すべてのおすすめ
やっと会えた母は、とても穏やかな顔をして眠っていた
真新しい白装束 解剖の痕跡も知らず
すでに身体は綺麗に浄められて
「コロっと死にたい」
いつもの口癖通り、突然の呆気ない最後だった

入 ....
萎み始めた意識の片隅に
かろうじて立て掛けてある
ギターの絃はたぶん錆びついて
降り積もる時間に埋れている

僕の指は踊れないから
意味を探してしまうから
残念ながらギター弾きにはなれな ....
強く高みを掴んだ
脚に力を射して
秒速の息づかいを届けた
筋肉の震え
ハチドリの余韻
ふたごの虹

高音域を続けたのち
からだをつらぬく絹糸
歌はすべて感情から生まれ
歌はすべてあ ....
さしすせそ

歯に沁みる朝

凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す

たちつてと

舌で弾けない昼

すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
お正月に風呂屋へ行き 
入口でもらったサービスの甘酒を手に 
目に入った「足湯」に 
ズボンをまくって、足を浸す 

紙コップから{ルビ一滴=いってき}の甘酒がこぼれ 
お湯が一瞬、白く濁 ....
飛べない魚が
雲の中から這い出してくる
ふるい戦闘機のなきがら
双胴に牡蠣殻のいちめん

酷使されたラジオから
喉をさいて響く歌
あたたかいミルクを呼んで
冷たい夜に泣く ....
窓を開け放つと風が発泡する
それも少し前の記憶
目が覚めている領域に
睡魔は
棲みつく
眠ればこっちのものだ
ヒトの器を残して

記憶は更新され
忘れがたきモノ

核廃 ....
はぶさんは、いつも 
ぺっぺっと唾を吐く 
所構わずトイレになる 
介助しようと抱きかかえれば 
細い手足で、殴る、蹴る 

そんなはぶさんの細枝のような体が 
実は末期癌に蝕まれていな ....
空のひとすじ
とぎれとぎれに
たましいたちの渡り
祝祭の予感が
はりつめて街に灯る

肌をかさねる
こいびとは柑橘の香り
湿り気を母音に換え
いくつも降らせ
打ち上げて

土く ....
drumの最後の一撃が吸い込まれてゆく夜明けに

トラックを転がしている

この時間の国道は意外に詩的だ


ベックのクールミントな響きにふさわしいあさだ

世界はguitarの一弦 ....
西通りの角で手を振る
ここに辿り着くまでに
3回電話して5回鏡を見た
巻き戻ったストーリー


―深めにかぶった帽子の下
 その凛とした視線の先に
 何が映っているんだろう
 って
 ....
世界は しらじらしい
夢の中すら 雪がふりはじめたから
道は 白く はばまれて 遠い
雪にかわったり 曇天に変わったりする幻を
さて いくつ超えようか


カーブごとに 
ド ....
ふるさとは好きだけど
ふるさとにはないものがここにはあるの
感じたくて触れたくてしょうがないものがたくさんありすぎて
そして消える時には
好きな人たち好きなものたち好きなすべてに囲まれていたい ....
渋谷のライブハウスgeeーgeに入ると 
唄歌いの君は 
カウンターで手づくりのおでんを 
皿に盛り、お客さんに手渡していた 

若い歌姫が「涙そうそう」を歌い 
チャイナ服のバンドの「モ ....
    振りむけずうなだれている
錆びた鉄板が貼り付いた猫背のかげ

     Karmanが過去帳となって
      regretが形見となって
   鉛いろの空に散らばっている

 ....
 
 
生き物が一匹 
息をしている 
印刷物の新しい匂いは
いつまでも消えない
一昨日、いとこから
椅子に座っている、と 
糸電話で連絡があった 
いま僕は
色と形を見ている 
 ....
水に映る 白いまだら
狼の家族を 追い立てる光
撒かれる水鳥の骨より白く
昼の月に背を向ける
昼の月に 背を向ける
両手のひらから 掬った砂糖をこぼすように
太陽を背中にしょって 始発を待つように
便りが届く
穏やかな風が吹き
背骨がふるえる

思わせぶりを横にやること
厚みを保つ ....
妻の運転する車に乗り 
CDの再生ボタンを押す 

「状況はどうだい、居ない君に尋ねる」 

新たなる日々が、始まろうとしていた。 
3年前、自ら世を去った友を思い出していた。 

こ ....
月が隠れる

空には星が

集まっているように見えた

きょうからあしたにかけて

月が欠けて

満ちてゆく


何億年前から決まっていた

そんなことなんだすべては
 ....
十年も使い込んだ御飯茶碗を
呆気なく割られてしまった翌日
雑貨屋の食器売場の谷底を
額に不機嫌なしわを寄せながら
這いずり回っていた

