少年が瞬きをする間に
世界は始まって終わった

髪の長い女の睫毛の下には
よく潤った泉がある

古くから伝わるやり方で
劇場の赤幕を閉じた

背中を丸めた老人が
その前で立っていた ....
ある日めんどりは思いました
どうしてわたし
歩いているのかなあって
ためしに羽ばたいてみたけれど
やっぱり重くて飛べなかった
もう何年経つかしら
最近は疲れちゃって
毎日卵は産めないわ
 ....
きみのようであったら、彼女の
ように、包絡
していく

わたしの
ようであったら、夜に
彼のように、
そうあるかもしれないきみが、包絡して
いく、
数々の
星々


 ....
{画像=080420115727.jpg}
それは初夏のある晴れた日の夕暮れのこと。ふと見上
げた空に、解き放たれた赤い風船が一つ、橙色の風に
吹かれて、揺れているのが見えた。


《 風 ....
湿っぽい白に街全体が覆われる
寂しげな鐘の音がして誰かが振り返る
彼女はヘッドホンに耳を押し当てて
向こう側の金色に飲み込まれていく
地下室で独りが笑い、地下室で一人が怒り、地下室で独りが泣く。
同時刻、地上の街では大勢が笑い、大勢が怒り、大勢が泣く。
そして、独りは、地上の街を悲しむ。
笑いと怒りと泣きの種類が独りとは違うか ....
激しい雨
重く深い雲の隙間
金色の夕陽
霞む虹


フロントガラスの滴り
暗さの垂れた前方
真横に広がる黄昏
対向する光のパズル


終わりを支えた始まりが
忘れ去られようと ....
 
父は毎日仕事で帰りが遅く
平日は構ってもらえなかった
父は日曜日になるとキャッチボールをしたがり
僕はよく公園に連れて行かれた
普段からあまり活発な方ではなかったので
あまり楽しくはな ....
気がつくと足元にりんごが転がっていた
ゆっくりと地面に沈みこむ自分を見ていた
自由にならない体で
涙だけが自分の肉体を離れていった

遠くからやってくる
7人の働き者の同居人たち

胸 ....
梅のにおいだ



がらんとした空洞のせかいに
手をひたす
わたしがさわれて
感じられるものを
おもいきり吸い込むために


あざといまなざしに 
淋しくかかげた
いたみの芽 ....
レクエルド。
砂時計が音もなくなだれを成して舞い墜ちる
夜にあなたは迷いこんできたちいさな銀河を
手のひらでつつむように抱きとめる 葉脈を
透かしてみえる地球の裏側では生れながらに
しろ ....
{画像=080316102643.jpg}


ここにいるのは狼ではない。

ここにいるのは野鼠なんだ。

魂、

泥水にまみれて寒くて、

悴(カジカ)んで、

舌先は闇 ....
例えば君が思うこと

赤い自転車 甘い香り 新しいシーツ

より良く僕たちが暮らしていくために必要なもの

例えば僕が思うこと

おいしいごはん 楽しい夢 ふわふわの毛布

明日が ....
あの光 野の光

遠く続いてく 丘の緑

満月の夜に 話をした

色をとり色を読む

あの光 野の光

まだ覚めきらぬ 思い出

カーテンのゆらめき 慟哭

色は消えて色と ....
{画像=080420115727.jpg}
暖かい色
冷たい色
色々あるけど、
何色が好き?
ぼくはダイダイ色。
暖かくて何か期待させる色。
晩秋の夕暮れこれから寒くなる時のマフラー。
 ....
血がでてるよ

言われて気付いた


そういえば痛い
なでるような叩くような信号が破壊されてるような
感覚
いつ配線を傷つけたのか
正常のなかの異常な部分がむきだしになる ....
夕方の終わりを見つめる

夜とはひとつの物質だ

夜とはたぶん雲のようなものだ


幼い頃を

洞窟のようなところから

覗いている



影とは雲のことだ

傍観 ....
さようなら

さようなら、

空を

じっと

眺めている

百千万の兵隊が

降り注いでいる

擦り鉢状のせいめいに

朝が、

手渡されている

擦り潰すの ....
風が
雨を弾く

六月が
雨を弾く

雨が
雨を弾いて
少し
激しくなる

君が
雨を弾きながら
向かいの後者に駆け込んだとき
一本だけ切れた弦が
音階を ....
詩 って なんだろうね?
君がぼくに訊ねる
ぼくは 脱いだばかりの
クツ下のにおいを無心に嗅いでいて
君の問いに答えられない
君の目とぼくの目とが ゆっくり重なる

