1.永遠の序章

(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
廃校舎に月がさしのべる

光の中野エントランスの階段を

少しずつ確かめるように登っていく

昔のクラスの自分席に座って

月明かりに照らされて

まぶしいので目を細める ....
 暗闇のなかを片輪の百足虫が走る。
 背中は凍りつくように冷めたい。
 十時が一番うつくしい、君、
 髪はながいほうがよい、
 鏡は嘘しかつきようがない、
 だって彼には腹というものがな ....
白い花弁に滲んだ色は、
褪めた肌の哀しみにも似て
わずかな岩の裂け目へと根をつけた
くらしの危うさを今も孕みながら
押殺した声の倹しい日々さえ底なしに
やがて崩れ落ちる恋に焦がれて

夢 ....
桜の木の下に埋められた
古ぼけた笑い声と
黄金色の泥濘に
小さく浮かんだ屍

抜け道と装飾と
美しさのアルルカンが
吐き気のする窓に支配されて
瞼の裏がキラキラしやがる

逆さに吊 ....
   1

ビ・バップが
ハード・バップに移行するように
文字は飢えを凌ぐように増殖し続けて
マイルスが観客に背を向けるように
日本語を詭弁でひっくり返してゆくが
そこには表も裏も権力が ....
天蓋に 日 月 輝きあり
静かに 佇む 汀に 潮騒

天空に 漂う 色彩のうず
甘露の 滴り 綺羅に染む

濃い靄 明るい気息の賛美歌が
輝く海から 立ち昇り 漂い広がる
汀のあたり  ....
幹に巻きつけられた
青白い麦球は
今年も
明滅を繰り返す
流れる光は
高い空に昇って
どこへ

すれ違う流れに
爪先を探す男は
今年も
うずくまる
染みだらけのジャンバーを
 ....
あなたに愛される
蝶のようには
なれなかった日

私は一匹の蛾となって
その燐粉は七色に
辺りに飛び散るのです

私の周りには虹ができ
私は私の毒に
やられてしまう

あなたは ....
税込み15750円

うたう
おどる

ひらがなのカッターが
柔らかく微笑んでから
指先を丁寧に切り落としてゆく
シワスノゴゴノヒトトキ
∧師走の午後の一時∨

おせち ....
萎えて行く
心力の花か

ことばとことばに
引っ掛かりをつけ

むすび くねり はりめぐらす
透明のナイロン糸で
部屋じゅう
意味の重さ
心力の光輝

たましいの光る
小部屋 ....
ガンジスの巨大な銀河の流れの清めの沐浴
ヨルダン川のせせらぎ清めのバブテスマ

水が洗い流し
古代の美しき伝統 禊 祓い
聖霊が静かに降臨する

風 うねり 波 満ちる

輝ける 鎮 ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
  {引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
こころのバランス。


わたしは、月の流れのように、



ときに、その波にのまれてしまう











自分を見失うことにも 慣れているのだけれど ....
暗い夜道を独りきり歩く
ビルディングの四角い隙間から
零れ落ちる白い光の柱
あの中できっと誰かが呼吸をしている
そう思うとなぜか悲しくなって

紺碧の夜空はどこまでも続くのに
どうして僕 ....
はみ出した所から全てが始まった

海に浮かぶごみの中に紛れ込んだ

君宛の手紙を運ぶビンはもう

壊れきったままのものでしかなかった

それくらいいいんじゃないか

突然 ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている

きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
ひかりとひかり
あしおとといき
たどりつく波
ひらく手のひら


水に溶けぬ火
沈みつもり
水面に映る
底に棲む泡


ひとりきりで
かがやきを増し
いつか冷え ....
{引用=あたいはあの人がほしいんだ}

ぼこ ぼこ ぼこっ
ゆらめく光の波動
何千もの泡、泡

誰も訪れる者はない森の湖水
光すら通さない水底には
主が住んでいる



{引用 ....
 細い糸のような雨が上がった
 日が変ると同時に止んだ
 
 慌しく過ぎて行く日々に
 ひび割れていく心
 解こうとすればするほど
 拗れていく魂

 腐るほど希望の詩を書いたけど
 ....
闇の透き通り始めた陰画は
宵宮の日の真夜中に
電信柱に貼り付けられた

霊視と解析の挙句の果て
夜は腑分けされ保存され

果てしない陰画の夜は
たるんだ夜空に掲げられ
黒い光に たな ....
電線が星をつなぐと星座になる
ふたつ目の鉄塔で 誰かと誰かのためいきがぶつかる
そんな夜に

鳩をふうとふくらまして、きっぱりと目を閉じた
丸いテーブルをなぞる
角を探す

朝が来 ....
            すでに

            半月の爪に
            とまるもの三種、
            触れずに。

            立ち昇り
 ....
甦るのは思い出だけです
断片という名の時の死体です
「昨日は、昨日は、昨日は」と繰り返す事がARTだと囁く幽霊が日常です。
あなた今22歳で ボクは25歳
驚きの年代はもう過ぎた話です ....
銀色の穂波は
斜陽に映える芒の原
光と戯れ
丘の向こう側まで
続いている

風は止むことを知らない
運ばれる匂いは
ひとつの季節の終止符
あるいは序曲として
わたしに交わるけれど
 ....
北へ向かえば
沙羅(しゃら)と響く、雪の羽音―――




心地いいほどに
絡まる、しらべ
高みにずれてゆく、音階
いつだって夢から、さめたら
君が立っていた
両の手に
 ....
窓をひとつひとつ
捨てた
魚のうろこを剥ぐ時のような
つうっとした痛みも無く
部屋はほのかな幸せとともに
凪いだまま夕闇へと
進行していた
それから壁に
偽物の窓を描き
美し ....
機能が完全に停止した僕の体はすでに

冷たい鉄クズでしかなかった

暖かい物を抱え込んでも変化など

当然のようになかった

毎日流した涙の数は

数えきれないほど積み重 ....
白い夢をみる雨の朝
石畳は濡れそぼって君の靴音を響かせる

風もないのに遠く
赤いアンブレラはくるり

しなやかな求愛みたいに廻る

フリードリヒは終日モルヒネを胸に抱く
 ....
        1

寒さが沸騰する河岸に、沿って、あなたの病棟は佇む。
粉々に砕けた硝子で、鏤めている実像が、
剃刀のような冷たい乳房のうえに置かれる、
吊るされた楽園。
顔のない太陽は ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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