打ちつけられて
嘉村奈緒
緑のべ
胸の静かな鳥、飛んでる 嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
狭いから 気をつける 体を食べる線に 付き合う
(もっとも、狭いからどこに行きようもないのだけど)
気取った白いやつらにはしっぺ するんだ
撒き方を教えてもらった覚えがない何かの種 断面図の恥ずかしい雲
雨が降るよう「雨が降るよう(雨が降るよう
子供の頭はマツボックリを蹴り上げたみたいな動きをする
だから増えていって何枚もの静止画が
ない 泣き虫だァと林立する子供がそろう 穴が開くかもしれない 胸が 静かになるのかも
「一片、だけの静かな(遠い音 また旋風 ・もうひとつ
待つことにする
雨
(終わるまで増えつづけて、グショグショと泣き出す静止画・・)
マツボックリと子供の違いが 茎に巻かれてただの一片を切り取ったさざなみになる
気をつけていたのに 旋風・は、折り重なって敷き詰められる
鳴子と空車と「鳴子と空車と(線よりも図太い地平線
林立したかさぶた共がいなくなる 狭いところから泣き虫だァ、の、声 「さざなみ(白 またひとり
『帆をはろう
次の風が来たら のべの地平線まで競争もしよう
雨がたくさん集まると嵐っていうんだ
地を走る それに 憧れていた