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緑のべ
胸の静かな鳥、飛んでる 嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
狭いから 気をつける 体を食べる線に 付き合う
....
何かにすがりたいし
君に逢いに行きたい
これ以上ないくらい丸まって眠って
透き通ったものと
いい匂いのするものと
温かいものを少しずつくっつけたりして
昏鐘が呪文のように聞こ ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
はんがわきのスカートのつめたいひだがぶらさがりゆれてるのがみえる
道端にぶた草がさかんに咲き誇りきいろくあかるく
きめのこまかい空気を満タンに吸い込んで肺がふくらんだ
ガラス窓にぽっかり灯るアド ....
朝早く街に出よう
朝日を食べに出かけよう
凍てついた空気を割って出ていくと
背の高い時間がみしみしと音をたてて流れている
きみに見えるだろうか
力づよい足
節くれ立った手
何てったっ ....
明日を切る風のはさみ
張りつめた曲線の中の真っ青な空の
弾け飛ぶツバメの血染めの汗の
かたわらの黄色い太陽のプロミネンスの
ちょうど消え入るあたりに響く音影の
ピアノ線の束の太い声の
押し ....
ねこや青空や荒野を
ねこや青空や荒野と
なづけたひとにあなたのなまえを
なづけなおしてもらいにゆくのなら
てぶらで部屋を出て
ふいにバスをとちゅうで降りる
もう二度と帰らない旅行へ出かける ....
わたしたち砂にまみれた膝をいとおしむ
わたしたち砂にまみれた膝をいとおしむ
わたしたち砂にまみれた膝をいとおしむ
これは骨のかけら
それとも砂糖つぶ
はちみつのようにとろりと濃い夜が明け ....
うちあけることは、むつかしい
しろながすくじらが
{ルビ吼=ほ}えるとき
わたしは
ちいさく「え」と鳴く
しろつめくさが
幸せを茂らせるとき
わたしは
亡霊とかけ落ちする
....
あなたの降る
ひとひらから重ねて
いちにちが実をつける
まっすぐな廊下から壁の掲示物から突き当たりの部屋から放さないでと思うここのこころから
ゆれている
ゆらゆらと
のばしている色 ....
トンネルに入ると僕と弟は息をとめた。
車窓越しに流れていくオレンジ色のランプをながめていた。
出口はまだ見えない。
出口が遠くに見えはじめた。僕と弟は苦しくなりはじめ、
父はアクセル ....
もう出会うことのない
未来の恋人たちに
かすかに血の匂いのする親密な
Hello
自転車の荷台にフランチェスカが座る
バスタブのお湯がフランチェスカのぶんだけあふれる
回送電車 ....
いまそこにピアノ教室があったの、って
水銀のけむりのようなわらいかた
こどものバイエル 残酷な風景に寄り添う
音楽
あなたが舌のうえのやわらかいスイッチを押す
(どんどんだめになる) ....
わたしはかつて
とてもあまくて湿った土から生えて
花を咲かせることをゆめみた
猫が足元におしっこして
とてもあたたかくてしあわせだった
ちがう土から生えてそだつわたしたちは
た ....
ラオウ「おまえの力はそんな程度か」
ケンシロウ「うふっ」と言いながら体が崩れる
(効果音)ちろりりーろーろー
画面には終わりと表示される。
しかし!
(リンが叫ぶ)ケーン
ケンシロウ「う ....
よるはわたしをまたず迫ってくる
気がつくとあたりはくらく
わたしは電気をつけずにふとんにくるまる
ひるとよるの境目が
きいきいと鳴くおとでめをあけると
よるが目の前に立っている
わたし ....
それははちみつのいろ
きんいろにかがやくアスファルト
カーブの手前
かげのように
染みがきえない
きえないでいる
からすの世界はあかむらさきで
いいものだけ光ってる
たとえ ....
彼は 全身を 金糸で縁取ったような人でした
スーツを着て 遠くから 歩いてくると 白檀の香りがするような人でした
髪は 肩まであって お家では 私が三つ編みにしてあげていました
イン ....
簡単に分け与えた
朝を隔てて越えるもの
下向きになって思う空気は
まだ近く 目の中で止まらせたままの
駅の中で
何も 言えないほどには
透き通っていた
その時間僕達の足が
誰かと ....
野良猫を抱くようにして可愛いひとの痩せた腰に触れる
赤茶けた髪はうすめられた不幸と暴力の匂いがする
わたしたちの知る世界の
あまねくすべての場所にたちこめるその匂いを
よく生える蔓草の ....
みどり児は
あけの河に流されて
流れ着くのは石の岸
そこをみずからぬけ
葦の原へおちつく
すでに住まう
年よりの蛇とあそぶ
おどりあそばせ
つゆふる夜半には
犬三匹をおま ....