雪が家を白くする

雪が道を白くする

雪が野原を白くする

雪が木々を白くする

雪が山を白くする

雪が全てを白くする

朝 窓を開けると一面の白銀の世界

 ....
窓の外を眺めていたら
ちらちらと光の粒が見えて
それは屋根から落ちる
雪融け水だった

ぽたぽたと
小さな粒の集まりは
バンジージャンプをするように
春に向かっておちてゆく


おそるおそる見つめ ....
わたしから あなたへ
ちいさなよるをひとつ
てわたします

あなたでなければ
もらいてのない
つめたくて あおい 
よるです

のぞきこむと きっと
かなしいほど 
なつかしいも ....
通勤でも 通学のときでもいい

私を見つけたら 一声かけてくれないだろうか

煽りでもいい

威嚇でもいい

敬意を表して、

さん付けしてくれても構わない

ただ、消えて行く ....
澄みきったよどみの
石灰水を
三角フラスコに
注ぎこんで

一気に飲み干す。

身体の中で
様々な化学反応を
ケミカルに
起こしながら

進化してゆく。

十二指腸に
た ....
ある墓から発掘された
土くさい古文書を
読みといたら
やっと自分に
近付ける気が
するんだ

どこまでが問題で
どこまでが答えなんだろう

きなくさい暗号と
それを
首を傾げ
 ....
画面をまっすぐ斜めを光る
光を手足に貰って季節の傍ら
猫の背伸びを台詞をかぶせ
舞台の上で踊ること

静かな夜は
静かな唄を歌うこと
綿飴のような雪が降る
真昼間の御堂筋を
デモ行進の労働者たちに紛れて歩く

肩に 髪に
降り積もる雪が
おれたちの影までも
白く塗り潰してゆく

そういえば

子どものころ
登 ....
鼻歌を歌う君が夢で僕の隣を歩いてた

浜の砂は熱く僕の足の裏を焦がしていた

星の砂が刺す手の平を僕に見せ笑う君だ

同じ浜で歩く僕の隣は僕の影がいるだけ

君に会う前は浜の砂も海の魚 ....
前から言おうと思ってたんだ。
大切な人へ言おうと思ってたんだ。
大好きな人へ言おうと思ってたんだ。
愛する人へ言おうと思ってたんだ。
「キミのこと。大切だよ。」って。
「キミのこと。大好きだ ....
行き交う人々を横目で見て
何時も通りの家路を辿る

煙草の煙が妙な存在感を示す
それはその人よりも強く
自己を主張
気づいたらもう消えていた

塗り潰したキャンバス
それはこの場所を ....
 すこしずつ
 色を足し
 
 気づかれないよう
 形をかえて

 満月を
 あとふたつ数えたら
 「春」になります


北風の止んだ空に
雲の声がした
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます

あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
 ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
こんな都会だから星は輝かない
空を見上げもせず そう思い込んでいた
見えているものを確かめていくのは
立ち止まってみないと難しいのかもしれない


考え込んだ夜 外はあまりに綺麗で
窓の ....
読んで 涙して

読んで 微笑んで

心の洗浄 あなたの言葉
ひんやりしてる
ああ、とてもひんやりしているんだ
きもちいい
すごく、きもちいいな

この、
世界の内と外の境界あたりは
とにかくひんやりしていて、きもちいい

それにしても
馬鹿 ....
窓際のくちばしを軽くつまむ
ルージュに染まった指先

日の当る窓辺で広がる白いスカート
白く 光る

軽くあしらうしぐさ
抱きかかえる手をすり抜け
残す
ワイシャツの赤
車に轢かれつづけた傘が
側溝の泥のなかで鳥になり
やせた鉄の羽をひらくとき
午後の空はもう一度泣き
街をゆく人々の手を濡らす
今日もこぐ自転車ペダル
冷え切った空気 ふりきって
わたしはたどりつかなければいけない
使い慣れた34番
ひびわれたくつぞこ
あのろうかのつめたさも 
もうすぐで角ざとうになる
固まって ....
洋なし色に 辺りが包まれ
萩焼のカップには
チャイの印香が漂う中
窓辺からは
いつもと同じ風景

いや 今日は
こんもりと茂る葉の代わりに
樹木には 綿雲の実がなり
成熟したそれは
 ....
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