恋しさにとまどう心シクラメン
    うつむく頬にそっと紅さし


今もなおあの日の夢にくちづける
    クリスマスローズ淡き語らい


冬を恋いうす黄に咲くはわが心
    いつ ....
すこしずつ、歩みつづけているんだ。


こんなふうにしてでも。








このたましいは、どこへゆくのだろう


なに者に、なるのだろう

このこころは ....
冬の青空を
鳥が飛んでゆく
まっすぐに
きりっとした冬の翼で
空を切ってゆく

何もない空の一瞬の変化が
大地への躍動を与え
その羽ばたきは
心の波となり
生に響きを与える

 ....
色を持たない水彩画のように
雨が。

数えてよ そのいくすじか
みつめてよ その息づかい

ふるふれ 雨の無表情

  
 ....
ゆっくりと頬を伝って流れる涙

悲しみの雪の中を体中真っ白に染まるまで

一人で泣きながらあるいた

風が吹いてサラサラと粉雪が空に登っていく

僕の弱さを心を伝って捜した
 ....
それで ええねん


そんなふうに やさしくしてくれたりな


そんなことでも ええねん


その気がないことだとか

そんなことは ええねん


むしろ 期待することが  ....
雪ん子舞い散る故郷から
童子たちのまぶしい笑顔が消えた
あの頃の笑い声は
顧みることを忘れた古いアルバムのなか


北風ぴゅうぴゅう寒かろう


すっかり刈り取られた稲田を望む
古 ....
あなたに出逢ってから
私は雪原となっていきます

本当の私は
もうどこかに埋もれてしまって
私はただの一面
白く変わっていくのです

あなたの目にも
私は何の色彩も持っていない
存 ....
古いモルタルの
アパートの二階へ続く階段を
普段どおりに駆け上がる
足音はある意味合図だろう
鍵穴にキーを差し込んで
ここまでは完璧にいつも通り
ドアを開けた途端
部屋はいい匂いに溢れて ....
善悪の徴(しるし)を見たし満月の
           澄清(ちょうせい)のそら雲ひとつなく


端々へ光が渡る天空に
       在って在るべき雲流れ行く


夕焼けがビル ....
チェーレ
君の長い睫毛から
真珠がこぼれる
チェーレ
あまりに無垢すぎて
僕はひとつもこぼさないよう
手のひらで受け止めようと


振り向きざま
君の髪がやさしくなびく
歌を歌っ ....
朝の新しい風が
粉雪を連れて
大地に白を吹きかけて
ささやかなあいさつをする

冬の風に蒔かれたその種は
すぐに銀色の花を開かせ
土の中へともぐってゆき
次の朝の茎となる

大地の ....
遠く 見晴らす 草原
凍える手に 情熱にほだされた 息かけ
圧倒的な 旭日は希望と共に 昇り
草花の露は 烈風に揺れ 輝きを増す

地響きがする 遠く遥かな 思いを湛え
{ルビ群馬=ぐんば ....
 サラサラ

 サラサラ

 
 時の流れて行く音が聞こえた

 ドクドク
 
 ドクドク


 血液が流れる音が聞こえた

 
 カーキ色した夜を越えて
 浅い眠りか ....
マンションの鍵を開ける
左手にぶら下げた金魚
学校の友達と
お祭りに行ったんだ
金魚すくいでね
僕が取ったんだ
リビングの扉を開けると
ママはソファーで横になっていて
つまらなさそうに ....
勤労感謝の日の昼下がり
今年も晴れているから
散歩に行かなくてはならない

木枯らしの吹く前にと
慌ただしく一年分の
犬の散歩する人の群が
通学路の小径を占拠して
昨日の午後
学校帰 ....
愛する人と手を繋いだりキスしたり抱き合ったりするとき、
いつも考えることがある。

私達の身体の境界は何処ですか?
心の境界は何処ですか?
いつからふたりはふたりで、
いつからひとつになる ....
幻想を かすかに、いだきながら、

ぼくたちは、 恋をする。




それでも、やっぱり、

現実は おそろしくて、


なにかの幻想を いだいている。




もう ....
私が眠っている 界の隙間で
空がどんなあくびをしているか
そんなことが知りたくて
目を覚ますと、忘れてしまう

後頭部に焼き付くような
落日のあの色を
惰眠のみやげにしようと
まぶたに ....
人に知られぬ山奥の
地下から湧き上がるその泉
やがては一筋の川となり
海へと流れてゆく

人が届かぬ大空の
空から湧き下りるその泉
やがては一筋の風となり
海へと流れてゆく

地下 ....

