トマトのように
赤々として
たのしそう

トマトのように
ぐちゃぐちゃとして
にくらしそう
僕に魔法をかけてほしいんだ。



そうして浄化して。

僕の中にある汚れたキヲク全てを。


















助けは来ないよ、永遠に ....
その日の朝早く雨が降っていた
夜明け前からその雨は降っていた
雨は静かな音を響かせていた
それが本当の雨だったのかどうか
わたしにはわからない
すぐにまた眠ってしまったから
戦う出で立ちで
挨拶切って 
僕の名前が記された
紙切れを配って回る

相槌のタイミングは重要視していて
ぴりりと緊張さえ走るけれど

親切な笑顔に報いがあるかは
正直わかっていない ....
おれたちは
美しいとさえ言えるほどの偶然の果てに出会って
互いが失ってきたものを取り戻そうとしている
時には痛みをおぼえるほどの激しさで


おれたちは震えていた
互いの眼を覗きこみなが ....
ことばのひとつひとつに立ち止まるあたしは、
昔からあまり小説が読めない。

『物語を読むことは種を蒔くことなんだよ』と、いつだったか
あなたは言った。にくしょくじゅうのキバみたいに研がれ ....
1.その朝

飼っていた鳥を籠から逃がし
ニュースの事件で共に泣き
生ごみはベランダの植物の
肥料として再利用
洗剤を使わず食器を洗い
お風呂の残り湯で洗濯し
手紙の返事を全て書く
 ....
水深5キロメートルの恋に落ち プールサイドで墜落する午後




砂浜の午睡からうつら目を覚まし すいかの縞の波に溺れる




ピーラーで削がれ半裸になりしきみ 水にさらせば ....
いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
夏休みになると自転車で旅に出る男の子たちがうらやましかった。
大きな国道沿いの集合住宅から、蝉のぬけがらを轢いて、
日差しに溶けないように黒くなる細っこい脚の駆け出す
立ちこぎの夏を横目に ....
風は無い

私と
あなたのすき間には
いくつもの
透明な夜が並んでいる

わたしはマッチを擦る
あなたに語る言葉を
探すために

わたしとあなたが
共にいた時間を
つなぎ合わ ....
おれは歩いていた

いつもどおりの海岸沿いを

おれは歩いていた

いつもどおり美しい海岸沿いを歩いているのにおれは

おれは海が見えなかったちっともおれには

おれには唇 ....
   
{引用=  あのひとの記憶がしずむ海は、いつしか防砂林で見えなくなった
  越えられない高さに、すこし安心した}   





砂が、降って
深く深く沈んで 底まで
皮膚 ....
<えいえんに>

わたしずっと退屈していて。

発泡スチロールのカップのなかで干涸びた麺が
戻されるのを待ってる。シールされたフタ。
肉らしき茶色の破片、卵のいろのスポンジ状、
 ....
ポエムが生活を横切ることがあります
最近増えてる気がします
たなびかないわたしの毎日を
理由もなくそそのかします

今朝もあわただしく流れました
飲むことを忘れていた珈琲にミルク ....
くたびれた頭を枕にあずけて
今日をほどいていく
僕の一日の終わりに
ながれはじめるイメージはいつも同じ
恋しいひとの部屋までの家路
急な坂の上、五階の角の窓、
高みに近づいて行 ....
死から誕生までの、孤独な旅
あんたは今どこらへんに居るの

ジャックパーセルで
生暖かいぬかるみを歩く

レストインピース?
お祈りはしない
生まれ変わりも信じてやらない  ....
切り刻め
春を
芽吹きを
生え初めたばかりのあわい下草を

切り裂け
よく研いだ鉈で
大地を
老いぼれた大樹を
枯れながらまだ生にしがみつく老骨を

一刀両断されたきみの住まいに ....
あの頃、君に告げられなかったことを今


 ***


ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ



ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
今朝すれちがった女の子のビニール傘の
持ち手の色は雨の街に浮き立つ人工ピンク
沈むことのない色をのせてまわる世界で
雨にも負けズ人類は渇く

ピンクというのはなーんか迷っている色
赤と白の ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
なんか
ごみばこにいっぱいだよ
これ、
ティッシュ


でも、か だから、か
さっきから、ねえ
手も
つながないのねえ


もしかして
これって
きみなりの
誠意

 ....
おとうとの写真
って
いつも
いまいくつだろ、とおもう


ろうそくに
火をつけて
手をあわせて
いまいくつなの、と聞くと


それよりも
ねえちゃん、はだかだよと言う

 ....
あたしのこと
なぐり書きして
ひたいには0、
あとは
力いっぱいで
でも
しんけんに

体中の
ぐちゃぐちゃ、の
なかみは
黒 だった

HBとか
ほくろとか
まばたき  ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ


おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
九谷夏紀さんのおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
友情- 木賊ゾク未詩・独白506-8-27
魔法- ユキムラ自由詩4*06-8-27
- チアーヌ自由詩206-8-27
僕は電車に吸い込まれる振りで_人ごみを掻き分けて逆走するとい ...- 藤原有絵自由詩5*06-8-27
my_beautiful- 安部行人自由詩706-8-7
小説- 河野宏子自由詩406-7-27
わたしが世界の美しい一部であるために- むらさき自由詩5*06-7-26
【短歌祭参加作品】半透明の夏- 望月 ゆ ...短歌29*06-7-25
殺意- 恋月 ぴ ...自由詩42+*06-7-20
国道- 河野宏子自由詩15+06-7-12
透明な夜を照らす- むらさき自由詩8+*06-7-8
海岸沿いを- 水在らあ ...自由詩8*06-5-21
不感症の夜に- 望月 ゆ ...自由詩63+*06-5-17
ドライウェル- 河野宏子自由詩706-4-25
浮雲終日行- 河野宏子自由詩506-4-13
ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア- 河野宏子自由詩10+06-4-9
「ラストデイズ」- 河野宏子自由詩406-4-8
冷蔵庫の扉に貼ってあったメモ- 佐々宝砂自由詩1206-3-6
君に宛てて- Monk未詩・独白187+*05-8-29
人工(じんこう)ピンクス- 河野宏子自由詩7+05-3-24
ごらん、ゆうぐれる- みい自由詩68*04-8-16
ゆるり- みい未詩・独白10*04-8-16
はしょる、はやさ- みい未詩・独白47*04-8-15
いちばんはじめに消えてしまいたい- みい未詩・独白5*04-1-1
Love_Song- 安部行人自由詩2903-11-29

Home 戻る 最新へ
1 2 3