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西日があかくにじむ頃
駅前、歩道のわきのほうに
湿ったまだ黒い土がいくつも盛られていて
ぼくはそれを
何かの墓だろう
と
かがみ込んで
手近なところに生えていた
....
そのまぶたがゆっくりと下りるとき
深い青の底で 何かがはじまるとして
沈んでゆくすべを持たない私は
人魚にもなれないまま
目眩 酸欠 ....
憤りさえ吐き出せなくなったのが
一体いつからかなんて しらない
獣のように直線上で叫べない
だから きみに聞こえない
余命二ヶ月のこどもが
弟(か妹かはわからない)の息づく
母親の腹を ....
優性だろうと劣勢だろうと
失敗作はぼくだ
山積みの武器を目にしたとき
一羽のアゲハが教えた秘密「もう花は咲かない」
蜃気楼のように揺れるのなら
いっそ殺してしまえと
きこえた
き ....