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うなじにもいて
みぞおちにもいる
雨はいろんな速さの生きもの
応える声に重なってゆく


肌をついばみ
葉のようにすぎ
甘く指を噛み
飛びたつしるし


強さでもな ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で

雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて

おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて

 ....
もういいから
ぶちまけっぺもう
な、
えらくむかつくから
ぶちまけてさっさと
天一食って帰っぺ
せっかく高円寺まできたんだから
絶対下痢すっけどしょうがね
もうしょうがね

おいダ ....
眠ることのできない緑の音が
雪の上にかがやいている
わずかな甘味を
鳥はついばみ
金のうたを聴きながら
粉の明るさを上下する


雨がふたつ
手をひらき
流れるもの ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
ひまわりが枯れて
バラが枯れて
チューリップがこぼれて
シベリアだけがまだ 
咲き誇っている

切られた花の優しさしか
あげられません
あげたくても
あげられません
 ....
手紙には
雪が入っていた


罫を
さいごに
ひらいていた


手元
静かに
遠回りして


指さえ
透けそう


心、きれそうな

ひとつっきり

 ....
私は時々
雑踏の中へと
足を運びます

人々の声と
足音と
それらのざわめきから
あなたのささやきが
生まれてくるようで

太陽の熱で
大地から水蒸気が昇り
その粒は集まって雲 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
あしもとの
そこかしこをみわたす
鳩に
私は
いったいぜんたいを
みつくろって
千切って
やる


くるぽー くるる くっくるる


いつだって
傷つくものは
二 ....
ボディ冷、ホワイト息ですれ違う季節来たる挨拶。深夜に予感ぼくらをひっかけるフック。通りを抜ける救急車近づいて頂点遠のく。光るコンビニ。通過するその頂点で光るコンビニ。残響く/回転る、してゆ .... 黄昏だけを掻き抱いたんだ
わかってもらえるかな
あなたがむかしひいてたアイライン
その色を選んだのと同じ理由
この気持ち
それを伝えたくて


「空は太陽を愛して、そ ....
潮の、))) ほとんど動かぬ 海の近く
馬鹿野郎どもの穢れた営みの
澱んだネイティブ・ジャパンの痴呆都市に巣食う
親父は かつて高校教師だったが、
少女売春で巨財を築き
いまでは某組織の親玉 ....
                    
?.

まだ葉が落ちない
白樺の上に
黒猫がいる
のを
見ている
うつくしい猫で
目が
とくにきれい
久しぶりだけれど
思い出 ....
わたしの中を
夜の明ける方へと飛ぶ
一羽の鳥がいる
同じころ
一羽の鳥の中を
どこまでも墜落する
わたしがいるのだ
その日最初の列車が
古い踏切を通過していく
建物の窓はひとつ
ま ....
ぼくらは
ゆめをくう

ねじまがった
すぷーんで
すくいながら

ぼくらは
ゆめをくう

ふるえるうでに
ありったけの
ちからをこめて

くるくる
ひとみをだきしめながら ....
救急車が近づいて遠のくてっぺんの通過点で何の皮膚をつつくのか
酔い宵の空気からんからんいつの間の間の疲れてヨウ宙に浮いているよ
ぼくら人間はやわらかいよ簡単だサクリサクリ、とか
フロム月
レデ ....
夜道で
目の前を歩いている女性の存在に耐えられず
追い抜こうと早歩きをはじめた瞬間に
その女性が早歩きをはじめたので
追い抜こうと走り出したら
その女の人も走り出して
誰か助けてといった
 ....
空とぶセスナの 繰り返される女の声が
街中、凶暴にふりそそぐさなか、彼はいつものように
駅前のロータリーでキャベツを抱いて
 坐る。 踵をつぶした革のスニーカーを穿き、
深緑のトレーニングウエ ....
わ  た  し  は  、  す  ご  い  で  す  。
あ  な  た  は  、  す  ご  い  で  す  か  ?
一  体  何  が  、  す  ご  い  で  す  か ....
きょうの風は
きみの笑顔の
香りがする

きょうの空は
きみの心そのままに
澄んでいる

そして
きょう
きみは
きみの中の
海にかえる
姿勢正しくおすわりする
椅子がたてる悲鳴
僕らの部屋の空気を汚す


一生懸命窓の掃除をしてる君を眺めてる
黴まみれの窓


灰色の壁に白いチョークで描いただけの窓


そ ....
{引用=


一、ヘヴンズ・ヒル

枯れることなく
花の咲きみだれても
それは
開くことをしない
閉じられたままの
かなしみの
すそ

風が
つねに優しいならば
怯えるこ ....
小さな女の子が俺に
だじゃもん ちょうだいっていう
だじゃもん ほしいっていう
だじゃもん ねえ だじゃもん
だじゃもん ちょうだい
だじゃもん ほしい

そういわれ ....
弁当を開けると
中に海が広がっている
故郷の海のように
凪いできれいだった
朝の静かな台所で
君がどんなふうにこれを作ったのか
想像しようとしても
後姿しか目に浮かばない
帰れ ....
京急線高架の下に
救急車が止まっていた
それだけなら
人通りの多いこの界隈で
不思議なことは
何もないのだが
そこには二人の
警官がいた
警官の後ろ
あしもとに
くの字に曲がった
 ....
ぴかりと光る輪郭
来る日も来る日も
ボロ雑巾で磨いたのだろう・・・

乾いた雑巾をバケツの水に浸し 
力強く絞る 
その表情は 
鬼の面
何を睨む

血しぶきを撒き散らす
その部 ....
そら
 そう
  ほら
   みて
  ここ
 そこ
むこう
 ぜんぶ
  ぼくに
   とって
    ふかく
  やさ ....
世の中には
味を感じさせない味
があるという
甘さを感じさせない甘さ
苦味を感じさせない苦味
人はそれを
かくし味という

同じ料理であっても
どこかが違う
何かが違う
どこかや ....
照りつける夏の陽射しの下 
墓石の群を横切る私の地面に頼りなく揺れる影 
一瞬 頬に見えた{ルビ滴=しずく}は 涙なのか汗なのか 

( {ルビ嘗=かつ}て 一途だった少年の恋は
( 夏の夜 ....
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