朽ち果てようとする一枚の葉に
思い出します、
たいせつな
いろ
寒さがつのりゆく風のなかで
あらゆるものを踏みつけて
あらゆるものに火を放ち
暖まるすべは
そのすべもろ ....
一瞬
光った
綺麗な光だ
全てを
終わらしそうな
綺麗な光だ
爆発音が聞こえて
自分は死んだと思った
私の体の奥底から
赤い怒りが
飛び出す
大量の血だ
私 大 ....
入れて欲しくて
一緒になりたくて
入れて 入れて
きみはだめって笑う
惨めで
恥ずかしくて
やっぱりそれでも入れて欲しくて
だから自分が
マンホ ....
窓ガラスにくちづけを
吐息がこぼれたら
やさしいあのひとの時間
ミルク色の月に
紅茶をこぼして
頬を寄せて眠るひざまくら
好きといって
嫌いといって
憎むといって
どうか
伝えたいことも
してあげたいことも
してほしいことも
全部ぜんぶ 簡単なのに
こうして一人
きみが好きでたまらない自分がいて
不安も わだかまりも
すべて消え ....
秘密の愛になっちまった、
僕らはこれからどうしよう。
君は一人のさみしさに
ほとほと疲れて傘の中。
勝手な恋のお付き合いに
ごめんなさいって言いながら、
しっかりと僕を引く君の白 ....
カーテンを開けたら
光の子どもが入って来て
小さな可愛い声でいいました
『おはよっ』
「おはよう」
私は込み上げる笑顔と共に
うーんとせのびしました
朝です
久しぶりの
雨の
窓叩く音が
私を招く
人影もない
真夜中の
常夜灯に雨は
照らされて
絹糸のように
白く光っている
時折過ぎる車の
雨の飛沫が
耳を掠めて
....
壊れた部品のお取替え
旧式だから全替えです
いろんな思い出もあるでしょうが
バックアップはとっていますし
どうせ代わりはいくらでもいますから
実際として
彼は死んでしま ....
眠る前のひと時
部屋灯りを落とし
目を瞑って思う
窓を叩きつける風
少しずつ強く響く
胸に手を当てて
一つ一つ振り返り
犯してきた罪の数と
贖ってきた孤独を
天秤にかけながら ....
幸せって何ですか?って
細木和子に聞いた時点で
お前の幸せTHE END
夢見てんじゃないよ
なんなら空でも飛びますか?
イヤならがんばれ
もっとがんばれ
あと朝飯はちゃんと食え ....
寒いですなぁ。師走ですなぁ。
坊さんも走りますなぁ。
走りますわなぁ。
感情論のスピンアウトですなぁ。
流体力学的ワガママなんですなぁ。
結局なんですな。
行き着く先は
結局そうなんです ....
ペーストペースト
予定を埋めろ
デリートデリート
嫌な記憶
ペーストペースト
隙間を残すな
デリートデリート
自己嫌悪
ペーストペースト
良い言葉
デリートデリート
嫌な気分
....
それはかすかに透きとおっているので
向こうの景色がいつも滲んでいるのでした
朝霧を 食み食み
押し殺されたような時間を過ごし
まれに降る雨のために山裾で低い警笛を鳴らしたり
青い ....
口の周り
ベタベタにして
ナポリタンを食う
あんたねー
子供じゃないんだから
カウンターで
タバコの煙を鼻から出す
ママはうれしげ
揺れるベッドから理性が零れ落ちた
神性を目指した船の軌道が僅かに逸れたが
荒れたシーツの波は誠実な舵を狂わせる
足早に落ちてくる星 激しく吹く風
互いの舌の先から 獰猛な動物が飛び出して
互 ....
夢と心を
夕空に放ち
林檎を かじる
しゃりっと
音を出す度に
淡くなる空
雲のドミノ
神が倒さない
ミルキーロード
気流が駆け抜ける
鳥のダンスに拍手を送る
夕 ....
破廉恥な睡眠魔
ちくちくと刺してきやがる
瞳を閉じれば
あんたの世界
仲間が増えたと
喜んでるんだろう
世界の鬱を食い尽くした顔で
レジのお姉さんが挨拶してくる
「 ....
沼にヘラブナがいるのだ
帰って来るなり兄は言った
それから棒切れのようなものに
糸と針がついただけの貧しい釣竿を手にし
友達と少し遠い所にある沼に出かけた
数時間後、兄だけが帰っ ....
明るい冗句を放ちながら
子供を学校へ送り届けるママは
仕事の前に本人は気付いていない程
強くすするオートミール
兄は思っているいつか大きな金を稼いで
ママに楽をさせてあげたい
本人は気 ....
僕がなかなか寝ないので
ママが「おやすみなさい」の森へ
行きなさいと言った
僕はしかたがないので
安心毛布を引きずって
「おやすみなさい」の森へ向かう
森は暗くて静かだった
誰もいな ....
深い森の中では
フクロウが夜を歌ってる
あの娘は眠りの浮舟に乗って
夜空に漂ってる
僕は時の移ろいを感じて
すこしばかりお酒を飲んでいる
通りに出れば路地裏で
アスファル ....
黒カラス。
ゴミを漁りて世を乱す。
僕の出すゴミ見向きせず。
嬉しいような。
悲しいような。
階段で。
予想以上に足が出ず。
脛を打ち据え悶絶す。
疲れているなと慰める。
老いた ....
ニキビひとつ
君を想えば
潰れてしまって
君への愛が
膿となって飛び出す
愛愛アイタタタタ
潰れてしまって
君に会えない哀しみが
膿となって飛び出す
哀哀アイタタタタ
....
たいした事はしていないのに
アリガトウを言われた
すごく幸せな気分になった
少し手を貸してもらったから
アリガトウと言った
また幸せな気分になった
どうやら
アリ ....
私はこいぬにサワレナイ
こいぬはある日詩集に収められ
翌日は小説の頁の間にはさまっていた
こいぬはどこへでも出かけてゆき
街ではスピーカーから聞こえてきた
カメラを覗くと
かな ....
愛しているという言葉自体には
愛しているという意味は無くて
貴方が喜んでくれた時
初めて言葉は輝きを放つ
ありがとうという言葉自体には
ありがとうという意味は無くて
貴方が笑い返してく ....
はい、まずは
詩情を刻んでください。
そう、イチョウ切りです。
しっかり、一口大に
込み上げる詩情を刻んでください。
では、次に
ココロザシの皮を剥いてください。
ピーラーは敢えて使 ....
あたしはただの女だけど
二つの腕があるので
あの人を守ろう思う
あたしはただの女だけど
撃ち込める弾丸はないので
あの人に言葉を込めようと思う
あたしはただの女だけ ....
夜の隙間に
白くてそこだけ輝いた
同じ時間
同じ場所
裸のままの二人が
窓を開けて呼んだ
少し離れて
首を傾げる
月に輝く夜の猫
....
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