子は鎹。
もののあはれ

 大人のいじめ蔓延との新聞記事を目にしたよ。


 まずい拙い不味い。
 それは。
 子供のいじめが問題になっている渦中に。
 それはいかんだろ。

 暗黒時代をなんとか必死で生きている子供達がいる。
 未来を夢見てるんだよ。
 自分の可能性を信じて。
 来たるべく黄金時代を信じて。
 歯を食いしばって生きてるんだろう。

 そこにきて大人のいじめが蔓延だと。
 夢も希望もないだろう。
 それは。
 大人のいじめが深刻だと。
 追い討ちをかけるなよ。
 一筋の光を遮りなさんな。

 大人は子供の礎だ。
 大人は子供の碑だ。
 そのものが希望であり。
 そのものが光だ。
 それを忘れるな。

 きっと大人のいじめなんて昔からあるのさ。
 差別だって。
 理不尽な事だって。
 腐って醗酵して泡立って狂おしいくらいあったろう。
 でもそんなもんあっても口に出したり。
 社会的に取り上げるなんてしなかったんだよ。
 駆け込まないよ。
 助け等簡単には求めない。
 泣きたくてもいっそ消えてしまいたくても。
 歯を食いしばって頑張ったんだよ。
 廉恥と意地と誇りがあったんだよ。
 殴られたら殴り返したんだよ。
 己の信じることを踏みにじるものがあったら。
 負け戦でも全力で立ち向かったんだよ。

 それをどうだ。
 いじめでウェーン。
 ドラえもん助けてーか。
 大人のび太君か。
 メタボリックのび太君か。
 ジャイアンみたいな身体になってるぞ。
 失礼。
 今のは言いたかっただけさ。

 そんなに助けられたいなら。
 22世紀まで頑張って生きて。
 ドラえもんがくるの待ちなさいよ。
 冷凍保存でもしてもらいなさいよ。

 権利を主張するのは。
 あくまで義務を果たしてからだ。 

 この詩に怒り覚える。
 誇り高きものどもよ。

 握り締めた熱きこぶしを
 憎いあん畜生に叩き込め。
 こぶしが無理なら心の剣だ。
 ペンでも筆でも何でも握れ。
 しかし得物は御法度だ。

 どうしても握れないなら逃げまくれ。
 世界の果てまで逃げまくれ。
 恐れずに逃げまくれ。
 恐れずに逃げれば道になる。
 しかしあの世は御法度だ。

 大人は子供の礎だ。
 大人は子供の碑だ。

 そして子供は人類の鎹だ。

 どうだい。
 それを忘るるべからずいこうぜ。


自由詩 子は鎹。 Copyright もののあはれ 2006-12-03 14:04:35
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