現在から百万年経った後の或る博物館を訪れる。超現実主義者の絵画にも似た未来の展示物に混じって、場違いなほどに色褪せた絶滅動物展示の看板。緑色のリノリウムでできた長い廊下の両端には無数の水槽が並び ....
   

   ひとつの恋の終わりは、
   ひとつの音楽とひとつの香りを残す―――




いつだったか
すれ違った文庫本の帯が
そう主張していた

乾かないルーズソックスの ....
読みかけの雑誌を開いたまま あのひとが
透明なルリルになってしまった

笑みもそのまま ときめきもそのままに
ガラスのルリルになってしまった

うす青い 摩天楼の最上階
ここでは 音がこ ....
起きもせず、眠りもせず
顔の前の空気を、音もたてず吸っている。

この悲しい痛みは消えはしない。  ....
 うまくいかない毎日に
 うんざりしながらも
 今日も煙を吐きながら
 最前線へ向う

 魂は血みどろになりながらも
 ただ、この地球に留まることに
 希望を探し
 自分のちっぽけさを ....
海の音は巻貝の中に閉じ込められた夢の残滓である
それは耳の奥で息を潜める
息を
息を潜める渦巻いた器官のひそやかな記憶である

僕は肺魚の涙
細かな砂粒の上に身を横たえて
黒曜石のつやや ....
生きるのは/疲れましたと祖母が言う/空に刺さった冬の三日月

死にたいと/言えてしまう程わたしは自由/くたばることの出来ない自由

黄昏る/冬の寂しい路地裏に/孕んだ放火魔が火を産み落とす
 ....
ほらこんな風に
指と指で窓をつくる
その空間に映し出されるのは
きっといつか見た事のある
冷たく水を{ルビ湛=たた}えた青い空
耳をそばだてて そして
聞くのはなつかしい声
冬から冬へと ....
正午を過ぎ、 電車に乗った。

静かな その車内で、腰かけていると、

ときに、いろんなものを目にすることがある。








その人は、片足がなかった。

 ....
白光の
南中から 射し込む
瑠璃の
響きなお 幻惑の色彩 立ち込め

天空に瑠璃の宮
その尖塔に
薄く 雲 懸かり

宮の霊気 冷え
凍れる 光線
七色に 乱反射し
音もなく  ....
月夜野さんのおすすめリスト(332)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花言葉Ⅲ- 石瀬琳々短歌14*06-12-8
ゆれゆく- わら自由詩13*06-12-8
冬の翼- ぽえむ君自由詩11*06-12-7
色を持たない水彩画のように- 藍静自由詩23*06-12-7
雪だるまにさようなら- こめ自由詩1906-12-6
せやねん- わら自由詩27*06-12-6
雪ん子のうた- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-12-5
雪原- 三条麗菜自由詩10*06-12-5
さよならは言わない- LEO自由詩24*06-12-5
天の動き- アハウ短歌5*06-12-5
チェーレ_真珠の涙- 石瀬琳々自由詩14*06-12-5
雪の花- ぽえむ君自由詩12*06-12-5
寒風にいななく一群の群馬- アハウ自由詩6*06-12-5
耳を澄ませば- 山崎 風 ...自由詩1006-12-5
少年と金魚- 青山スイ自由詩2606-12-5
勤労感謝の日- あおば自由詩11*06-12-5
ふたりがひとつだったなら- 朽木 裕未詩・独白5*06-12-4
カルマ- わら自由詩11*06-12-4
目覚まし時計を止めたまま- たりぽん ...自由詩16*06-12-4
空の泉- ぽえむ君自由詩7*06-12-3
寓話#4- Utakata自由詩306-12-3
ひとつの恋の- Rin.自由詩24*06-12-2
透明なルリル- 藍静自由詩29*06-12-2
会えない女- ネコ助自由詩2*06-12-2
詩人A- 山崎 風 ...自由詩606-12-2
沖に嘆いた- Utakata自由詩306-12-1
考えるのは生死について、そればっかり- 吉田ぐん ...短歌2406-12-1
冬の窓- 石瀬琳々自由詩29*06-12-1
静かな日- わら自由詩11*06-12-1
瑠璃の宮- アハウ自由詩3*06-12-1

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