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 狡猾な鶏ガラみたいな婆様が。
 自動改札ピコンピコン。
 通せん坊で、しかめ面。
 その後ろの若旦那。
 ガッチリ嵌まって、しかめ面。
 更に後ろの彼の妻。
 愛し旦那の醜悪な。
 し ....
{ルビ都会=まち}のなかで

電線に絡めとられた満月がわたしを見下ろす
おまえは自由なのだとでも言いたげに

「ほんとうのしがらみは見えないものなんだよ」
とつぶやいて

蛍光灯のした ....
 明日も走るだろう。
 ただ光を求めて。
 
 ひたすら走ろう。
 闇を振り切る為。

 真実はここには無い。
 いつも僕の一歩先にある。
ほら
雪って、生きているのよ
空からここまで辿ってきた足跡が
真っ直ぐじゃない

一粒ずつみてごらん
そうしたら、ね
小さな顔がある
あ、いま 目線が合った
雪はそのむかし 薄紅 ....
 サラサラ

 サラサラ

 
 時の流れて行く音が聞こえた

 ドクドク
 
 ドクドク


 血液が流れる音が聞こえた

 
 カーキ色した夜を越えて
 浅い眠りか ....
マンションの鍵を開ける
左手にぶら下げた金魚
学校の友達と
お祭りに行ったんだ
金魚すくいでね
僕が取ったんだ
リビングの扉を開けると
ママはソファーで横になっていて
つまらなさそうに ....
 大人のいじめ蔓延との新聞記事を目にしたよ。


 まずい拙い不味い。
 それは。
 子供のいじめが問題になっている渦中に。
 それはいかんだろ。

 暗黒時代をなんとか必死で生きてい ....
目に見えない悪魔が僕を操る

虚言と見せかけの優しさで僕の心を翻弄し

前向きに生きてる自分を闇へと誘う

虚言の陰では偽善者と化し

傍観者の如く成り行きを見続ける

悪 ....
 うまくいかない毎日に
 うんざりしながらも
 今日も煙を吐きながら
 最前線へ向う

 魂は血みどろになりながらも
 ただ、この地球に留まることに
 希望を探し
 自分のちっぽけさを ....
 「お前はヒーローじゃないんだよ。」


 会社の上司によく言われる。

 芋焼酎の甘美な力を借りて。
 人生について語るとしばしば指摘を受ける。

 積極的にヒーローになろうとしては ....
もしもわたしが秋ならば
都会のビルや街路樹ごしに
優しくあなたに
オレンジ色の陽だまりを届けよう


もしもわたしが空ならば
あなたが見る通勤電車の窓の向こうに
透んだ永遠の水色を用意 ....
 首がスッカリ伸びきって。
 おじさんのランニングみたいになったTシャツ。
 もう十分役目を果たしたんだけれど。
 洗濯してたたんでしまうと。

 愛着なのか。
 せこいのか。
  ....
覚えたての言葉で
精一杯表現していた頃
小さな町の小さな囲いで
小さな喜びを模倣していた

道端に咲いている花は
意識して歩かなくても
簡単に見つけられた
そっと顔を近づければ
鮮明 ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている

きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
人気者に成る事程嬉しい事はない

人気者で目立つ事程嬉しい事はない

人気者になって異性からもてる事程嬉しい事はない

しかし、その反面自分の意志とはうらはらに敵ができる

自分が求め ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます

行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます

街の真ん中にある ノートルダム聖堂の

ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に

 ....
 朝目覚めた瞬間より疲れている

 カーテン越しの空が青いほどに煩わしい

 早朝からテンションの高いニュースキャスター

 辛過ぎてつけた瞬間に消してしまった

 起きてから30分で ....
やさしいひとはすぐに
かなしくなる

やさしいから
かかえこんでしまって
もっともっともっと
かなしくなるのに

だれかのことばかり
おんなじこころに
しまってしま ....
 子供の頃に叱られた
 知らないお兄さんの顔がまだ消えない

 蟻を踏んずけて殺してたら
 知らないお兄さんに 
 ひどく叱られた

 今度やってるところをみたら
 今度はお前に同じこ ....
風と土の中で
人は人になり
人と人になってゆく

それは幾千年も繰り返し
人が変わることがあろうとも
風は常に人を押し
土は常に人を支える

光と水の中で
人は人を学び
人と人が ....
三秒だけ、思った
私は私をやめたいと
三秒だけ
きっと初めて考えた

ひとりでは誰一人抑えられなくて
ひとりでは誰一人助けられない
また人を頼ったから、
その人たちを困らせたか ....
あなたの理想は
わたしの苦痛
あなたはそれを判ろうとはしない
(寝化粧なんて誰がする
腰に手を当て拳を振り上げて
いつから偉くなったのか
わたしには苦痛そのものなのに
(朝は誰だって眠い ....
嗚呼

聴こえますか?

わたしの想いが

強い音を立てて

貴方に

気付いてもらおうとしているのです

わたしの

たったひとつのチャームポイント

色白の肌

 ....
 おいら会社の3等兵
 吊るしのスーツで地獄を進め
 命はとっくに天に預けた
 靴は蒸れ上げ水虫上等
 ペコリペコペコ頭を下げる
 時に地面にこすり付け
 百円拾いてやや救われる

  ....
君の街に雪が降ったとニュースで聞いた
君はどうしているだろう
僕の街にはまだ雪の便りはないけど
日に日に冷たくなる風の冷たさに
雪の気配を感じているよ

君が学校を辞めたと風の便りで聞いた ....
僕はまるで夜光虫、夜になったら動き出す

決して飛べなくなった夜光虫

羽は折れ、地面を這いずる夜光虫

傷ついた羽を休めたくても

休める場所さえない夜光虫

アルコ ....
石と罵声が飛び交うなか
彼女はそっとギロチン台へと足をかける
嵐のような時代を駆け抜け
今は不思議と心は静かだ

ふと
あるメロディが聞こえた気がした

幼い頃の
小さなモーツァルト ....
 忘れさられた涙は
 どこに流れていくのだろう
 
 きっと大海原まで降りて行き
 太陽の日差しに誘われて
 多くの仲間を引き連れて
 天空に昇り
 悲しい調べを奏でつつ
 俺達の住ん ....
あの林檎が熟れたらはじめよう

不似合いなレスポール、
かついだ少女のアンビバレンス

無常だって歌えるさ。

少女はもう15歳で
恋だってとうの昔にしたし
愛だってとうの昔にしたし ....
中目黒。
都会なんか大嫌いで
ましてや渋谷から二駅のこんな駅で
あんたと暮らすこと夢みてたなんて
ほんと論外。

この5年でこんなに苦くなった。
『思い出は美化される』
あの法則はどこ ....
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