俵万智さんの『短歌をよむ』(岩波新書)で万智さんは自作の俳句を短歌に作り替えている。

{引用=
使用済みテレホンカードの穴冴える
使用済みテレホンカードの穴冴えて思い出せない会話いくつか
 ....
ヤギさん郵便
おてがみ迷子
もしもし此処はどこですか

広くは乙女座超銀河団
狭くはフォッサマグナの東
地球的には春分点前
世の中的には年度末

わたしはわたしが生きている
時と場 ....
おなかが、いたい。
おなかというより、しきゅう?ずんっと重石を乗せられたような、鈍い痛み。
トイレに入り、下着を下ろす。真っ赤に染まったナプキンを見た途端、何故か口のなかで唾液が溢れ、めまいがした ....
                    159時 @ハト通信

あれちで
あなをほっているおとこがいました
とてもふかいあなでした
ちしつがくしゃがやってきて
ここのちかすいはかれてし ....
ばあちゃんは髪結いになりたかったのだと聞いた

襟足を剃ってもらった
花嫁になるでもない子どもの頃に

髪結いの修行のために東京へ向う前の日
じいちゃんと結婚することが決まった

ばあ ....
八月、うずくまっている

土のうえに手を置いて
雨がその地面を濡らさないかどうか、君と賭けをする
そうして動けないものだから
悪いものたちがやってきて
首の後ろあたりに留まっていく

 ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
目が覚めると
右手がチョキになっていた
いったい僕は何と戦ったというのだろう
夜中、こんなものを振り回して
援軍の来ない小さいベッドの上で
母を脱ぐ

血を浴びて
いまだ名もなし  (高柳重信)

すでに忘れられたとおぼしき「俳句の非ジョーシキ具体例」シリーズ、まだ終わってはいない。天災のごとく忘れたころ(実を言えば他のネタが尽 ....
鳥は自由に飛ぶ
一本の線によってへだてられた空間を
風つかいのグライダーのように滑空し
大気をはらんだ凧のように静止し
熊蜂のように羽ばたいて流れの外に飛跡を残したりして
そして時には それ ....
またはドキュメント晩酌時の佐々家。

夜のテレビの紀行番組で、
アンダルシアの風景が写る。

「アンダルシアって、アではじまってアで終わるね」
と夫。
「そうだねえ」
とわたし。

 ....
うつし世は春雨なりき芝居果つ

渡り廊下の左右より春の闇

洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ

揚花火仰ぐ横顔盗み見る

首筋に跡を残せし残んの蚊

衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
{引用=以下の文章は2001年春に書いたものに訂正加筆したものです。}
 ふっと思いついて、『新潮世界文学辞典』で「フェミニズム批評」を引いてみた。1990年版だからわるいのかもしれないが、そういう ....
其の人は南洋にゐた事があつて
だから私は其の人を思ふ時
まづは珊瑚礁の島々と
南の海とを腦裏に描いてみる

南洋の風物は鮮やかで
翡翠の海に{ルビ屹度=きっと}
色とりどりの ....
たださまようだけではなく
裸 なのだ
ただし
きらりんと光る瞳を持つ
裸の羊
 
裸のために役立たずと裸のために群から追われ
けれど裸のために僅かな陽射しにぬくもりに
狂喜する

 ....
綿ぼこりを握りしめていた
お乳を飲むときおっぱいを押した
初めの一歩バランスを取るために前にのばした
泥まんじゅうを作った
じゃんけんをした
桜吹雪のなか母の手に包まれた
ハナハトマメと書 ....
庭が熱くて 幾重もの春がはりつくものだから
わたし 困ってしまっていたわ
被子植物のウロが溜まった真昼で硬くなってゆくのを
我慢して見ていたのよ
それでもわたしははらえないから 業者に頼んでお ....
いまはただ
雨が降り
石にしみるまま
あけないおくで翳のかたちを追っている
ひがしの空だけが
ゆるやかに
くちびるをひらき
すきまから虹彩をのぞむ
わたしは
まるい眠りを
かきわけ ....
かな小父の通夜はにぎわい
三弦と木魚 お宮の龍笛をひきあいに
かな小父の唄と三弦曲かれこれが寄って
大ざら酒瓶もたたかれる とむらいの夜
かな小父がわたしにくれる遺物 掌が
その壺の ....
テーブルの上に何かを忘れてきてしまった
いったい何を忘れてきたのだろう

それは大きなもの
ではなかった
かといって小さなもの
でもなかった
賞味期限が切れそうなもの
でもなく
 ....
「さよなら」
「さよなら」

人は
出会うときは向かい合って
別れるときは背を向けて
それでも前向きに
歩いてゆく

僕らは
出会うときは向かい合って
別れるときも向かい合って
 ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
彼女はレースの手袋をしていた
日傘の陰の中に棲む渦巻のように道に迷い
信号を渡ると必ず赤になるのだった
僕たちは警笛と仲良くなって
赤いビートルのボンネットにひと蹴り入れてからひとごみに消える ....
倦んでいた
人ごみを避けると風が冷たかった
空の色が変わろうとしていた
古本屋でたまたま買った
サガンの「悲しみよ こんにちは」を
喫茶店で一気に読み終えたあと
いたたまれなくなって
ひ ....
青い鳥がじっと見てるので
毛をむしって 顕微鏡で見ました
顕微鏡で最初に見るのが 鳥の羽だが。
真っ白。青い鳥じゃないじゃん。

「あの子はピンクのお尻をしてる」と思われたい

初恋は最 ....
お別れには
銀杏の下で ごろごろ ころがり
大理石の上で 泣きましょう
「いよいよジャズを聴く時」 が口癖のあなたは
明日 聴くだろうし
私は 青い服を 買いに行く
私はどこにも取り付けられない、真鍮の蛇口だったので、不具者だと思っていたし、仕損じ続けるのだ、と思っていたのだけれど、あなたが「これはいい」といつもポケットに入れてくれたので、あなたを忘れられません。 水仙の似合ふ家族に招かるる

夕影に音無くこぼれ花辛夷

蒲公英やサーカス団の来てゐたる

駅前の鳥獣保護区風薫る

青空に溶けて仕舞いし雲雀かな

渡し舟落花の水に待ちゐたる
 ....
膨らんでしまった
地球の半分の大きさになった

わき腹に インドネシアがささるし
南アフリカからドイツまで腕をのばすと
陽が射さないと 苦情がくる

こんなに大きくなったのに
考えるの ....
渦巻二三五さんのおすすめリスト(190)
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俳句の非ジョーシキ具体例3- 佐々宝砂散文(批評 ...13*04-4-13
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