すべてのおすすめ
 
 
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
 ....
ほどよく冷えた桃の
皮が剥けるのも
待ちきれない様子で
傾いでゆくあなたの
日焼けした首筋

滴る果汁か
それとも
戯れの残り香か
甘い匂いが
鼻腔の奥に絡んで
涙させる理由
 ....
性能は読み違えた
解体処理は返品された
変形された甲殻は
背骨から突き出た石の傘
平行して過ちを犯す
A、B、の角度を測る
私はシーソーの上に立っている
その中心で子猿が
母親の骨をぶ ....
パンの匂いが、する


カラスの鳴き声で割れた
やわらかい世界の殻
甘い時間をむさぼったあと
すべてが失われていくまで
もう僅か
あなたは足の指の先まで
すっかりふやけ ....
砂まじりの夕焼けが
河口の水面を鏡にして
車のクラクションまでが
赤方偏移すると

空がどこにあるのか
行方を見失ってしまい
だんだん宇宙になるその正体を
冷たく知ることになる

 ....
黄色い粒子は
空気のなかの
ささくれの、
嗚呼、
うまくいえやしない

葉っぱが赤く
色づきたくないと
南風に揺られながら

きらめきストリートを
歩いている、
おとこのこおん ....
空の種族が おとした
羽根を ひろいながら
あるいている 一千本
あつめたら つばさと
交換してくれる 約束
終わってしまった
はずなのに
それは密閉した
重いふたの透き間から
かすかに甘くたちのぼる


人知れず心の底に
埋めたはずなのに
かぐわしい記憶の薫りは
ゆるゆると漂い
真夜中 ....
   

東上線で日光に行く

電車の窓からは
黄金色の稲穂が見える
今年は田圃ごと
コンバインで盗み取る
米泥棒がやって来て
夜もおちおち寝られない
そんなニュースを思い出す
 ....
もちろん分かっていたの
もう、さようならなんだっていうことは
あんなに熱くはしゃいでいたのに
最近はすごくよそよそしいし
ねっとりしていた風も
そよそよ
蝉も鳴かなくなって

ほんとう ....
近づいてゆく
風が乾いた草の匂いをはこんで
近づいてゆく
滅んでゆくものの気配を
怖がらないで足をのばし
サンダルを遠くに飛ばして
近づいてゆく
秋のサテンのやわらかな手触り
私はこの ....
                 070903





寝付きが悪いのに
門司港発、佐世保行きの
各駅停車の寝台車に乗って
旅をする

ネットカフェなんて何処にもないから
疲 ....
ひこうき雲が ゆったり
拡散しながら 高度をさげて
着陸場所を さがしている
地につくまえに すっかり
消えてしまう というのに
ポケットが汚れ始めている
待合室は朝から眠たい
何かの整備工の人が
口を動かしている
語りかけるように
沈黙を選ぶ言葉があった
目を閉じようとすると
少しばらばらになる
水が優しい濃度 ....
月の瞳に
海が映るのか
海の鏡に
月が潤むのか

旅立ちはいつだって
こんな夜の、ブルー

マストを背にした
ひとつひとつの心に
青はなにを
語りかけるのだろう



 ....
明け闇に稲妻
白い栞のように

風は慌ててページをめくる
朝を探している


井戸につるべは落とされて
鏡が割れるように
宝石が生まれるように
しぶきは上がる

あたたかい頬 ....
器の
壊し方を知っている
けれどもわたしは
外側にいない

器の
壊れ方をおぼえている
けれどもあなたは
内側にいない


 朝と呼ばれるものや
 愛と呼ばれるもの
 ....
旅だとか
なんだとか
の前で
ぼくは無性にくすぐったくなる


ここは星がきれいだ
ただ、それだけでよかった

くちにする言葉なんて
くだらないことばかりで
ハンドルを切り損ねた ....
あの彗星を追い抜くには
おれの命はあまりにも遅すぎる

もっとスピードを

もっとスピードを

摩擦熱で燃え上がって灰になるまで

もっと軽やかになるために
おれは足の小指を切り落 ....
 
 
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ

やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする

やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
「家族の通話は無料です」
携帯電話会社が前面に出したキャッチコピー
広告は時代に敏感で
なおかつ時代を創り出す

家族通話無料の時代がやってきた
そうでもしなければ
家族の会話が弾まない ....
骨だけになったさかなのように
あいつらはしんでる

疲れちゃって ねえ
なんもないの ねえ
気づいちゃったの?
わかってるの?

細胞が分裂
小刻みに震えるからだ
あたま 割れ ....
穴を掘り続けたのは
きっと寂しかったから

ひとりぼっちの夕方を
埋めてしまいたかったから

今はわかってる
あの頃も 今も

円形の砂場から
立ち上がれないの
たくさんの 約束をしたけど
どうやら この生涯では
ぜんぶ 果たせそうにないから
生まれかわっても また邂逅する
約束を つけくわえておく
ウィンカー点けて
スピードを落とす

助手席から夫を不思議な顔でみる
どうしたの

後ろの車が追い越していく
若いカップル

追い越したいのは越させた方がいい
その言葉に驚いて笑っ ....
トンネルを抜けると
そこは火の玉の中だった。
ドラゴンの怒りは
熱かった。

アイスを頬張り
扇風機に当たり
汗たらして
ハンカチでぬぐう

熱視線は否応無しに
注がれて困り果て ....
無数の生き物たちがざわめいている
走りながら{ルビ靡=なび}きながら留まりながら

かつてを振り返ることも無く
いつかを探ることも無く

連続する慌ただしい揺らぎの上に立ち
私は{ルビ空 ....
 海だ





群青の腕で絡めとられた僕の右足は
ゆっくりと沈む

息はもう随分前からできなくなっていた気がする
でも、
このしばらく使わなくなっている口からは相変 ....
あるときから まいにちが
惰性になる 歳月は
ほどかれて だれのものでもない
くちびるの ふるさとへ
錘をおろしに かえる
ほかの季節は
ただうつろいやがて消え去るのみだが
夏だけは
爛れ朽ち果てそして亡び去るのだ
明楽さんの自由詩おすすめリスト(214)
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