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熱い湯船に浸かりながら昼の出来事を思い出す

病院の帰りに行きつけの喫茶店に立ち寄った頃の話
私はお気に入りのコーヒーを片手に
瀬戸内寂聴氏が現代語訳した源氏物語を読んでいた

そこへ現れ ....
まだ残暑厳しい夏の日差しを体のうちに残しながら
クーラーの効いた病院の待合室で
自分の名前が呼ばれるのを待っている

なんとか予約時間に間に合うように
自宅から病院まで必死になって自転車を漕 ....
バスから降りた途端
ざあーと襲いかかるように雨粒が落ちてきた
薄緑に茶色のフリルのような模様の傘を急いで差して
目の前の喫茶店へと一直線に走った
大きなガラス張りの洒落た白い喫茶店の
ギシギ ....
濁った空の下
確かな職もなく
行き場の無くなった人々がカラカラに乾いた精神(ココロ)を持て余し
ただ、何の希望も見い出せずにその場限りの生活を送っている

彼らのたったひとつの持ち物はコイン ....
喫茶店のカウンター席で少し苦味の強い珈琲を啜りながら辺りを見回すと
カウンターの真上一直線に吊られた細いステンレスの棒に
ドライフラワーふた束が仲良く並んで吊り下げられている
そしてそれらに並ぶ ....
今度はどんなうたをうたおうか
三時を少し回ったばかりの鴨川のベンチで川の香りをかすかに嗅ぎながら
風に揺らされたまま少し汗ばむ額に張り付く前髪かき揚げ
ごぉーごぉーと唸る白い水飛沫をみながら
 ....
和室から見える景色はまさに夏そのものを現している
水色に薄められた絵の具に白を淡く馴染むように付け足した
そんな背景
伸びる焦茶の自由な線に緑は白く光り
ときおり吹く生暖かな息に気持ちよさそう ....
ちょんぎられた支援の端
暑苦しく嫌な顔をして高齢男性に説明を繰り返す
区役所の障害者支援係の職員
隣の子育て支援の係はというと
誰も客がいなくて暇そうに楽しくおしゃべりしている
女性のアルバ ....
朝のドラマを見終わった途端母が涙目で
「住んでいる家を売り払って財産として三分割する」と言い出した
そのドラマの内容は主人公の学生時代の友人が封建的な家制度に縛られ
横暴な夫にも悩まされた挙句そ ....
散歩から帰ってきた母と入れ替わりに私も外へ出た
6時を過ぎたばかりの夕方の空はまだ明るい
スロープ状の坂を下って土手へ降りると
むうっとした草独特の臭いがマスク越しでも鼻についた
手入れもされ ....
些細な日常のことでもすぐ喧嘩になる
お互いが酷い言葉を投げかけあっても
いつのまにか何もなかったかのように元通りに笑い合う
お互いわがままを言い合い許し合う
私にとって母は母でもあり姉妹でもあ ....
少しがさついた指先が冷たくて
それでも「有り難う」という言葉が
何だか妙にあたたかい

特に大それた事をした訳ではない
ただ、世知辛い社会から追い出され
家も家族も失った人達に
水のよう ....
地は堕ち人々の叫びが聞こえる
笑い合った家族が一瞬にして哀しみに変わる
疲れ切った人々の朦朧とした現実
瓦礫の下に生き埋めとなった人々の無念な嘆き

年の始まりが自然による災いの炎と化す
 ....
ジム・プリマスさんの栗栖真理亜さんおすすめリスト(73)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
怨念- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-24
待合室- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-23
翡翠- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-22
或る貧困労働者の祈り- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-22
青い鳥- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-21
暇を持て余す- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-21
羽蟻- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-20
お役所- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-20
影響- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-19
ウォーキング- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-18
- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-17
人間の尊厳- 栗栖真理 ...自由詩4*25-1-15
共に越える- 栗栖真理 ...自由詩4*25-1-15

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