一篇の詩に洗われて生まれてきた

風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く

{ルビ盲=めしい}た愛を引きずって
無欲な耳は
{ルビ戯=そばえ}を咀しゃくする
 ....
わたし 3年前にメル友募集を したんです
その時 メールくれた人が居て
わたし 東京 その人 九州
ありがちな話なのに 笑えないのは 自分のことだから
目を閉じてごらん みるみる季節が変わりま ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中

それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
行きたい
夢にまで見た
あの公園に
屋号
ぶら下がるプレート
呼ばれる過去
超高速
ピカ
落ちてくる
大音響
豪雨
超高速大音響
晴れ晴れとしてすっきりして
缶ビール
超高 ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない


体の中心がどこなのか
わ ....
追われてゆく、陽の速度に倣って、大気は燃えている。すべての失われた魂を鎮める夏。その高温へと連れて行かれる。靴の紐がほどけている間に、素早く足裏をさらけ出し、女の後ろ髪がほどかれる間に、どうにかいまを .... 蝶紋
蝶紋
低い雷雲
まわされる手にまたたく背


水たまりを避けつづけ
硬い海にたどりつき
水平線の筆跡を追う
沈むもののための雨季を追う


錐揉む視線と滲みの ....
1学期まで
おとなしかったあの子が
不埒な夏に
持っていかれる

朝一番のプール
塩素の匂いのする更衣室

ざわめきと
流れる髪
草が薫った
自転車置き場
夏の始まりは
たし ....
        もしも君が

        ような話みたくても

        生まれてしまうまでは

        うさぎのなかで待つんだね



       ....
雨、
雨音
ヒグラシのリズム

おもむろに始る
朝のデカダンス
雨が沁み入る
抗体のしきたり

生き足りて苦痛です
滅落して遊ぶ生態は
蓄音機になりたいのだ

潰されない虫に ....
 
わごむとはとばすものですよ


この目に焼きついて離れない海岸線
手を伸ばせば届く そういう場所
波打ち際に寝転んで星を数えているというのに
あなたは僕の隣りでそんな無粋なことを言う ....
 深夜のプールに
 腹を裂いた犬の死体を浮かべた
 悪いことしてない
 したいからした
 細切れにされた僕が
 立ち尽くし
 一つしかない空の星を
 噛み砕いた
 
            あかいボールが転がる

            カーテン 

            向こうがわへと通り抜けていく

            赤い光沢が ....
夏の暑さがまっすぐに降り注いでくる。この
暑苦しさの中ですべてを腐敗させて、振り返
ることのない心を育ててゆく。流れる汗の臭
いとともに、空気が汚れてゆく。この世の混
沌を測るものがないのなら ....
は、しめっているというのに
雨は、
雨の
仄暗き
雨の奥へは。
らんららんららん

質量に囚われず
なんてつべこべいわず
我が身を笑え
されど迷うなかれ

じっとりとした空気は ....
夏の幻に消えいりそうな呼吸音
いますこし
いますこし失うものは
命のみほかはぜんぶ
あげる
あげる過去の熱

無重力する
肺をこげつかせる
ゆううつな吐露
だすあてのない
手紙机 ....
思いがけず
可笑しさがこみあげて
くるが
すぐに冷め
可能性の欠落を夢みる鋭さ

鮮やかな月に照らされて
{ルビ青灰色=せいかいしょく}の肌は
淡く
光合成を告白するが
しおりは空 ....
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いこと ....
 あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰 .... 通りすがりの人に頭を殴られたときに
どこかでしあわせになったあたしが
鼻血を流し、ぐらんぐらんの脳みそで
汚れる制服とアスファルトを
きれいに混ぜた

人を殺してばかりのきみの
本当は殺 ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
  チョコレート

チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから


  スカーフ

ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
 ....
道の途中
その曲り角の 節目ごとに
石を埋める
浅く
また深く
土を掘って
掘り出されることを予期せずに
宝石のように
ただの石を地に埋める

その上に霜が降りる
あるいは雨が降 ....
すべてのおんなのこは
みんな桃の実のようで

ピンクに染められた指先を
風が撫でてゆくたびに
わけもなく泣きたくなる
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
 定型に望みを賭ける
 形なきものにかたちを与えるように


 カメラ無し三脚立てて五歩下がり 
 瞼が切り取る秋の夕暮れ


 君のこと好きで好きで気が狂いそう
 君の字に宿る君の ....
いかつい アスファルトに
息のように 降り続けていた
電柱の 灯

夜の空に おしかえされた
雨に 流されている

かきん と ついてる
ガラス の 冷たさ

なじまない  ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる

空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
 井戸水の表面に映った三日月の先が
 赤みどろに染まった
 折り重なった葉の上で
 崩壊をたずさえた少女の落涙
 狂いはじめた
 鈴虫の羽に
 つぶやきのような雨しずくが
 ....
 
 
 散弾銃の響きを聞きながら
 今日も眠る
 僕は殺されるかもしれない
 

 マンホールの下に
 うずくまっている
 谷底に沈んでいる
 フタをかぶされて
 沸騰 ....
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