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さあ、出発しよう
ぽっこんぽっこんぽこぽこ
キップを見せていただけますか
この列車の行き先?
知っているのはあなた自身

カタリカタカタ
遠くへと
私は徐々に遠ざかる

赤ん坊の泣 ....
街で 偶然 君に会っても 大丈夫なように

朝 鏡を見る時間が 長くなりました
食べ物をこぼすと

 誰かが 食べたかったみたいねえ

子供のような声でいう
お母さん

あなたが
好き
おんなじ町に

子供のころから住んでいると

きょうのように

車じゃなくて電車で帰るとき

各駅停車で帰るとき

ひとつまたひとつ

思い出に停車している

駅は姿をかえ ....
ね、癒しをちょうだい

平日の美術館のしんとした空気がすきなの
色とりどりの小窓からみなが挨拶をくれる
しんとした空気
足音を立てずに挨拶を
スカートの端をつまんで優雅に足はクロス

 ....
初めてのおつかいは
3歳の時
初めての仮想現実も
3歳の時だった

暗くなる日暮れに
何故か朝焼けを思い出す

少女だと言われたのは
いつの頃まで
だったのだろうか


モル ....
おっこちた
うちゅうのてがみ

昨日の夜は
ずいぶんと
きれいな
星空

それよりも
もっと
ずっと前
おかあさん
うちゅうろけっとで
ぼくは行った

おっこちた
うち ....
はじまりはじまり
めくるように幕は開け
そしてやってくる
壮絶に赤い赤いシーン

ねえ、きこえる?
無音に響く
私が奏でる
インストゥルメンタル
からだごと
空も
地も
漂うも ....
歳経た
強靭な
行進

奏でる
繊細な
童心

踊りだす
群集の中に
帽子を取って

佇む
あなた
独り

目を閉じて
パレードの
ざわめきを
聞いている

 ....
懐かしの母校に帰って来た
生徒ではなく教師の卵として
ネクタイを引き締めて向かった先は
問題の山積みな教室

授業の時間は昼寝の時間
教科書はただの落書き帳
テレビでは何度も ....
星達が朝に帰っていく。
置いてきた温もりが微かに顔を出したように、輝いた
気がした。
 
星達が朝に帰っていった。
人々は狙いすましたように、朝日を追い抜いて、電車に乗る。彼等がまるでいなか ....
硝枝はけぶる
柔らかな朝

ああ
いい匂いだ

熟睡した樹皮は
哀しみを煎て
苦味すら香ばしい風
そんな
朝もやの窓を包み
夜明けの香りを注ぐ
大気のフラスコ

朝焼けは沁 ....
僕の恋が終わった

あの子の恋も終わった




僕らの大事な友達の恋が、実った
おとといの
夕暮れかけた空
君は
夏の底に
沈殿していったきり
西の夕焼けが
音をたてて色あせていく
手のひらの温度を確かめたくて
軽く握ってみても
汗ばんだ夏の終わり
いつだって ....
法律でも  たった紙切れ一枚でも

君と一緒になりたいんだ
ブリキのおもちゃのような観覧車には
昭和の絵本の動物たち。
ぼくたちは運よくパンダの箱に乗ることができた。

小学生の頃亡くなったきみのお母さんが下にいて
きみの左手はぼくの手を握り
ぼく ....
みきすけは 旅だって いきました 。かあさんの 手を離れて 旅立っていきました。庭は もう 春で 今では 水仙が 咲きほころんで います 。   昼飯を買って会社に戻る途上
頭上を素早く横切った影に
ふと目を奪われた先で

一羽の鷹が悠然と
青天を舞っていた

佐世保川はいつもより澄んでいて
きらり、と陽光を弾いている
鷹は、 ....
   3月10日に歌った「巣立ちの歌」

   たくさんの泣き声の中、わたしは泣かずに最後まで歌った

   以来、あの歌がきこえると、涙ぐむわたしがいる

   すきな人を見た、最後の日 ....
はるは蝶とささやきあい
  なつには蝉とうたいあい
    あきはむしとなぐさめあい
      ふゆにはみみずと遊びあい
風とは笑顔でダンスしあい
 光とはすなおに握手しあい
  雨とは ....
窓硝子を挟んで
浅い春は霧雨に点在し
わたしに少しずつ朝が流れ込む

昨夜見た夢を
思い出そうと
胸を凝らしたら
微かに風景が揺れた

なかば迷子の眼で
周りを見渡 ....
魚は
夜に鳴く
なくした
ラッパを思って

+

砂糖瓶を
よく洗って石段に
並べていくと橋を渡る
来客があった

+

探し物の
予定のない日
菜の花畑で一人
ラジ ....
{引用=
久方の            (日の光がのどかな春の日だ)
光のどけき春の日に       (それなのにどうして桜は忙しく散っていくのだろう)
静心なく      ....
ねえ もう桜
見上げた空には 
花びら

去年とは違う君
去年とは違う僕
川面の色
遊覧船

舞い散る花びらも
さみしくない
こわくない

たとえどこに落ちようと

変わ ....
山川駆けて 広いおとこに
影陽捕まえ 強いおんなに

薪をかさねて 干したら眠れ
井戸のくみ水 かかえて帰れ

鯉が釣れたら 背に垂らせ
花を摘んだら 額でかざせ


白川の流 ....
その時何を考えていたかは
とうの昔に忘れてしまったが
其処から見ていた景色が
哀しい程美しかったことだけは覚えている

閉じかける目を
何度も何度も抉じ開けて
恐らく
君は何かを伝えた ....
     青くなった春のまぼろしを
     赤くなった夏のかげろうを
     白くなった秋のおもいでを
     黒くなった冬のトルソーを
     はつはるの霊気をはらんだ
      ....
綻びをつくろうために
いつも
針と糸を持ち歩いている


『影縫い』


性分なのか
ほつれた影を見ると
どうにも放っておけない
影の形は
人によって様々だ


明るく快 ....
雨は止まず
 
降り続き
 
 
僕の心に
染み付いた
 
 
 
癒えない痛みが
あなたを苦しめ
 
 
 
藻掻くことも
許されない
 
 
 
 
いつ ....
ちっちっち チッチッチ

メトロノームが泣いている

ちっちっち チッチッチ

僕の歩調に合わせて泣いている

ちっちっち チッチッチ

チッ

誰かに舌打ちされたよ
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