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真白いカンバスに、チューブから捻り出した絵具を
まず叩きつける。これがぼくの描き方、原色のまま
何色も何色も叩きつける。赤とみどりがぶつかって
悲鳴を上げている。かまいはしない。良いてん ....
     {引用=───さをさすみなもに
   あをきうを}
そうやって押入れの奥に挟まっていた紙を展げてみれば
かつては地図だったらしいだだっ広い切れ端の
ふちは褐色にすりきれ折り目に穴があ ....
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雨の日に四角く剪り獲られた白い雲
井壁の底 筒のように覘く遠いそら
{ルビ谷頭=やがしら}の涌水はいまも盡きることなく溢れ
あの日の涙のようにわたしたちを盈たす
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からす飛び野は ....
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ぼくをここに最初につれてきたひとは絵かきだった
ラブホの裏 どぶ沿いの小径をとにかく奥へすすむ
落ち葉とぬかるみで滑り落ちながら昇ると尾根道になる
しばらくしてふるい木のベンチと道標があ ....
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いびつだというのがわからないな
出るたびにきになってじっとのぞくのだけれど
あれははじっこが靄か闇に突っ込んで
隠れてるようにしかみえないんだ
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あるいはそらのあおにやられてとけ ....
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なつかしい匂いは場所が覚えている 線路の隈が匂いたたせるのか
それとも地名がわたしの古いニューロンを刺激するのか
アスファルトの箱庭にされてしまっても場所は記憶を失わない
律儀につながっ ....
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熱は下がったのだろうか夜半過ぎ
冷蔵庫から出した牛乳の上に等量のコーヒーをおとす
流しに重ねられたポルツェランはなんども水をかぶったから綺麗にひかっている
蛇口をひねりたいがひねらない
 ....
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小学校に上がったころだろうか、もうちょっと前だろうか‥
家の近くのターミナルにあった工場の塀に、この文字が平仮名で大きく書かれていたのだ:

  にたよるな

ぼくはそこを通るたび、お ....
あまあしは まっすぐにおちる
あまあしは ななめにおちる
あまあしは 屋根におちる 路におちる 黒い蝙蝠におちる
きみにおちる ぼくにおちる きみの髪の毛をぬらし 脚をぬらし ぼくのかたとうでと ....
{引用=あの赤い大きなやつを昔は支那では{ルビ火=くゎ}と云ったんですよ。
      ──────宮沢賢治『土神と狐』}
{引用=寒蝉敗柳に鳴き大火西に向かひて流るる秋のはじめになりければ
  ....
北のはてでは夏のさかりがみじかい
浜に咲きいそぐ大振りの花弁が悲しい
北のはてでは午後の日はながい
こどもたちは海から上がると
ひからびた流木を焚いて暖をとる

南のはての海に突きでた丘の ....
楽しかった花火大会 ただ一度。

 ビルに隠れて花火は見えない
 河原のほうでやっているのだろう
 あざやかにきこえる炸裂と離散の点綴音

楽しかった花火大会 ただ一度。

  浴衣の ....
きみが教えてくれた黒褐色のたしなみ
変な色のお湯、アルコールよりも腹にもたれる毒液
それなのに好きな人が褥でまどろんでいる{ルビ朱=あけ}の刻、コーヒーを煮立てるのが習慣になると
この見馴れぬ飲 ....
蝉といえばハルゼミ。ぼくは春の東北の山を訪ねるまで、こんな恐ろしい蝉の音があることを知らなかった‥
頂きにとどく高さのモミやミズナラの梢から、一里四方の谷を震撼させていた。その虫は親指ほどの大きさも ....
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もう帰って来なさいよ、と浪は騒ぐ‥
いや、もうすこし居させてくれ、と私は呟く‥
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きょうは、黒い雲が沸いている天末線
紫苑色、藍銅、青金石の固溶体
砒素鏡はなめらかにひろがり ....
私がたいせつにしている彼女から来た手紙と葉書の束
百年後には、彼女の全集を編もうとする出版社が
血まなこになってさがすかもしれない
それまで朽ちずにいるだろうか、この世から消えずにいるだろうか
 ....
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あなたは出題する
あなたが謎であるかのように
あなたは謎ではなく
あなたが謎をかけているだけなのに
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だからぼくはあなたの出題を読む
ふりをして あなたを盗み見てい ....
そらにはあらゆる匂いがある、
くうきにはあらゆる色がある;
ぼくのいろが、くうきにとけてしみてゆく、
きみのにおいが、そらをうすくそめてゆく;

ぼくのとけたそらがきみにふきよせる、
きみ ....
{引用=在上越国境嶺上観望越後而詠。}
(長歌)
くにざかひ オキの石根{ルビ=いはね}に
なづみ立ち ふりさけ見れば
たたなづく 越{ルビ=こし}の嶺{ルビ=ね}らは
雪被{ルビ=かづ}き ....
北大路京介さんのGitonさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぶっつけて未詩10- Giton自由詩3*14-11-15
河谷- Giton自由詩4*14-10-28
散策- Giton自由詩5*14-10-16
美術講師- Giton自由詩4*14-9-23
廿三夜- Giton自由詩3*14-9-21
平成26年の彼岸花- Giton自由詩4*14-9-13
ぶっつけ未詩_9- Giton自由詩4*14-9-3
ぶっつけ未詩_8_(煮たヨルナ)- Giton自由詩5*14-8-31
朝の雨は- Giton自由詩5*14-8-28
さそりの星(ゴルコンダ未投稿)- Giton自由詩2*14-8-20
果て- Giton自由詩7*14-8-14
ただ一度- Giton自由詩2*14-8-8
コーヒーを教えてくれた_──《コーヒー・アンソロジー》参加- Giton自由詩2*14-7-31
夏の蟲- Giton自由詩3*14-7-31
ぶっつけ未詩_4- Giton自由詩2*14-7-26
ぶっつけ未詩_3- Giton自由詩2*14-7-12
出題- Giton自由詩7*10-9-23
ありふれたぼくらのラブレター - Giton自由詩5*09-2-4
国境ヨリ越後ヲ望ム(長歌并短歌)- Giton伝統定型各 ...6*09-1-29

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