たとえば 早朝の ....
ぼくがこうこうせいぐらいだったころのはなし
おもいで、おもいだすの
もういやああああーーーーーー
おもいで、おもいだすの
もういやああああーーーーーー
おもいで??
ねえよ
そんなもんね ....
風のなかに
釣り糸を垂らしている
それはおぼろげとなってしまった古い
記憶をせめて呼び醒ますよすがではなく
かなしい決意でも無邪気な思いつきでも
その日の飢えをしのぐための
投げやりな衝 ....
赤色の
不眠に貫かれた
清潔な砂漠の、。(少年の)海の
向こうの
幻としてだけ、。私は
今夜
ふしだらな聖母になり
奉られて
祟られて
紡がれて揺れ、。(少年の)モイライの
 ....
足あとの途切れた先は
君が誰かを
愛した証拠だって
そう思っている

重苦しい
ワイシャツと
めまぐるしい
ドキドキで

飛んでいってしまった
証拠だと

そう、思ってい ....
いい加減にしてくれ
ロクデナシの因数分解
歯軋りを響かせる

乳化しまくった
保健室の年号暗記が
ヘリウム臭くて
兎角高音域の

中学二年
理由なきにしもあらず反抗
濡れ煎餅に興 ....
雨のけむりがからだをぬらし
その刹那の一滴一瞬
服の埃が舞い上がり
微細な雲母のわずかな浮上と
急激な沈下がおこる

ひとつひとつの粒子たちは
街灯のかがやき
店の明かりをすいとり
 ....
ためた涙のせいで光が星に変わるころ
あなたのために
誰かがきっとやさしい歌を歌うんでしょうか。
泣きじゃくる声は
その歌がきっと
すべてかき消してくれるから
あなたはただ
小さな天体の真 ....
青空を掻きむしる
陽光の爪の音を聞いた
八月十五日

少年たちは最期に
誰でもない
母を呼んだものだよと
小さなおばあちゃんの呟きに
珍しく合点がいった

母を
僕はこれから何度 ....
おうい諏訪の兄ちゃん
どうした飲みすぎか
あーあ だから若い奴ぁだめなんだ
おいおまえら
そんなに元気なら
神輿担いでこい
こらこんなとこで止まんなよ
いやいや今から出てくるって
お茶 ....
かえりみち
ふと見上げた
東京の空を見上げた
東京の空だった
東京の仄かに白い
星空だった

5分間仄かに白い
星空を見上げた
ぼくの空になった
そして
ぼくの ....
かとりさんのおすすめリスト(168)
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はばたくめんどり- チアーヌ自由詩308-5-16
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風_船- beebee自由詩11*08-5-9
くもり- 小禽自由詩4+*08-5-6
心の地下室で独りが笑う- うおくき ...自由詩2*08-5-1
奇跡- 見崎 光自由詩308-4-26
卒業式- たもつ自由詩26*08-3-15
森の奥で- 暗闇れも ...自由詩208-3-14
わたしは春にうまれた- アオゾラ ...自由詩12*08-3-11
バンドネオン- 角田寿星自由詩608-2-13
野_鼠- beebee自由詩3*07-12-17
スフィンクスのお漏らし- 斉木のり ...自由詩107-12-13
色をとり色を読む- 斉木のり ...自由詩107-12-1
イマジネーション- beebee自由詩9*07-11-18
十四歳- アオゾラ ...自由詩15*07-10-9
傍観者- 吉岡ペペ ...自由詩607-9-8
せかいう- 石田 圭 ...自由詩3307-7-6
雨を弾く- アイバ  ...自由詩607-6-14
もいっぺん、童謡からやりなおせたら(第二稿)- 角田寿星自由詩16*07-5-28
ぼくがこうこうせいぐらいだったころのはなし- うおくき ...自由詩3*07-4-24
風を釣る- 角田寿星自由詩19*07-4-16
アンタレス- 焼石二水未詩・独白10*07-2-16
HELLO〜飛鳥〜- 仲本いす ...自由詩507-2-12
十四歳- はらだま ...自由詩5*06-12-5
きらら- 構造自由詩406-12-3
無題(自分のために書く詩)- yuma自由詩2*06-10-11
呼ぶ- アイバ  ...自由詩4*06-8-15
神輿- 下門鮎子自由詩4*06-8-7
みちくさ- なかやま ...自由詩106-8-6

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