蒼く染まった心が ね
時々紅く点滅して ね
泣きじゃくる
幼い子供のように
わけもなく
夜の帳の中で ね
あなたが抱きしめてくれて ね
点滅した赤が ね
ゆっくり蒼に戻 ....
揚げ物で
飛び跳ねる 油
あなたの
爪 切り
結構
いい勝負
雪国で、雪とはおそろしいものだった。
下界と遮断され、文字通り陸の孤島となる。
年に何人かは、雪に埋もれて命を奪われた。
待ちわびた春が山ほどの雪を消し去っても、また雪は訪れ ....
閉じ込められたような空間
止まっているかのような時間
かげろうのように生きている
冬の弱い日差しでは輝けない瞳
閉じこもって出たがらない足
冬眠したがっ ....
あはれ女の妖かしは
されど現の恋か知らん
まるで豚の子を産んだ
素知らぬ顔の母の様
嗚呼待てど暮らせど来ない人
足が地へとへばり付く
そこから地下へと根が生えて
私の血が水 ....
どんなに思っても、それは私の内だけ。
だから、察しないでください。
どうか、気付かないで下さい。
おねがいです。
私が心を決めるまで、知らぬ振りを。
おねがいです。
....
とらえようとしても
とらえられない
美しい瞬間は
いつも
一秒まえか
一秒あと
それは
私の人生に似て
でも
悔やんでいる時間などないから
新しい一瞬を
また追いかける
一人部屋
並んだワインのボトルを眺めては
まだ来ぬ春にため息をつき
一人寂しく
冷たい寝床につく
暗鬱とした暗い部屋に
一人ぼっち
とどのつまり
忘れ置かれた
私自身
青タンつくって
黒いマスカラ涙流して
あなたからも置いて行かれた
白い壁紙
食卓に活けられた、かわいらしい花も
もは ....
今は
モノが壊れ修理に出せば
直されるのではなく
取り替えられる
しかも悪い部分だけが
取り替えられるのではなく
まとまり全体ごと
抜き取られてしまう
使える部分の方が多いというのに
....
艶やかに悲しく舞い
やがて朽ち行く 姿を例え
顧みる世のひと心
愛した数を数えるように
ひとつ ふたつと ビイドロはじき
やがて泪が枕を濡らす
いっそ目覚 ....
裸視じゃないから、
って卑屈になるのもわかるけど。
綺麗な空には、
間違いないよ。
人は空を飛べない
けれども
人は空を見て夢を描ける
飛べなくても
しっかりと地面に踏ん張ればよい
人は宇宙を泳げない
けれども
人は頭の中で宇宙を創れる
泳げなくても
{ルビ颯爽 ....
お茶菓子を食べ
茶をすすり
冬を感じる
実家から帰って来てからそろそろ2週間だ
生活環境のまったく違う中
やっと京都での生活にも慣れて来た
実家では久しぶりの帰省だと料理も大判ぶるまいしてくれ
色々な場所 ....
内に、なにかもったりとした
存在がいる。
それを意識していると
胸のあたりがうずうずとして
しょうがない。
うずうずが、とれないから
悲しくなってきてしまって、
どうしようもない ....
どんなに、画質が良くなっても。
越えられないレンズ。
ワタシタチ、の。
宝物。
年老いた桜
冬の桜
たくさんの
別の命を
育んでいる
春がくるまで
静かにおやすみ
年老いた桜
冬の桜
夢を見るのって
いいじゃない
醒めれば喉はカラカラに乾いていて
煙草の煙も上手く通らない
むせ返って出てくる痰も飲み込めない
カルキ臭い水道水が染み渡る不思議さ
絵コンテみたいに毎 ....
その女は
爪先から
生れ落ちてきたので
岬の先端の
切り立った崖から
飛び降りるときも
やはり
爪先から
落ちていったそうです
波頭が捲れ上がるように
荒れた岩場に
打ちつけ ....
欠けていく月のように
心が黒く闇に染まってゆくならば
いつか
満ちてゆく月のように
心は明るく丸く光に満ちてゆくと
そう 信じよう
農家のおばあさんが
小さな乳母車に載せているのは
自分の畑で育てた花だった
生まれながらにして背が低かった
歳をとり腰も曲がってしまった
それでも車いっぱいに花を積み込んで
今日も花を ....
{引用=
音もなくオレンジ色に燃える雲
だれかぼくに
手紙をください}
水仙の花のように
できるかぎりの背伸びをして
星の花びらの中心に開いた
黄色い唇から
恥ずかしげもなく
むじゃきな唄を奏でたい
( 昔々
( 少年ナルシスは
( 自らの ....
ままならないのが人生劇場
その中でいろんなことを学びとる
自分の足で立ってない頃には
すべての刺激は自分を責めていたっけ
叔父に殴られ
母は青ざめ
父は妾をつくり
....
不可能な事はない可能性
幾通りもある関係性
それらを次々見つけていきたい
そして
この肉に刻み付けて
私の身体を証拠とする
この骨にまでひびくほど
たくさんのことを実証できたら
私はき ....
ブリキの玩具
軒下に
雨に晒され
色あせる
ガラスの箱に
蝶の亡骸
夜更けに嘲笑う
蝋人形
乾いた心は
痛みなどとうに感じず
窪んだ眼(まなこ)は ....
自己の才覚を認めずば埋没し、
自己の才覚を過信すれば孤独となる。
賢くあれ。先を見据えろ。
目を覚ませ。盲目であれ。
自己の形など掴まずとも自己は存在している。
その存在に ....
睡蓮が開く音。薔薇が散る影。瞼をゆっくり開ければ、そこはいつか見た部屋が拡がる。
とても蒼い水晶か硝子で出来た寂しい部屋。向かい合う鏡の中の僕はどうして微笑んでいるの。どれくらい眠り続けていたの ....
勝手にしやがれ
気狂いピエロ
煙草も珈琲も菓子も嫌いなら
勝手にしやがれ気狂いピエロ
手淫も性交も愛撫も嫌いなら
勝手にしやがれ気狂いピエロ
食事も性交も睡眠も嫌いなら
勝手にしやがれ ....
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