「空と大地のあいだで」
ベンジャミン

きれいな空があることを
忘れたくなかった

雨が降るのを
真下から見上げて

見上げた空がきれいであることを
確かめたかった

降りそそぐ雨が瞳からあふれても
それを涙のようには流さない

小さな塵が水蒸気を集めて
こらえきれずに落ち始めるとき
空と大地で交わされる会話

全身で受け止めて
すっと伸びながら耳をかたむける

ここからでも空に届くことを
思い出したかった

手を広げれば
無数の雨粒が肌を叩く
一つ一つの刺激が
まるで違う言葉のように
しみこんでくる

何もない空と
あふれかえった大地の間には
きっと何もないことがあふれている

そこから何かを感じることを
教えてくれているんだ

空と大地は
そのあいだにいる僕らに




自由詩 「空と大地のあいだで」 Copyright ベンジャミン 2008-05-07 01:16:29
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