吉岡君
電車の中で思わず声をかけそうになった

よく考えてみれば
こんな時間、こんな場所に
吉岡君がいるはずもないというのに
あの日と同じ顔
学生服のままで

そんな僕はまだ
 ....
つゆやみの夜
降りしきる蛙の鳴き声
このたくさんの鳴き声の中にも
さみしい蛙はいるのです

呼ばれているような気がして
サンダルを履いて庭に出てみると
蛙の鳴き声が辺りを包みます
白い ....
 足の親指のつめは独特のにおいがする。すみっこを指先で持ち上げて、その指をにおう。やみつきになる。だからつめが反っている。そこをかむのが好きだ。入浴時にしっかりと洗い、下着をはいたのち、足を口元に引き ....  太っていると下ネタが決まらない。最近は、「アーモンド小魚」「アーモンドフィッシュ」という名で売られているカタクチイワシとアーモンドのそぎれを食べている。「私、アーモンド中毒なの」と宣言するとおしゃれ .... 食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと 
もがいているようで
かなし ....
 乗っていた飛行機がハイジャックされた。乗客はパラシュートを背に落とされた。多くの人が海に叩きつけられた。空を飛べたのは私を含めて数人だった。この島に降り立ったのは私と美加だけだった。調べたところ無人 .... ■ 巨乳反対!!
 サトエリは多分いい子みたいなんで嫌いではないが、しかしだ、
なんでキューティーハニーの身体にパタリロの顔がついてるんだ、と言いたい。
…と枕をかましたところで。彼女は「ナイス ....
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音

聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
批評だ批評だ批評が必要だとネットで吠え続けて、おそらく数年になる。私自身は、地方同人詩誌での合評会や蘭の会内部でのわずかな批評と、詩集そのものに対するいくつかの批評をのぞき、自分の作品に長文の批評をネ .... しりん。
しりいいいいいん。りいいん。いん。
しりん。


水が滴り落ちるこの洞窟で
俺は縮みきったおまえの顔を見ている。
瞳は薄くなった瞼に閉ざされ
口は半ば開いているが
そこから ....
水面をゆらしながら
初夏のかぜが吹きすぎる
こいびとの手をひいて
堤防をころげた

草についた水滴はあまくひかる
さかなが跳ねてぱちゃんと音をたてた
はねまわる ころがる
だきしめる  ....
家にある薬箱のなかの服用薬を全部飲んでしまったことがある。19のときだ。頭痛薬からキャベジンから風邪薬から、とにかく服用薬は全部飲んだが、水虫の薬など外用薬は飲まなかった。死にたくはなかったのだと、思 .... うちの窓から
朝日はみえない
きっとどこかの窓からは
朝日がみえる
みえるのだろう
夕べ
流しの三角コーナーに
食べ残したサラダを捨てながら思った
サラダの中の胡瓜が細かくなる前
の ....
君が死んだら
君を入れた棺にのって


三途の川でも上ろうと思う



お腹がすいたら
君を食べて

遺骨で作った槍で
閻魔を殺そうと思う


ああ

そんな
呆れ ....
最初から誰のために生きるかを母子手帳にでも書いてあったら

ゲームなのシュミレートなら任せてよ 幸せよりもドキドキが好き

夢ならばキミの生きるべく道ならば迷わずアタシくらい捨てちゃえってば
 ....
あざが4つと
擦り傷が一つ
引いて3
誰かがあたしのトイレを見て
3言くらいコメントをする
なのにひとつも
思い出せない
そんなことが
短い期間に
2度繰り返されて
引いて1
額 ....
かお
わろてるかお

たまごやきの ふちを
ようやけんひと
きかんしゃに
ようとびこめんあたし

だいたいは こなごな

もはや


なんもでけへんけど

あんたの洗濯だ ....
私が人様にはじめて認められた文章は、詩ではなく評論であった。それは静岡県民文学祭で芸術祭賞を受賞した。今の私からみると暴論みたいなところもあるし、古くなっているところもあるし、そもそも「評論」と名乗っ .... 女の子とはかわいいものだ
かわいがれるうちには可愛がりたい

手に負えなくなったら
秋葉原に行くか、
ひきこもるか、
戦争をおっぱじめるか

目が笑ってない場合どうすればいいのか
東 ....
ある日憎しみが空から降ってきた 皆は窒息した

虫かごを下げて草むらを這いずり回っていた頃があったろう
誰もが共有する思い出だ すべての思い出なら無意味だ
わたしはりんりんと鳴く虫を肩から下げ ....
赤く青く黄いろく黒く戦死せり  (渡辺白泉)

なんだかだんだん非ジョーシキでなくなってきた「俳句の非ジョーシキ具体例」、今度は時事ネタである。それも茶化すわけにはいかないたぐいの時事ネタである。 ....
母を脱ぐ

血を浴びて
いまだ名もなし  (高柳重信)

すでに忘れられたとおぼしき「俳句の非ジョーシキ具体例」シリーズ、まだ終わってはいない。天災のごとく忘れたころ(実を言えば他のネタが尽 ....
人間であるのがいやで山を行く

スパイする鳥には鳥の秘密あり

晩飯の足しに菜を摘む生き抜くぞ!

