連続する夜に
コンビニの光も消え
ダイヤ表剥がれたバス停
バスが こない音
聞こえる
体の内側に入って
外に 逃げない
のに 音源を ....
風まじりの雨模様に海はのんびりひろがる
はてもなくさわがしい世間をのがれて
ぬれた花崗岩に足をすべらせおもしろがる
生きてきたそれぞれの体型に目がなれて
だまっていてもあたたかい空気にふれ ....
夜が
よるが
よ る が
唇に夜
指でなぞって
夜
来ている
+
夜は沈殿する夜
夜を沈殿する夜
夜に沈殿する夜
なん ....
おとついのおかあさんは にんげんだった
たまにようじを すこしわすれた
きのうのおかあさんは にわとりだった
さんぽあるいて ことばをわすれた
きょうのおかあさんは はとぽ ....
妻にテレビゲームをさせるRPGだRPGと言っても妻は何のことかわからないに決まっているそれどころか「たたかう」の意味さえ知らないに決まっている決まっているのに妻にテレビゲームをさせる主 ....
どこから。
ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が
わたしの温い肌に染む ....
溶けた青色を見つけられないまま
虹は消えてしまった
ビルに反射された心音がふるえて
空も消えていく
取り残されたうろこ雲が溺れそうで
それだけはおんなじ、ね
身体を作り直そうと
くち ....
ひとり ひらく 夕暮れの手のひら
灰色の高みの
氷のような雲から
午後を
午後を と
つぶやくもの
ゆくえ知れぬその手に
裂けた花をのせれば
はじまりはよみが ....
骨壷をもうひとつと
父親は頼みました
寒い寒い一月の斎場で
白い骨になってしまった
母親を乗せた
鉄板をみんなで囲みながら
葬儀屋が用意してくれたのは
大きな骨壷がひとつと
....
暑中お見舞い申し上げます
今年は母さんの新盆だから
せめて墓参りにくらいは帰ってきなさい
父より
追伸
そういえばクロがおとと ....
東京でも月ぐらいあるんだろう
でもほら
あの浜でやったように
月光の下
唄ったり踊ったり できたのか
お前が東京の大学に合格したとき
お前の母ちゃん幸せそうで
やっと大工の親方に ....
ほの暗い駅
列車の中で一点を見つめている
あなたの眼差しを見送る
”お気をつけて”
その一言だけが伝えたかったのだけれど
ベルが鳴り止んで動き出したのは
列車ではなく
ホ ....
ししゃもはいいねぇ
そういって親方は
お弁当を頬張り
しわくちゃの目尻が
太陽でいっぱいになる
ぴあの の上
木
根が 張って
指に さわる
薄暗い へや
夜 の 木
眠る
なぜ
向日葵の迷路で迷いながら倒れこんで
そのまま眠りにつきたい
とつぶやきながら汗を拭い
晩夏の土間を掃除なんかしてる
今どき土間なんて貴重よう
なんてPTA会長がすました顔で言って ....
雨の日は
耳になる
秋は死に
鳥は黙したまま
はじめから
世界は
満ちることなく
ぼんやり
霧にぬれる
地球と鳥篭
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