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ツクツクボウシが啼きそびれたみすぼらしい晩夏からそのままスライドした秋の曇天は、思考回路が壊れた若い母親が道端に投げ捨てる紙おむつの色合いで、ホームセンターのワゴンから掴み取ったスニーカーの靴底は ....
その日わたしはどうしても部屋のライトをつける気にならず、小さなテーブルの上の灰皿に蠟燭を置いて火をともしていた、そうして、ソファーにもたれて南米のリズムのようにゆったりと揺れる火を眺めていた、脚を ....
本当の破壊衝動はいつだって自分自身のはらわたに届く衝撃を待ち続けているものだ、それが芸術の本質だと言ったらお前はどんな顔をするだろうか、そこにどんな答えがあろうと俺の認識が歪むことはないだろう、な ....
断続的に途切れる眠りの中で意識は夢の中で迷子になった、天井が、壁が、床が、ねじの回転によって歪められていく、鍋の中で粘着いていくカラメルソースのような渦の中で、内臓になにかが捻じ込まれるような感覚 ....
舶来産のまがいもの、これ幸いとばかり抱え込み
国を挙げてのばら撒きショー、さながら非加熱製剤のごとく
テレビプログラムで胡散臭い、司会者と博士のプロパガンダ
いかに安全で素晴らしいものか ....
まだ明けぬ夜のことなど延々書き連ねたところで仕方がないのだ、日向のことを、簡潔な希望のようなものを綴らなければ誰もそれを読んでみようなどと思うはずがないと、誰に言うともなくひとりの若い男が初めての ....
思うに俺は、生まれてすぐに、育つはずのない骸の中に押し込まれ、どういうわけか上手い具合に育ってしまったというわけだ、ある初夏の午後、歪み木細工の椅子に沈んでぼんやりとしていた俺はふとそんな考えに行 ....
時刻は午後四時で、僕は見知らぬ部屋の中に居る、マンスリーマンションのような、生活に最低限必要なものだけを揃えた味気のない部屋の中だ、玄関を開けるとすぐにキッチンがあり、木枠にアクリルガラスをはめ込 ....
真冬の星座の下で改造拳銃をみぞおちに当てて一息でぶっ放した、火薬は多過ぎ、スプリングは確かだった、燃え上がり、あっという間に丸焦げになり、ヘドロだらけのどぶがようやく流れる時のなにかを引き摺るよう ....
視界の端に映る太陽の中心を逆十字に彫り上げて背徳の日陰の中に今日の悪魔が現れる、よう、惰眠は済んだかい、今日のお前は昨日のお前よりも確かかい、とからかってくる、俺は無視を決め込むがやつは満足しない ....
寒気にひび割れ、傷んだ世界の狭間、高速ですり抜ける意志と、失速しうなだれる幾つかの首、ベネズエラの煙草を咥えたアジアのギャングたちが、所かまわず改造拳銃の銃口を詰まらせる午後早く、剥ぎ取った落花生 ....
巨大なプレス機が稼働しているようなノイズがずっと続いていた、肉体はその、現実には存在しない振動に苛立ち、酷い痒みや痛みを覚えた、細い針を幾つも差し込まれたみたいに視界は穴だらけになり、世界は楕円の ....
ひとつしか照らさない灯りを手に持って
人通りの途絶えた通りを歩いている
日にちの変化や、年号の変化
様々な冠が世界を駆け巡るけれど
実際のところ、それはただの節目に過ぎなくて
ひとつしか ....
閉じたまぶたの裏側から古い鉄扉が軋むような音が聞こえる、それは思考回路の悲鳴なんじゃないかと思った、証明する手段などまるでないけれど…数年前に見た夢を急に思い出す瞬間、俺が生きようとしているのはど ....
妄想癖の神父は教会の入口のそばで、目を覚ましたままぼんやりと涎を垂らしている、教会前の広場にずらりと並んだ日曜日の市場の、果実売りの娘が横目でそれを馬鹿にする、本格的な冬がやって来て、空は日本製の ....
それが本当に眠りだったのかと問われれば俺は分からないと答えただろう、現実なのか、それとも夢の中に居たのか、釈然としない何時間かが過ぎて、夢遊病者のように俺は服を着替えて外へと彷徨い出た、それは本当 ....
それは彼方へ消える幼い日の記憶だろうか、それは燃えながら散りゆくひとつの詩篇だろうか、それは最後の歌をうたう老婆の掠れた声だろうか、長雨の後、窓に残った雨粒が滑り落ちる時のシンクロニシティーは、も ....
世間、世間、世間世間世間、あんたら世間好きだねぇ、世間っていったい何だい、そいつは実体のあるものかい?そんなにムキになるくらい、素晴らしいもんなのかい?まったくどいつもこいつも二言目には世間ってそ ....
轢死の残滓、まだ夏の在処の片隅に、凍る息を見つめながら、語れる言葉も無しに…そのまま、そのまま、塵のような雪に埋もれる、春になる頃に骨組みだけの姿でまた会えるさ、口笛は曰く付きのインストゥルメンタ ....
