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音楽はときめき
音楽は淋しさ

その肩からちゃんと
体温を
感じられるように
限りなく寄り添っても
埋めることは出来ない
重なっても一つにはなれない
多分一生どうすることも出来ない
 ....
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること

いま
全裸を隠そうとしている
この月のように

僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに

あなたは
不信で覆われていく ....
かすかな声でなぞる
あれは面影
うらの林のすきまからみえた
私の亡霊
沈むことのできない舟
いっそうの複音

静かな{ルビ水面=みなも}をもっている
{ルビ自恃=じじ}{ルビ矜恃=きょ ....
 花屋の娘に恋をして 妻に花束を買って帰った
なにも言葉を 落とせそうにない口を ありがとうの唇で塞いだ

 愛人が旅行へ行きたいと言い 出張を装って出かけた
「早く仕事が 終われば日帰り ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
あなたは
きえそうなひかりのまえで
手をかざしている

胸元から
オイルの切れそうなライターを出して
何度も 鳴らす



うつくしいけしきの
まんなかにいる
いつも
き ....
夏の終わり

りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵

なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる



セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい

夏のにおい、のような
記憶のか ....
空は日に日に高くなる。太陽も少しずつ優しくなる。

蝉の声も途切れ途切れで風は熱を失い始めてきた。

忘れかけてた淋しさが波のように押し寄せる。

夏が終わってしまう。夜の声が増えて ....
夕暮れのバス停で
鳥になるの、と
呟いたきみの背には
小さく
ほんの小さく、翼が生えていて
ぼくは思わず
溜め息を吐いてしまった
 
砂時計の砂を飲み込んで
時を止めようとしたことを ....
旅だとか
なんだとか
の前で
ぼくは無性にくすぐったくなる


ここは星がきれいだ
ただ、それだけでよかった

くちにする言葉なんて
くだらないことばかりで
ハンドルを切り損ねた ....
スポイトで吸った液をガラスに乗せ、顕微鏡で覗いた神秘の世界。
銀河の始まりもこんなに小さなものだったのだろうか。
サボテンの刺、蜘蛛の脚。命は先端にまで満ちていて。
髪の毛の先や爪の先まで ....
この瞬間に降っている雨粒を
どこまでも遠くへとつないでいく
知らない街のマンションの屋上で
雨粒は途切れていた
雨が降っていない街の
日差しはとても悪意に満ちて

雨が降っていても
雨 ....
 Quartz
 震えて
 終わりと
 始まりのないものを
 区切っていく
 切り刻んで
 数をあてる
 なにものとも
 名づけられない筈の
 私より薄くて
 鉄も
 昼夜をも含 ....
夏を組み立てていく
プラモデルのような朝のひかりを
丁寧に地上に接着してゆく

おじさんの他は
みんな寝坊をしている
夏は
すこしづつ組み立てられてゆく

おじさんが
こつこつと夏 ....
空よりは高くはない

ただ、
この丘から見える景色をながめている


「素直にしているの?」

「凛としているの?」


そんな問いかけは
この宙に、あてもなく溶けていく

 ....
全て乾いて
回り続けた
車窓に滲んだレールの錆が
鵲の群尾に一つ文字を願い 回る
回って、それは
草みどり 瓦屋根
白熱灯と傘 老女の舌先
流れてゆくのは
車窓に滲んだレールの錆が ....
問い掛ける意味だけを
孕んでいた、真夏の空白に
小さく区切りを入れては
その隙間から
意味を取り出していく
 
握り締めたアスファルトに
肌が
焼けただれていくのを
私は知らないふり ....
すき間だらけのひとが立っているすき間に
種を埋めこんでみる
やがてたくさんの花に包まれるそれが
しあわせの形なんだろう

うまく表現できない
弁護士でもないわけだから
語り尽くさなくても ....
長い階段の下に
長い歩道が延びている
山の雲は算数がとても上手で
足し算のような雨を降らせている

歩道のさきでは川が組立てられてゆく
川では鮎が組立てられてゆく
鮎の塩焼きが川原で組立 ....
足音の沈む
その、一瞬のあとに
居眠り運転の波は
名残を
綺麗に拐ってしまった
 
笑い声が響く
潮風の中に
私が産み落とした何かは
もう、息を潜めている
 
 
渇き始めた城 ....
あかねにたなびく雲に
コールタールはへばりつき
ぬぐってもぬぐっても
整頓された家々へ
投函されてゆくディーマイナー
遠く燃える山際のノスタルジアが
無言の背中で街並みを責めている

 ....
一行が零れてきそうな
静けさに
眠りなさい と
夜は耳元でささやく

白い羽を揺らす誘惑に
応えようとする肉体
沼地の底に落とされるかもしれない
そんな不安は
片顔隠した月が
煙草 ....
深い底に揺れる魚
泡に守られ音も遮り
悲しい夢は見ないのと
とっぷり沈んで眠りについて

真珠に珊瑚にキラキラと
底に輝く宝石の中
涙だけが浮き上がり
日の光を反射する

全て忘れ ....
誰だって あって当たり前なんて耐えられない
誰だって なくてはならない存在でありたいから
互いを伝えあうんだよ それを 選んだんだよ

与える 与えられる その繰り返しなんだね
理想は気配を ....
アスファルトの道を歩いていたら
急に波打ってしまったので
なんだろうと首をかしげていたら
そういえばこのところの猛暑で
線路が歪んでしまったことを
思い出していた


ミニィは
アス ....
愛にカタチがないのはね

きっと カタチがあったら 壊れてしまうからなんだよ
底を歩いている。ずっと。君の手で死に至る太陽が捥ぎ取られて、チタンのカップに絞られる。登山地図を開いてコンパスを合わせながら、私はさっきから携帯ラジオのチューニングをしているが、 .... あなたは陽のように
わたしの胸を
つつんでくれました
わたしは影となり
あなたの心で
生かされたいと願うばかりです


あなたは哀しみをまとい
それでも生きようとする姿に
光り ....
今日のデートの話題は 『宗教と法と税金』

話を聞いている僕は楽しいけれど
うなづいているだけの僕に飽きてないのかな

あまりにも無知らしい僕に 母親は「新聞を読め」と言い
兄は「ニュ ....
薄く目を開き
ぼんやりと霞む
蛍光灯に
壁や
柱は
照らされて

土壁に
生まれた
生きた
死んだ生物の
擂りつぶれた亡骸が
ジッ と
燐光を放っては
塗り固められているの ....
チグトセさんの自由詩おすすめリスト(417)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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_/_- 山中 烏 ...自由詩5*07-8-26
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創書日和「砂」_海岸- 山中 烏 ...自由詩5*07-8-24
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お休みのとき- 茉莉香自由詩407-8-22
あいことば- 蒼穹自由詩12*07-8-21
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