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昨夜は母ちゃんが 
皿洗いを終えた後 
ストレスから来る腹痛で 
じっと座り込んでいた 

今夜は親父が 
夜勤警備で老体に鞭打ち 
今頃懐中電灯を手に 
役所の廊下を照らしてる 
 ....
車に跳ねられ
長時間の手術を終えた後 
息子が横たわるベッドの傍らで 
涙を堪えながら母は 
布団の脇にこぼれた手を 
握りしめる 

消灯時間を過ぎた夜更けにも 
闘いの後の休息に瞳 ....
わたしの心と体というふたつは 
風の息吹に包まれながら 
透けた紐に結ばれたひとつです 

体が体のみならば 
わたしは只の人形です 

心が心のみならば 
わたしは只の霊魂です 
 ....
春雨の降る夕暮れ時に 
私は傘も差さずに 
飲み屋の前で 
酔っ払った学生達の 
笑い声を背後に 
高田馬場駅への道を行く 

吉野家の入り口に
貼られたポスターは
先日婚約発表をし ....
東口を出た歩道橋に 
一人立つ 
目の見えない 
フルート吹きの奏でる 
あめーじんぐぐれいすの 
音色を前に 

手押し車の老婆は通りすぎ 
土産袋を持ったサラリーマンは通りすぎ 
 ....
春雨の降る午後 
私は一人傘を差し 
無数の蕾が開き始める 
桜並木の道を往く 

三っつ目の信号を曲がり 
学校に沿う坂を下ると 
傘を差す 
君の母が立っており 
喪服の私は頭を ....
目の前を通りすぎた車の
マフラーから昇った煙が 
ふわりと散って消えた 

道路をわたるぼくも 
人生という夢を通りすぎる 
ひとりの煙にすぎない 
喫茶店で読む 
本を閉じて 
顔を上げると 

昨日の散歩中 
ふたり並んで覗く 
川の水面の鴨達に 
袋から餌を蒔いていた 
夫と車椅子の妻が
僕の前の席に座り 
テーブルに置か ....
恋人を亡くし 
自らのこころを立て直そうと  
遠い旅先で 
免許取得の合宿に入った君は 
今日初めてのハンドルを握った 

仕事から帰った僕は 
君のブログの日記を読む 

「ギア ....
仕事帰りの人波に紛れ 
手を繋いだ老夫婦が 
通りすぎていった 

耳に入れたイヤフォンから 
「ベル」という唄を聞くと思い出す
もう会うことも無い
いつかの君の猫なで声 

少し離 ....
はじめて車に乗った日 
すでに僕は30を過ぎていた 

はじめて車に乗った日 
先月25になったばかりで 
自ら世を去った君のことが 
頭から離れなかった 

はじめて車に乗った日 
 ....
本屋の夫婦が 
休日の買い物に行ってる間 
店内の椅子に腰かけて
ストーブの火がゆれる窓に 
開いた両手を揃える 

昨夜の朗読会で 
ギターを置き忘れた雲流さんが 
こんこん と叩い ....
「せくはらは、はーとがあれば、いいのよね」 
勘違い親父の部長を嗜(たしなめ)めるように 
女友達はぼくにささやかな 
愛の秘密を教えてくれた 

「ちょっくら金をおろしてきます」 
ふた ....
こころをそらにすると 
あるがままにうつるようになる 

つくえのうえにちらばった 
えんぴつやほんも 
かっぷやすぷーんも 

きのう
ぼくのむねにぐさりとささった 
だれかのこと ....
十日前の旅先を思い出そうと 
揺り椅子に腰掛けて  
手にした「大和路」の頁を開く 


一枚の挿絵は 
{ルビ夕暗=ゆうやみ}の時刻 
唐招提寺の円柱に 
そうっと片手をあてる 
 ....
山々の間の空を 
喜び一杯に翼をひろげ  
流れていった 
雀の群 