動乱を思慕する、がらんどうの日、雪の無い雪景色、早い冬の休日、いつだって同じ話、どっかで見た景色、勝手に時が過ぎ、いつかしら夕暮れ、見送り、空振り、呆けた椅子の上、目の中にまだら模様、妄想の残像、 ....
血液が凝固したとき、その形状がなにかを語っていたとすれば、それが俺のうたうべきことなのだろうと思う、語るべき真実のないやつらは、静寂の中で気が狂う、瞬きの途中で騒乱を目にする、類稀なる血飛沫は讃美 ....
お前は煤色の赤ん坊を抱いて
焼け焦げたアスファルトを裸足で踏みしめる
サイレンだと思っていたのはいくつもの悲鳴で
雨雲に見えていたのはなにもかもが
無に還ろうと爆ぜる努力の証だった
....
少し離れたところで双眼鏡を覗いていた、絞りやなんかの設定は出鱈目で、そもそも自分がそこを覗くことでなにを見つけようとしているのか、なにを凝視しようとしているのか分からなかった、それはしいて言えば暇 ....
もう数十年のキャリアを誇るだろう生ゴミ用のポリバケツには今日も腹を存分に膨らませたビニール袋が蓋が少し持ち上がるくらいにまで詰め込まれていた、俺にはそれが薄笑いを浮かべ、帽子を持ち上げて挨拶をする ....
街外れの巨大な交差点に遺構のように居座っている歩道橋の橋脚に点在するこびりついたある種の伝染病による斑点を思わせる赤錆は、それが置き去られた無機物に歌える唯一の詩だとでも叫んでいるみたいに見えた、 ....
滑落し、転がり、露出した幾つもの岩石に研磨されながら、激突し、砕かれ、折れ、失い、果てしない距離を、途方もない時間を、次第に確固たる死へと導かれてゆく、ただの夜に迎える感情のおおよそにはそんなビジョン ....
ときおり
訪れる
叫びの衝動
だけど
そいつを
信じてしまったら
たぶん
終わりの始まりだろう
暖かいとも
冷たいとも
言いがたい
どっちつかずの夜
寝床の中で
....
砂利道に零れ落ちた戯言は瞬く間に無に還り、舌癌の男の歌声がドラム缶に飲み込まれる、機能食品の後味だけが喉笛の入口でオシログラフの針を揺らす、ボトルネックプレイのブルース、環状線の高架の脚で錆びのよ ....
手頃な刃物で踝に刻んだ言葉は小さく、それは告白でも独白でもなく
ただただ痛みと、意味と共に在り
どうぞ私の手をお取りください、苦しみと、悲しみに潜む言葉たちの種よ
大衆食堂の裏側、排気ダ ....
世界の糊代に迷い込み、四方八方、己の居場所とはまるで違う有様で、色の薄い一日が繰り返される、精神異常者が見る見境の無い夢のような日常の中で、思考は数十年放置された廃屋の窓ガラスのようにひび割れ、所 ....
ジム・プリマスさんのホロウ・シカエルボクさんおすすめリスト
(73)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
剥き出しの鉄を打ち鳴らす
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-11-6
完全な闇が取り払われるとき
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-10-31
欲望のもとにすべては引き裂かれる
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-10-24
深紅の繭が孕む熱が
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-10-18
World_quake_sick
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-7-24
戦争と戦争ごっこの話
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
22-7-4
断層の誕生
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
22-5-5
交信は不可能
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
22-4-26
最後の一艘
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
22-1-21
Through_the_Past,_Darkly
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-1-16
なしくずしのゲームとその神髄、それから水分の必要性について
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
22-1-8
ノイズの陳列、幕引きのシャワー
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
22-1-2
ひとつしか照らさない灯りを手に持って
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
21-12-31
樹氷のシナプス、そして降り積もる囁き
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-12-25
くだらない街の冬の陽炎
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-12-19
希望だったけれど叶わなくてもよかった
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-12-12
書き換えられ続ける譜面の擦れた紙面が鳴くような音を立てる
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
21-12-5
頼むから一人にしてくれ
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ホロウ・ ...
自由詩
6*
21-11-27
鬱血のアウトサイド
-
ホロウ・ ...
自由詩
3*
21-11-23
風穴の夜
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
21-11-14
It's_absolutely_impossible.
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
21-11-7
野性よ、削ぎ落された地平を
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
21-11-3
だから、まるで魚が水面を跳ねるように
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
21-10-29
それは日向の路上でふと頬をかすめる雨粒に似て
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-10-19
「あなたを待っていたのよ」なんて、退屈している女ならみんな口 ...
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-10-12
The_Root_Waste_Disposer
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ホロウ・ ...
自由詩
3*
21-10-10
ありがとう、おやすみ
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
21-10-7
核
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ホロウ・ ...
自由詩
1*
21-9-26
カゲロウたちは永遠の詩編の中で
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ホロウ・ ...
自由詩
2*
21-9-12
あぶれもの
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ホロウ・ ...
自由詩
4*
21-9-5
1
2
3
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