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切り刻め
春を
芽吹きを
生え初めたばかりのあわい下草を

切り裂け
よく研いだ鉈で
大地を
老いぼれた大樹を
枯れながらまだ生にしがみつく老骨を

一刀両断されたきみの住まいに ....
夢の中で川を下ったのと云ったら
ああそうなんだきみも下ったのかと
あのかたは云ったのだけれど
そういうあのかたは
夢の中で川を下ったことなどないのだと
わたしは知っていた

ほんとうのこ ....
最初にぼくたちは井戸を掘った
深く掘り進めば
清らかな水が湧き出すと信じた

けれど 掘っても掘っても水は出なかった
そこでぼくたちは業者を呼んで水道を引いた
それからぼくたちは ....
目をみひらいて
うっとりと
車窓にもたれ
ねむっているきみ

きみの瞳にはただ
つらなる山々がうつっている
きみが演ずるはずの絢爛たる舞台は
いつ 幕を上げるというのか  ....
私は素手で土を掘った
逆さ剥けから血がにじんだ
さらに掘り進むと爪が剥がれた
赤土は血を吸いながら悦んで湯気をあげた

肥ってはいるけれどゆがんだ芋虫が
私の掘った穴から這い出し ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
This is private

きみだけが判ってくれていた気がするけれど
それは錯覚だったかもしれない
きみはこんなところまで来なくていい
きみは温かい部屋で笑っているのが似合う  ....
雨は降りそそぐでしょう禁じられても
大地は受け止めるでしょう嘲られても

たとえ何億回囁かれたとて
愛は愛でございますとも
たとえ道端で売られていてさえ
人は人でございますとも

あた ....
昨日を映す鏡がある。
鏡の中の私は
コーヒーカップ片手に
煙草をくゆらしている。
煙草の煙が文字を描く。
危険
と読める。
昨日の私はいらただしげに
カップを持っていない方の手で
空 ....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか 
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
 ....
私の身体はやわらかい、
私の身体に剛い毛は生えない、
私の頬は滑らかで、
私の胸は満月の丸さ、
私の下腹には毎月ひとつの卵が生まれ、
そして死ぬ。

音もなく霜の降りる夜半、 ....
水道の蛇口を捻ると
羽根飾りを着けた男の子達が飛び出してくる
あわてて掬って口に含むと
格子窓から漏れてくる明かりのような
ぼんやりとまたうっとりとした
現実に変わって
あたしの渇きを癒す ....
誰にくれてやることもせずむさぼった
粗いフィルムの陰影を透しスカートから
のぞくガーターの片りんを思う
音量は振動となり骨肉に伝う こんなときには
ありがたい むさぼるだけ
むさぼっ ....
下方を流れる
動けないアスファルトを
凝視している
夏の衣服の軽率な体で、出来うる限り
常に重力のことを忘れず
下方を流れる、動けないアスファルトを
凝視している


歩く私 ....
くらい部屋の中
あなたはいつからいたんですか
ずっとそこにいたんですか
さっき?さっき来たばかり?
そうですか
全然気づきませんでした 
すみません
なんだか元気がないですね
お腹がす ....
吉岡君
電車の中で思わず声をかけそうになった

よく考えてみれば
こんな時間、こんな場所に
吉岡君がいるはずもないというのに
あの日と同じ顔
学生服のままで

そんな僕はまだ
 ....
つゆやみの夜
降りしきる蛙の鳴き声
このたくさんの鳴き声の中にも
さみしい蛙はいるのです

呼ばれているような気がして
サンダルを履いて庭に出てみると
蛙の鳴き声が辺りを包みます
白い ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと 
もがいているようで
かなし ....
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音

聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
しりん。
しりいいいいいん。りいいん。いん。
しりん。


水が滴り落ちるこの洞窟で
俺は縮みきったおまえの顔を見ている。
瞳は薄くなった瞼に閉ざされ
口は半ば開いているが
そこから ....
水面をゆらしながら
初夏のかぜが吹きすぎる
こいびとの手をひいて
堤防をころげた

草についた水滴はあまくひかる
さかなが跳ねてぱちゃんと音をたてた
はねまわる ころがる
だきしめる  ....
うちの窓から
朝日はみえない
きっとどこかの窓からは
朝日がみえる
みえるのだろう
夕べ
流しの三角コーナーに
食べ残したサラダを捨てながら思った
サラダの中の胡瓜が細かくなる前
の ....
君が死んだら
君を入れた棺にのって


三途の川でも上ろうと思う



お腹がすいたら
君を食べて

遺骨で作った槍で
閻魔を殺そうと思う


ああ

そんな
呆れ ....
あざが4つと
擦り傷が一つ
引いて3
誰かがあたしのトイレを見て
3言くらいコメントをする
なのにひとつも
思い出せない
そんなことが
短い期間に
2度繰り返されて
引いて1
額 ....
女の子とはかわいいものだ
かわいがれるうちには可愛がりたい

手に負えなくなったら
秋葉原に行くか、
ひきこもるか、
戦争をおっぱじめるか

目が笑ってない場合どうすればいいのか
東 ....
ある日憎しみが空から降ってきた 皆は窒息した

虫かごを下げて草むらを這いずり回っていた頃があったろう
誰もが共有する思い出だ すべての思い出なら無意味だ
わたしはりんりんと鳴く虫を肩から下げ ....
一人の命は地球よりも重いのです
ましてやそれが三つもあるのに
地球は一個しかありませんよ

命だけは助けてくださいと
あやまりなさい
お願いなさい

土下座もなさい
裸踊りもなさい
 ....
夜の媚香に誘われて、平野のお宮の夜桜と、
 今宵限りの交わりを、
  桜雫に身を濡らし、交わして酔って事果てた。




「酔桜 - 宵桜 - 」
04/04/2004 【PULL.】 ....
隙あらば寂しいと言おうとするこの口を
誰か縫いつけて下さい

私が言うことで傷つく人がいるだけで
何も生み出さない

この言葉を

誰か縫い付けて下さい

一人眠る冷たい布団
ど ....
昼下がり、
アボカドを喰べながら新聞をナナメ読み
焦げ臭いコーヒーカップの居場所をくんくんくん、鼻と指で探りながらその上
つけっぱなしのTVにぼんやり耳を奪われたまま
彼女は広告の裏に、いたず ....
佐伯さんの自由詩おすすめリスト(51)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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家庭の成立- 佐々宝砂自由詩4*04-12-7
夢みるひとのためのソネット- 佐々宝砂自由詩3*04-10-28
赤土の唄- 佐々宝砂自由詩1104-10-26
淋しい人- たもつ自由詩4004-10-26
プライヴェート・エンド- 佐々宝砂自由詩5*04-10-18
わかりやすい最古の商売- 佐々宝砂自由詩904-10-6
鏡の国からの強迫- 佐々宝砂自由詩404-9-30
ひとはみな- みつべえ自由詩1104-9-29
夜を恋する人- 佐々宝砂自由詩6*04-9-5
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フラッシュバック- 田代深子自由詩1104-7-9
喪失訓練- A道化自由詩604-6-30
着床- 本木はじ ...自由詩904-6-23
- たもつ自由詩2804-6-8
つゆやみの夜- ワタナベ自由詩20*04-6-8
食卓レモン- 湾鶴自由詩19*04-6-6
こしかたゆくすえ星あかりのみ- 小池房枝自由詩9*04-5-24
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サラダ- サダアイ ...自由詩2604-5-15
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