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夕日が沈むよ
きょうが死ににゆくよ
西が自分の墓場だと
ちゃんと知っているんだね
私には自分がわからない
舵取りもできない
そしていつかはこのまま
失ったまま終わるのだろうか
....
元旦にお雑煮のなし蜜柑なしされど思い出{ルビ遥遥=はろばろ}{ルビ響動=とよ}む
元旦にお雑煮のなし蜜柑なしされど思い出晴れ晴れと詠む
あれが空教えられずに知っていた赤子の頃から迷うことなく
六歳が翼の折れた雀ひとっつ手のなかで死なせ向き合った冬
そこまでは坂をのぼってゆくんですいまのこの日も胎児の日にも
....
自転車で走る十月みそか頃指先ちょっぴり冬を覚えて
地方への旅の帰りの車窓から山が消えるとやすらかになる
立ち去った日々に暇をあげたあとでも変わらない時計の仕事
百日紅終わ ....
あなたは、いる
そこ、に
うたっている
うたを
聴いているのはわたしひとり
LEDランプの許
わたしは、描いている
ここ、で
夢を
ことばに
誰が読んでくれるの ....
すみれの咲く秋がある
すみれが好きな少女のために
春の庭に生まれた夢が孵る時がいまなんだ
と秋の実りにそよぐすみれ
常冬に住む老婆の許の菫色の裁縫箱には
針と糸と針刺しと並んでセピア色の ....
わたしにお母さんが居たら
うんと甘える
まず確かめてえっと
うんと甘える
夢じゃないよね
お母さんが居たら
お母さん!
って呼んでみたい
そしてなぁに薫ちゃんって
わたしの顔を
....
手で「ちょき」を一人の時にしたことが無いと気づいてふとやってみる
アルプスのどこかで飲んでいるつもり一杯のココア晩秋の部屋
透明の水彩絵の具で描かれた君の九月の絵のナス食べたい
....
親指が巻き爪だった一週間ビーチサンダル秋の風知る
あの頃にすがることしかできないとみあげる空に同じ月あり
台風が心を壊すほどの日に追憶のなかの秋晴れをゆく
暮れてゆくこど ....
夏が残っているよと偽りを言って朝顔の写真を友人に見せた本当は初夏の写真なんだけどみな信じて、感慨深そうにしている いまさらこれは…と打ち明けることもできずにしまったな、と内心は罪悪感でいっぱいとなった ....
午前二時君を電話で起こしたら四時間前を覚えててくれた
泣いちゃって受話器の向こう筒抜けでおんなじ月を見ようと言われた
デコメ好きバレた後から来るメール時々デコメなぜ忘れるの
....
みんなにさよならを言ってまわって
疲れて帰ってベッドにもぐる
時刻なんてわからない
黄昏だったか真っ暗だったか
なぁんにもわからない
ここはわたしだけの場所
やっとたどり着いた
今日の日 ....
本当のことを言うのを失言と大人は諭すこどもの余白に
わかってる何度も読んだ本開き一番いいとこ破って捨てる
明日ならばきっと良い日と思いたい昨日にめちゃくちゃに落ちてる今朝
....
君は、君の時間をくれる
午後九時半ごろ声届く
言葉をくれる
詩をくれる
せいいっぱいの誠実も
心を尽くして
毎日毎日
ひとりで淋しくしてないか
一人を涙してないか
せいいっぱいの ....
冬の手前に立ちきのうをみる
一本の樹の梢に雀が居るばかり
彼らだけにわかる言葉で
話をしていて
ほかに息吹きの声はなく
かといってコンクリートなどもなく
荒野というわけでもないここは
....
揺れる穂は黄金でした身の丈を思いつめてた遠い瞳に
みる先にレンゲシロツメ微笑んでひとり上手と夕陽とシチュー
白い靴手放したのは誰ですか問われてのぞむあの日遠くて
まなざし ....
廻らないあのキッチンが秋の朝
過去の仔を想って過ごす夏終わる
父さんを捜してPCマイピクチャ
早起きしすでに君宛て保存する
玉葱になんのかなしさ見当たらず
....
陽当たりと静けさを求めてこの
大きくも小さくもない寂れた町に流れ着いたおばあさんがいました
南西角の四階に住んでいました
階段の最上階です
知り合ったのは近所のスーパーマーケット
あまりに荷 ....
どうしても会いたいという切実を部屋が知ってるテディが視てる
土日がこの世で最もつらい日日なぜと言わないあなたに言わない
過呼吸にエレベーターは狭すぎてあなたの分も呼吸してます
....
アメリカン・イングリッシュのかなしみのゆきつくさきのネイティブ不在
遠い日の記憶のままのアメリカはカリフォルニアの良いところだけ
どこまでも続く平野の真ん中の無人の駅にアメリカを{ ....
かなしくてなみだをこぼす闇のなか気配はきみのただの面影
アルバムに辿るあの日のよろこびもいまは一人の愚図のため息
二十四わたしの歳はその時に綴じこまれてるスチールのまま
....
青空と呼ぶのはたやすいことだけど本当にこれは青なのですか
週一度通ってくれる看護師さんわたしに触れる唯一のひと
晴れるかな空をみるため扉開け一歩だけ出て知った八月
詩と書 ....
大空を切り裂く百舌の軌跡あり
みどりごが喋った喋った花畑
{ルビ末枯=うらが}れに手を差し伸べて日が帰る
秋蒔きの汗を愛しむ空の神
丁寧に過ごす真昼に小鳥来る
....
遠ざかる汽笛がみえた一枚の写真に写る撮ったひとの耳
朝の空占いは好きじゃないけれどいつかみたのはすみれの色で
風ならば南の風になることを絵本と決めた六歳の部屋
夕焼けが好 ....
朝顔の種こぼれたよ猫が鳴く
路地裏に秋を届けて落し物
みえなくてみようとすると秋逃げる
木漏れ日に老後知らない秋の蠅
コーヒーの薫りで帰る五年前
きょ ....
{引用=りんご飴のよく似合う
あの子たちの夏も終わる
闇を纏ってなどと
深刻に
傷つきやすいがままに
終わり間際にとわたしは
一篇を描いて
置いてみた
打ち上げ花火ではなく ....
夕焼けは空全体が燃えることだった
そんな日々からずいぶん経って
いま夕空のどこを探しても
みつけられない六歳の空
大人なのに泣いている理由がわかって
こんな場合にこの気持ち
どう切り替 ....
朝顔のみつめる先に雲の白
夏残る一握の砂星の砂
雪予報お庭を思い眠るポチ
聞いてるかい聴いているよとイヌフグリ
コカ・コーラレモンを添えて夏を飲む
....
夜遠くひかりばかりを掴む夢みてさめざめと淹れるコーヒー
さよならは生涯一度の挨拶ですまだ言ってませんまたねだけです
きょうよりもあしたと思い灯り消し遠くで誰か生きている音
見ていない ....
天気予報をみてみると
昨夜は南南西3メートルを
子守唄に眠ったことがわかった
眠っていたのは惜しいかな
窓を開けて風を招いて
お茶でもしたら良かったかも
風の好みはミルクティー
....
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