夜はうえ。昼はしたを見て歩くのがよい。
ひかれたトカゲが一匹、ひからびていた。なぜか仰向けで。もしかしたらひかれた後、のたうち回っていたのかもしれない。肌がぴりぴりと痛い陽射しの中。彼のお腹の ....
畳に敷かれたうすっぺらい布団
聞こえるのはあなたの寝息だけ
あんなに言い争ったのに、あなたはいつの間にか夢のなか
あたしはまだこんなにも悲しいのに
くやしくなってあなたの背中に文句をい ....
お人形のように光る私の毛
友達という言葉が
薄ら寒い背中
どこか
遠い町の観覧車
危うい鉄骨の錆色
ごめんなさい
人肌は
暗い布団の中でだけ
青いワンピースは
もう着れない ....
夕やけこやけ
身を焦がし染まっているのは
女子高生
夕やけこやけ
鍵っ子寂しくつく家路
夕やけこやけ
セクハラオヤジ
今度やったら訴えてやる
夕やけこやけ
また明日
悲 ....
待ちわびて
想い 雨に流して
流されて
願い 草木の花となり
春ねんねん
花の 儚くも貴き
いのち
かな
昨日チャットしながら書けない理由について考えていた。書けない理由は明白だ。書くと誰かを傷つける気がして怖くて、それで書けないんである。しかし何を書いても誰かを傷つける恐れは常にあり、単なる冗談書いても ....
昨日夜更かしして
寝不足で思考回路がエンスト
感情をむき出して
僕のステージの上で叫び歌う
僕の詩はつむじ風にふかれ
世界に流れていく
曇ったこの世界を
はっ ....
道にカラスの羽が落ちていた
とても丈夫な羽で
とても美しい黒だった
懐かしい匂いがしたので
部屋に飾ろうと思い
拾ってかえることにした
なあカラスよ
イソップ物語の『おしゃれなカラス ....
湖に浮かぶ
帆色のとりどりを
ひとつに統ぶる四方のみどりよ
身に余る人の荷を負ひ
ゆく{ルビ驢馬=ろば}の
後ろ姿のほそほそとして
夏山のさ緑の中 ....
ぼくは詩人
静寂なる空間は心を癒し
癒す心は静寂を創りだす
今日もまた
夜の散歩をしていると
月の光に出会いました
澄みきった夜空に
煌々と輝き
ぼくとぼくの心を照らす ....
私とあなたの間には
いつも一枚の窓があり
互いは違う顔でありながら
窓には不思議と似た人の顔が映る
私とあなたの間には
いつも一輪の花の幻があり *
互いの間にみつめると ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている
2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
無言のまま階段を上がる
放課後。
誰もいない校舎でひっそりと息をしてる僕ら
先生が来るといけないから、と
なるべく音をたてないように
階段を一段一段
手だけを繋いで
まるで心臓がそこ ....
日々の営み
食べかけのマンゴー
砂のようにどこまでも
ずれていく少年
手段を知っている僕たちは
まだ本当の悲しみを知らない
日々の営み
食べかけのマンゴー
それが癖であるかのように微笑 ....
子供のころに母に言われ見上げた夜は透き通った紫
故郷を出て大人になり今見上げる夜は漆黒空に星はなし
何かを探しに来たはずが日々に追われ求めること飽き
仲間集まれば現実以上に鮮やかな世界昔の話
....
重くのしかかる空の雲は
梅雨入り宣言を確信させる
長く続く雨の中
傘もささずに歩いてみる
路地裏で黄色やピンク色の傘が咲いている
小学生の下校途中
梅雨も悪く ....
#11
あんパンに
刻まれた歯形
整然と
環状列石のごとき
聖痕
#12
フィンランドとか
ノルウェーとか
そういうかんじの
とにかく寒い国 ....
ずっとずっと他人(ひと)より重いものを持っている
楽をしてきたあたしには分からない あなたの気持ち
そんな簡単に分かるほど単純じゃない
上っ面の撫でるような甘い言葉なんて
口にしてしまった ....
{引用=
なぜか生き延びて、
帰宅すると
既に ことばが在った
このことばに アソビ半分 というよりも、
理由のない つよい衝動によって
試みに 瞼を閉じ 映りつづくことばの像を ....
一泊五千四百円の
十階から覗き込む
見慣れない街の灯りは
夜が更けるほど明るく
時が経つほどに寂しい
小窓から隣の駐車場を覗くと
一人きりの姿が振り返り
何故だか視線があった気になり ....
梅雨入りの雨に打たれながら
掠れた音しか生まない喉で
ひとつ、
溜息を落としてみた
折畳み傘の骨が
海月みたく歪んで、溶けて
僅かばかりの猫背に
充分な質量を含んだまま
重く冷 ....
満たされぬくらいでちょうどいい恋を笑えるほどの余裕もなくて
降りそそぐ陽射しの下で抱かれたい滴り落ちる果汁のように
日没を待ち侘びながら夕化粧君の前ではオンナでいよう
短 ....
一
父は
生まれた時から
わたしの父であった
母は二度の流産を経験していて
私の時もずいぶん危なかったらしい
わたしは
生まれる前から
強さと弱さを持っていた
父は私をお ....
はりつけになったキリスト叫んでる痛い痛いよ誰か助けて
ちまたで話題のオーラについて考える。
オーラとは何なのか、その正体は知らない。
けれど同一人物なのに、
昨日と今日ではその人の印象が全く違う人がいたりする。
聞けば失恋していたり。
視覚 ....
大量にバスケットの中につっこんだ
様々な商品はレジなんか通さず
その場でかぶりつく
繋ぎだした僕と
未来の僕との距離に
羽ばたいて行け
今少しずつ確かなモノになって ....
ずっと前から知っていたね このときが来ること
近づくたびにみんな 知らないふりをした
放課後を知らせる音 オレンジの空の下
アルバムにしまいきれない あたしたちが歩いている
それぞれのレー ....
ここ数日波がない
今朝も七時前に降りて
朝焼けをちょうど見逃したぐらいだったが
水平線は透明で
空も海もやさしい
海辺のディスコの
アフロのカマレラがモップかけてるが
その動作もやさしい ....
透き通るような白い肌に
私の爪で痕をつける
君が私だけのものになる証で
君の君だけの証
今度は君が私の白い肌に
歯を立て痕をつける
私が君だけのものになる証で
私の私だけの証
....
ぼくは詩を書きたい
いつの日か
自分の歩んできた道を
振り返るときがある
しかしそれは
これから進むべき道よりも
ずっとずっと短い
今日もまた
朝の散歩をしていると
老人 ....
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