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【性的・暴力的な表現があります。ご理解の上、ご閲覧をお願いいたします】
わたしは、生を受けたということがおかしいのです。
母の名前は蝶、きらきら光る目をした人でした。
わたしはあか ....
風のにおいがする、花の音がする。逃げてゆく春の背だ。
だれかをこころの底から愛したことがあったかどうか、ふと、八重桜のうすひとひらに触れそうにして胸苦しくなるんです。あなたもです、私もです、お互 ....
そうだね、
戦争があったんだ。たしかに。
私の血の中に流れる色のない祖母の声は、
終戦の真っ青な夏空をしている。
春はどうだったろう。そういえば戦争の春のことを
聞いたことがない。春 ....
……おいで……、……オイデ……たたたたたっ、
ざ……オイデ、……おいで……、
だれ、
そうして目を、覚ました、厭わしい、あんなにハラリと逝くことができたのに。
よく仲間とし ....
青い青い夕暮れ、イチョウの葉が金の鳥となり羽ばたいてゆき
「おつきさま こんばんは」と絵本の言葉で
三日月指さす この子の目はきらきらしている
月のおそばにいる あかるい星は
燭とり童というん ....
きるからころから
きるからころころ
キラキラした音が耳の夜に
温かい雨のように
降りしきってくるのを幾らでも 溢れるまで
宝石箱にしまおう
こぎん糸を 祖母とほどいて巻きなおした ....
やっとたどりついた水死体が
黄緑の棘のある 白薔薇のいばらのしたに
寝っ転がっていて 飛び出た澄んだ眼玉で
悪咳が流行ってから澄みゆく空を
わらうように泣くように眺めている
しずかに
夜明 ....
ね、みんなは、恐竜だったころをおぼえている?
むかし博物館に家族全員を、父がつれて行ってくれた。幸せな会話で窒息しそうな電車、はやく終わらないかな。
父はティラノサウルスが好き。わたしはトリケ ....
赤い夕暮れがくると
鴉がぶつかってくるから
フェンスで囲われているマンションの
窓にさらに
夕暮れシャッターをおろして
すき間から覗いていると
数万の鴉が空を覆う
どこからやってくる ....
夜風
白銀色の月光り
かじかむ指先の、爪に落ちて、ちいさく照らし返す
甘い潮の香
はなうら 花占 花占ら
月明りの浜辺に咲き
揺れている花々を
一本一本摘んでは花びら千切り
時 ....
けだものだったころが、もうあんなに遠く
淡い水色を地に、薄紅色の薔薇柄の薄いカーテンが
夏の終わりの風に
パタパタ揺らめいていて ベージュのソファがあり
包帯
外の桜の木の緑が、盛りだけれど ....
ふわふわ
ふわわん ふわりんりん あはは
くすぐったいよう-
夏の温度がさがって ほら
クッキリした青い夏のうしろ姿は 日焼けした子たちの笑い声
あの眩しい光にあたりながら歩いたんだね走 ....
ふわりとしたエメラルドグリーンのワンピースが
雨上がりで蒸し暑い灰色の 川辺に映え 道化師が
その様子を写した
ワンピースに茶色の髪の毛が、あんまり優しく垂れさがっていたので。
たくさんの ....
「春の紅」
…ト、トトトトト…
春の花らが
ひさしぶりの雨に打たれ
お化粧されて
艶めいてるよ
指にとり
頬紅や口紅にできたらな
そしたら
歩くたんびに
春の香りを ....
くらいくらい 荒野につくりあげた
復讐の塔に閉じこもり
「ひとりだ」と呟いたら
はたかれた
ひたすら 喪いすぎたのだろうね
青い夕暮れに細い声でないてさ
耐えられないわたしを ....
嵐は
吹きすさび
すべてを舞い散らかしているよ
母の死骸は花びらとなって
わたしの風に抱かれている
天高くつたい
成人後にまた再生した
死によってこそ記憶された
おおくの命を
そ ....
「子どものための幻想詩」
子どもらしい子どもにしたがる
大人のためかもしれない
大人になりきれない子どもがえがく
むなしい まぼろしかも
けれど中にはよいものが
目を磨くん ....
atsuchan69さんの田中修子さんおすすめリスト
(17)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
三途川
-
田中修子
散文(批評 ...
11
21-10-14
春提灯と咳緋鯉
-
田中修子
自由詩
11*
21-4-4
春の花
-
田中修子
自由詩
16*
21-2-27
春の会話
-
田中修子
自由詩
14*
21-2-16
夜、夜
-
田中修子
自由詩
7
21-1-27
星を縫うひと
-
田中修子
自由詩
11
21-1-22
ちっぽけ
-
田中修子
自由詩
9*
20-12-27
卵化石
-
田中修子
散文(批評 ...
15+*
20-12-25
夕暮れシャッター
-
田中修子
自由詩
3*
20-12-25
はなうらら
-
田中修子
自由詩
21+*
20-11-8
獅子の町
-
田中修子
自由詩
6*
20-9-30
にくじう
-
田中修子
自由詩
9*
20-9-5
桜姫
-
田中修子
自由詩
6*
20-8-13
はしりがきの春
-
田中修子
自由詩
5*
20-5-13
波兎の石塔
-
田中修子
自由詩
11*
18-10-5
花嵐
-
田中修子
自由詩
8
18-9-2
子どものための幻想詩
-
田中修子
自由詩
9*
16-9-29
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