「今日生まれたあなたへ」 (青年詩片)
ベンジャミン



一人になって
ふと疲れを感じる昼下がり

もう数えていないのと
ぽつり呟くあなたを
抱きしめたら壊してしまいそうです

指先で宙に描く願い事
それが何だかわかりません
白い紙に書いた言葉
誰にも見せずに消してしまいますか

あなた 平気と笑っている
鏡、瞳、まどろみ、ほほえみ
虚を眺めながら歌います
優しく響くように

それはとても美しいから
あなたにも聞かせたいと思いました

今日生まれたあなた
今日また生まれたあなた
そのどちらにも祝福を贈ります

どんな世界に生まれても
それがすべてでないことを知っている

あなた 哀しいことはありません
ふぅっと
ためいきで押しやるそぶり
疲れたいろいろを
一つずつ平気にしてゆける

昼下がり
足音が聞こえてきます
あなたを求めています
あなたはまた歌います

宙に描いた願い事
白い紙に書いた言葉
それはきれいな歌になりました

ありがとう

おめでとう

今日生まれたあなたへ



           


自由詩 「今日生まれたあなたへ」 (青年詩片) Copyright ベンジャミン 2007-04-14 17:28:12
notebook Home 戻る