掌と肘と腕に違和感を伝えない
丸みと厚みと高さ ....
ひかる夜のはじまり月の余韻に
雪のかけ橋多摩のよこやま



ゆきかうひとたちが家路につく
荷物と引きかえに流れ去る喧騒
遠く暮れるまちなみ
新参者のたばこのにおい

膝にまどろめ ....
それを目の前で見たとしたら



傾斜した繁華街のとりわけ地盤の緩んだ坂の下にビルディングの錯綜した影が幾重に折り重なる穴のような暗室でパーティーはそろそろお開きの準備という状態がもう幾年も続 ....
なかやまどうをはしれば
とりいをくぐって
あやしいみずうみにたどりつく
集団がよりついてきて
その数をふやそうとすると
どうしても対立がおきてしまい
ばあちゃんがうるさいほど
おなじ話を ....
なべを煮詰めるじかん 不安で しぬじかん わたしは不安で

人工甘味料はわたしを疲弊させミミズはぜんどう運動にあきて

粘土のような空はむなしく 不登校児のからっぽの机のようで

湧水にの ....
「十二月の雨」は酷評

ビジネススーツなんて着て
痛覚のないロボットになら
悪態をついてもいい
と、思っている

魔法の網点が、
ぼんやりと何もかも
すべて欲してしまい
白いシ ....
洗面器に彼女は顔をつけたまま
これっぽっちの水で溺死すべきではない
近所に駅が開通し、都心へのアクセスがスムーズになったが
人身事故による遅延の恐怖で外出できない

歴史的な労働力が堕落する ....
{画像=111201004459.jpg}


太陽が液状化する
とろけながらも
雲の絹糸を伝い這うように向かう先は
飽きもせず西の空だが
絶望じゃない
繰り返しは絶望じゃない
私は ....
感覚を駆って
熱と湿度が飛び交って
ふたつの身体を高めていく

星間飛行の鈍色の船体が
故郷の水を恋しがって
恒星の配列をなぞるように
五感が跳ねて
目を閉じているのに  ....
きみのペースに生きている
ゆるまったり急いたりして
かたちを自在に変えながら
音楽を奏でるいきもの
春の空をゆびで容易くひろげて
降りてきたきみなのでしょう
川辺の花に鼻をよせ
草にむし ....
うわの空。さんの自由詩おすすめリスト(119)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最後の紅- 渡 ひろ ...自由詩32*13-12-2
アルペジオ- nonya自由詩30*12-2-4
ひかりと歌とふたごの虹- たちばな ...自由詩23*12-2-2
寒波- nonya自由詩33*12-1-14
甘酒の味_- 服部 剛自由詩8*12-1-6
即興(夜空への祈り)- 橘あまね自由詩1312-1-5
転調した花婿も独裁者と同時に腐る- timoleon自由詩1011-12-28
はぶさん_- 服部 剛自由詩511-12-20
即興(多摩、12月)- 橘あまね自由詩1411-12-20
ZipRock- 梅昆布茶自由詩511-12-20
正反対のショートストーリー- AquArium自由詩111-12-18
最弱- るるりら自由詩20*11-12-18
【五行詩】終わりへと- 凛々椿自由詩811-12-17
渋谷一軒屋の夜_- 服部 剛自由詩311-12-17
Epilogue(2011)- 信天翁自由詩111-12-17
息をしている- たもつ自由詩711-12-17
ノート(48Y.12・16)- 木立 悟自由詩511-12-16
未満- たちばな ...自由詩21*11-12-14
船に乗る日_- 服部 剛自由詩511-12-13
セレナーデ- 吉岡ペペ ...自由詩3+11-12-11
愛着- nonya自由詩16*11-12-10
ひかりの冬、はじまり、ひとつ。- たちばな ...自由詩20*11-12-8
暗室- timoleon自由詩6*11-12-6
大宮公園- 中川達矢自由詩611-12-4
待つ- いかりは ...自由詩211-12-2
雨の日について- timoleon自由詩2*11-12-2
非暴力の拡散的スピード- timoleon自由詩8*11-12-1
太陽に倣う- 凛々椿自由詩1111-12-1
星にかける虹- 橘あまね自由詩1311-11-30
生まれたことについて- たちばな ...自由詩23*11-11-30

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4