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今日わたしは
はじめて
自分の声を
発したようである
意味はまだない
欠陥である
血管が
血が流れる管
だとしたら
そこがふさがったら
たいへんである
詩どころか
....
階段をのぼる足音の
海をさかのぼる
波音が今
わたしの深い
大陸棚に
ぶつかる音がして
なにも見つからない
ちいさく
広がるだけの星が
こぼれる秋
虫の声が燃えている
理 ....
やさしみを追い越して
苦しみが走り去ってゆく
あるいは
親しみや憎しみ
すべて等しく並んで
世界陸上には
いつだってはじめに
言葉あるいは問いがあった
オンニュアマーク
....
ただ
空だけが去っていくよりも
窓から見える電車の行方が
気がかりだった
アフターサービスは万全です
断言した店員が
明日にはまた別などこかで
同じような物語を語り続け ....
歌声は必然となり予知した
扉を開けると歴史があった
かのような感性が
刻まれるたくさんの歓声
生き様が時間と場所の
一致へと導かれ
喜びと悲しみあるいは
理解しえない感覚さえ
意味を待 ....
遠方の空から
羊の手紙が届く
あなたは
読みかけの夏に
栞をはさむ
本棚にある
羊の数ほどの秋は
夢から覚めたばかりの
赤い枕だった
隣では不眠症の女が
羊を数えながら ....