春もみじ赤く萌えても桜に負ける

迷彩服迷彩帽で環境保全

どこまでも誰かが踏ん ....
今日は早朝バイトがないけれどまだ起きている。テレビではもうイラクの三人の人質について報道しているのだろうか、いや、まだ報道しているんだろうか。テレビを見る気がしないのでわからない。わからないけどたぶん .... 一人の命は地球よりも重いのです
ましてやそれが三つもあるのに
地球は一個しかありませんよ

命だけは助けてくださいと
あやまりなさい
お願いなさい

土下座もなさい
裸踊りもなさい
 ....
うちには
おとなと
こどもと
インドホシガメと
魚がたくさんと
植物が
住んでる

あと、死んだものが
たくさん

死んだものはわたしが
清潔で明るいキッチンで
ばしばし料理 ....
夜の媚香に誘われて、平野のお宮の夜桜と、
 今宵限りの交わりを、
  桜雫に身を濡らし、交わして酔って事果てた。




「酔桜 - 宵桜 - 」
04/04/2004 【PULL.】 ....
隙あらば寂しいと言おうとするこの口を
誰か縫いつけて下さい

私が言うことで傷つく人がいるだけで
何も生み出さない

この言葉を

誰か縫い付けて下さい

一人眠る冷たい布団
ど ....
このシリーズは「俳句の非ジョーシキ」であって「俳句のジョーシキ」ではない。勘違いしてる向きがあるとびみょーになんだから、念のため。

さて、ジョーシキを蹴飛ばす前にジョーシキを認識しておけというこ ....
昼下がり、
アボカドを喰べながら新聞をナナメ読み
焦げ臭いコーヒーカップの居場所をくんくんくん、鼻と指で探りながらその上
つけっぱなしのTVにぼんやり耳を奪われたまま
彼女は広告の裏に、いたず ....
佐伯さんのおすすめリスト(91)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- たもつ自由詩2804-6-8
つゆやみの夜- ワタナベ自由詩20*04-6-8
- 城之崎二 ...散文(批評 ...304-6-7
女性が安心して読める下ネタを書くには- 山内緋呂 ...散文(批評 ...11*04-6-7
食卓レモン- 湾鶴自由詩19*04-6-6
- 城之崎二 ...散文(批評 ...404-6-3
巨乳反対から始まるいくつかの反対- クリ散文(批評 ...604-6-3
こしかたゆくすえ星あかりのみ- 小池房枝自由詩9*04-5-24
やりたいことがあるんです- 佐々宝砂散文(批評 ...30+*04-5-20
愛していると言ってくれ- 佐々宝砂自由詩204-5-18
ちぢにみだれる- 竹節一二 ...自由詩804-5-18
自己を愛するための- 佐々宝砂散文(批評 ...1404-5-18
サラダ- サダアイ ...自由詩2604-5-15
酔い言- 蒸発王自由詩204-5-14
ガールズブラボー- yozo短歌404-5-13
順位の永久運動- 鏡文字自由詩304-5-12
あほうの鏡- 山内緋呂 ...未詩・独白3*04-5-11
批評という暴力的愛情表現- 佐々宝砂散文(批評 ...2204-5-8
オレオレ詩- 馬野ミキ自由詩804-4-28
近所の汚れた川に肩まで浸かって待ち伏せた鴨を殺して食べたいよ- 黒川排除 ...自由詩704-4-23
俳句の非ジョーシキ具体例5- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-4-19
俳句の非ジョーシキ具体例3- 佐々宝砂散文(批評 ...13*04-4-13
春の野山にて- 佐々宝砂川柳504-4-12
今日はきっと頭が痛い- 佐々宝砂散文(批評 ...8*04-4-9
落首その1- 山田せば ...自由詩704-4-9
清潔で明るいところ- チアーヌ未詩・独白804-4-8
「酔桜_-_宵桜_-_」- PULL.自由詩104-4-4
縫い物- 暗闇れも ...自由詩4*04-3-14
その2俳句の非ジョーシキ- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-3-10
『アボカド、な午後』- 川村 透自由詩4*04-3-9

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