{ルビ翻=ひるがえ}り 

枝々に小さい太陽を灯す 
柿の林に舞い降りて 
無数の黒い音符になった 

天 ....
年賀状の
返事を出しに 
近所を歩く 

遠くに見える
赤いポストの頭に 
新年の日が映り 
うっすら後光が
射していた 

かけがえのない人々の
名を記した年賀状を 
輪ゴム ....
何杯かの紅茶を
飲み終えた机の上に
本の積まれた頃 

小皿の上に 
時計回りで倒れ{ルビ萎=しな}びた 
ティーパック

真ん中に置かれた 
{ルビ空=から}のスプーンのみが 
 ....
法隆寺を後にして
大和の日も沈む夜 

土塀のつづく石畳の道 
街灯の灯る曲がり角に 
顔の無い水子の仏像が 
肩を並べて待っていた 

しゃがんで 
幾人もの丸石の顔等に 
手を ....
初出勤のバスには 
4人の乗客 

到着するバス停を降りて 
それぞれの瞬きを胸に
それぞれの舞台へ 
散らばってゆく僕等は 
地上に降りた 
4っつの星 

体の透けた 
帽子 ....
今日も{ルビ賑=にぎ}やかな 
職場の仲間は 
跡形も無く姿を消した 
残業の時刻 

静まり返った部屋で 
ぱらぱら 
書類の{ルビ頁=ページ}を{ルビ捲=めく}りつつ 
手にした判 ....
じゃじゃりり〜ん 


紅茶が美味しい原宿のCafeで 
初老の紳士が羽織ったジャケットから 
小銭が床に散らばった 

赤いチェックのワンピース 
栗毛に{ルビ薔薇=ばら}のリボンを ....
背の小さい盲目の少女が 
ノッポな友達と腕を組み 
うれしそうに通り過ぎた 

コートのポケットに 
両手を突っ込んだぼくは 
耳に入れたイヤフォンから 
Bump of chicken ....
甘っちょろい顔をしてたら 
隙を突かれる世の中なので 
日々の仕事に入ってゆくと 
{ルビ般若=はんにゃ}の仮面をわたしは被る 

青いイルミネーションの並木道を 
恋人達が手を繋いで歩く ....
 皆さんおはようございます。先日の「紅白ぽえとりー
劇場」では自分がほんとうにやりたい(なにか)が垣間
見えた夜で、それは皆さんが集まってくださったからだ
と思っています。職場に戻ってからも常に ....
ましろい壁に伏せた顔を 
100数えて振り向くと 
そこは360°静まり返った 
今日という日の地平だった 

いつのまにか鬼になっていたぼくは 
今から探さなきゃならない 

閉ざさ ....
亡き人を偲び 
酒の机を囲むと何故か 

予想外におまけな 
一本のビールや 

皆の和に 
入りたそうな誰かの為に  
余分なグラスが運ばれる 

皿に盛られたつまみはどれも 
 ....
{ルビ霞=かすみ}のかかる朝 
交差点を横切る車の窓に 
雲間から射す 
日が光った 

( 冬の澄んだ路上に浮かぶ 
( かたまった光の残照 

次の瞬間 
「通りゃんせ」の唄は流 ....
「トイレはどこですか?」 

細い目をぱちりと開き 
丁寧に差し出す手のひらで 
トイレの場所を教えてくれた 
美術館のスーツを着た女の子 

チャックをしめて 
トイレから出ていくと ....
一月前に倒産した
詩学の社長の寺西さんが
事務所の布団に横たわったまま 
十日前にこの世を去った 

様態急変による 
脳内出血であったという 

三年前の「青の日」で 
互いの詩を ....
渡 ひろこさんの服部 剛さんおすすめリスト(72)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
丘の上へ_- 服部 剛自由詩4*08-4-25
Maria_- 服部 剛自由詩7*08-4-21
宇宙ノ木_- 服部 剛自由詩10*08-4-18
高田馬場哀歌_- 服部 剛自由詩7*08-3-31
五線譜の橋__- 服部 剛自由詩17*08-3-24
春雨の午後_- 服部 剛自由詩18*08-3-24
煙のひと_- 服部 剛自由詩208-3-3
夫婦の食卓_- 服部 剛自由詩408-2-24
声援_- 服部 剛自由詩14*08-2-21
ひかりの夜道_- 服部 剛自由詩308-2-20
オリオンの唄_〜_亡き友への_requiem_〜_- 服部 剛自由詩5*08-2-16
留守番時間______- 服部 剛自由詩108-2-10
女のことば_- 服部 剛自由詩208-2-3
「_灯_」- 服部 剛自由詩708-1-25
挿絵の旅人_〜唐招提寺にて〜_- 服部 剛自由詩308-1-16
空の窓_〜明日香村にて〜_- 服部 剛自由詩308-1-13
投函の間_- 服部 剛自由詩308-1-7
一匙のひかり_- 服部 剛自由詩5*08-1-6
水子ノ声_〜法隆寺の小道にて〜__- 服部 剛自由詩308-1-5
ひかりの鳥_- 服部 剛自由詩608-1-4
パレード_〜年の瀬の夜〜_- 服部 剛自由詩807-12-28
「_Help!_」_- 服部 剛自由詩307-12-28
冬の星_- 服部 剛自由詩307-12-27
イヴの夜_〜こころの馬屋〜_- 服部 剛自由詩3*07-12-25
「光の剣」_〜BUMP_OF_CHICKENに勇気をもらう〜 ...- 服部 剛散文(批評 ...3*07-12-20
かくれんぼ_- 服部 剛自由詩6*07-12-20
グラスの影_- 服部 剛自由詩607-12-17
しろいひと- 服部 剛自由詩707-12-15
牛乳の糸_- 服部 剛自由詩4*07-12-9
密葬の夜_〜青の日〜- 服部 剛自由詩607-12-9

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