかもしれない。昨夜、車の周りにい .... 屋上にいると からだはんぶんずつ消えていきそう ゆうしてっせんが空をてっぺんから
だめにする、僕のあしもとのおもみがなくなり、飛んでいく鳥の骨を抜きとってしまった、
「ひる」口にできない。つた ....
木がいさぎよく裂けてゆく。
節目をまばらに散りばめている、
湿り気を帯びた裂け目たち――みずの匂いを吐いて。

晴れわたる空に茶色をばら撒いて、
森は、仄かな冷気をひろげる、静寂の眩暈に佇む ....
     1

うすい意識のなかで、
記憶の繊毛を流れる、
赤く染まる湾曲した河が、
身篭った豊満な魚の群を頬張り、
大らかな流れは、血栓をおこす。
かたわらの言葉を持たない喪服の街は、 ....
遥かに遠くに満ちてゆく、夢のような泡立ち。
その滑らかな円を割って、
弱くともる炎。
最後のひかりが、睡眠薬のなかに溶けてゆく。

みどりで敷きつめられた甘い草原。
潤沢なみずをたくわえて ....
序章

薄くけむる霧のほさきが、揺れている。
墨を散らかしながら、配列されて褐色の顔をした、
巨木の群を潜ると、
わたしは、使い古された貨幣のような森が、度々、空に向か ....
目覚めのとき、夢の表象が、広がり続け硬さを増す内部へと吸収されるとき、あらゆる色を超えた色をした薄片に、「犬」がそっと重ね合わされる。押し寄せてくる覚醒の光や事物、そして世界に対抗して、私は「犬」の重 ....        1

鎖骨のようなライターを着火して、
円熟した蝋燭を灯せば、
仄暗いひかりの闇が、立ち上がり、
うな垂れて、黄ばんでいる静物たちを照らしては、
かつて丸い青空を支える尖塔が ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
  1 眠り

朝の眩暈のなかで、
一日の仕事を終えて、疲れ切ってから――、
職場に出かけても、
そこで、わたしにできることは、
只、泥のように眠ることだろう。
(そこには、青い灯台が、 ....
i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!

延延と続く背骨の隆起に虹を打付けていった
    ?ミシンを追いなさい?と

i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!

チイキョ チイキョ  ....
孤独を繕う句読点を無造作に並べて
線でつなぎとめただけの街
意味のない言葉は
空白を満たし
ちからなく溢れた
(思いのほか冷たい。)
それから
未消化の確執のように
近づいて
近づい ....
正常な者は立ち去れ 死の言葉を目撃してはならない 幸福を求めるものは立ち去れ

二十二時二十二分二十二秒二十二二十二二二イコールイコール類コール胃胃袋増増殖食食 
ああ、気持ちええ。きもちいい。 ....
子供たちの遊ぶ声と思っていたのが
機械の音になっていたよ
ぼくは
旅立たなければ
旅立たなければならない
夜のうちに
この夜が明ければ
もう二度と終わらない光が来るから
ぼくは
旅立 ....
「機械ってね」
「ああそうですか」
「小動物の骨の無数の結合からできていると思っていたんです」
「ほうらやっぱり……」
「易しい感じがしませんか、ほら、こう……」
「むしろなまぬるいと」
 ....
街は妖しい気配を包んで
機械になってゆきました
段々球体に近づいていって
機械は原口陥入しながら球体内部へ取り込まれていくのがわかります
そうして溝が塞がって
球体が完成する!!
まさにそ ....
   カカ カカ カ
     くる くる くる
         カ カカ カカ カ
             くるくる くる
くるくる回る機械の中心に
仔猫の憧憬画みえたよ
分解
し ....
(おとなりのワンちゃんは犬次郎といって
 生れたときから
 ネコとばかり暮らしてきたので
 自分がネコだとかたく信じています
 イヌがやって来ようものなら別の動物ということで
 ワンワン ....
今田コボさんの自由詩おすすめリスト(53)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水の記憶- ピクルス自由詩11*07-4-13
春のひかり- 前田ふむ ...自由詩28*07-4-6
少女式- 今唯ケン ...自由詩16*07-3-31
開闢2- 葉leaf自由詩9*07-3-28
三月の手紙__デッサン- 前田ふむ ...自由詩32*07-3-27
砂漠となる- 光冨郁也自由詩1207-3-26
低空飛行- つめきり自由詩17*07-3-17
森の心象___デッサン- 前田ふむ ...自由詩25*07-3-17
蒼い微光- 前田ふむ ...自由詩25*07-2-28
夢の経験- 前田ふむ ...自由詩24*07-2-16
虚空に繁る木の歌___デッサン- 前田ふむ ...自由詩22*07-2-5
犬をめぐる文学的断章- 葉leaf自由詩9*07-2-2
浮遊する夢の形状____デッサン- 前田ふむ ...自由詩28*07-1-24
旅の終わりに- ダーザイ ...自由詩52*07-1-17
二つの灯台__デッサン- 前田ふむ ...自由詩20*07-1-11
ミシン- 今唯ケン ...自由詩4*06-10-31
- つめきり自由詩9*06-9-14
死ぬ間際だよネーチャンこの言語動作は- 狩心自由詩18*06-8-23
夜の旅立ち- 今唯ケン ...自由詩6*06-3-29
柔らかい機械- 今唯ケン ...自由詩5*06-3-23
子どもの機械- 今唯ケン ...自由詩8*06-3-21
易しい構造機械「説明書はありません。」- 今唯ケン ...自由詩6*06-3-17
ピグモン(怪獣詩集)- 角田寿星自由詩8*04-9-12

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