すべてのおすすめ
あの海になろう
あの森になろう
さかなたちのいる
けものたちのいる
いのちのある
かつて私を生み出した
波をうねらせ
梢をゆらす
風
力強く
両手をひろげ
すべてを抱 ....
「僕」という種をまいた
「僕」が芽を出して
高く広く枝をのばし
深く遠く根をはって
空からも大地からも
みんなを見守れるように願った
「僕」という種をまいた
....
塾の講師になって二年
はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない
今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
ごらん
きょうも
きらきらと
ゆきがふっている
まどガラス
いちまいをはさんで
そとはさぞさむいだろうに
それがうつくしくかんじられるのは
ぼくがうちがわでながめているからだろう
....
それだけの出来事に日々は満たされていて
それは小さいこともあり大きいこともある
それでも、それだけの出来事は
その人にとっては重大な出来事なのだと
そのことに気づくことはとても難しい
....
ときどき僕は、まだ羊水の中で
少し離れた場所から聞こえる声に
そっと耳を澄ませている気がする
それはまるで子守り唄のようで
鼓膜を揺らすほどでもない
優しさを持っている
と ....
いったい何を描きたくて
こんな背景のない風景画を
握りしめたペンが色をのせるのは
あぁ あたりまえのこと
あちこちに飛散する偶然たちが
集まりかけていたはずなのに
小さな ....
地上へ向かう木の葉が見せる
一瞬の華やかさ
揺らぎ
心の根幹は
頑丈にできているけれど
心の枝先は
いつも何かにあおられている
言葉が
木の葉のように舞い落 ....
世の中が
あんまり酸性雨だとか騒ぐので
雨が降るたびに身体が溶けてしまいそうな
そんな不安に怯えている
あなたは
自分の弱さが何であるのかを
知りたいようでいて本当は知りたくな ....
「とうもろこし」って言えなかった
小さい頃
どうしても
「とうもころし」になってしまって
ゆっくり言ってごらんよと言われても
やっぱり
「と う も こ ろ し」って言ってしまう
....
各駅列車がゴウンとかガタンとか
あんまりうるさい音で行くので
旅の記録も記憶も
まるで陽炎のように歪んでしまいそうです
最近では冷房がしっかり効いていて
天井の扇風機はすっかり黙って ....
わたしの中に棲む鬼が
すっかりいなくなったわけではないだろうに
心はずいぶんと穏やかで
すべてが夢であるかのような気さえするのです
病院の自動扉を抜けると同時に
曇天から吹き下ろされた風が
湿 ....
わたしは先生をやっている
算数、国語、理科、社会
みんな教えている
それはきっと
わたしが彼らより先に生まれたからだ
子供たちは勉強をしている
将来の夢を尋ねても
返 ....
もうちょっとなんです。
海鳥の白い背中が雲間からこぼれる陽を滑り、調度波の波長と重なるようにゆるやかに漂っているのを見ました。
(白い午後)
波打ち際には、打ち上げられたクラゲがゼラチン ....
眠りの中の妖精が
いつもと変わらぬ朝日を受けて
目覚めの呪文をささやいた
自然界の法則が
その
方向を示すとき
風は一目散にかけてゆき
草木を揺らし香を運び
命あ ....
朝起きたら
しっぽがはえていた
慌ててひっぱって
ひっこ抜こうとしたけれど
しっぽはするりとまるまるだけ
かつて人がサルだった頃
当たり前にあったのだろうしっぽは
い ....
最近
僕らの会話の間には
「確定申告」という言葉が良く出てくる
娘は
そんな僕らの会話を聞いていて
いきなり
「かくていしんこくってなーに?」
なんて聞いてきた
僕は ....
白にはどんな色も似合ってしまうから
僕は白が羨ましい
ガードレール
どうってことのないカーブだった
緩やかな曲線が空に続いているなんて
今でも信じていない
あいつは
小学 ....
僕の右手には優しさがにぎられている
だから僕は人と握手をするときに右手を使っている
僕は右利きだから右手に優しさをにぎっている
それは誰かに優しい気持ちを伝えてくれる
だから僕は左手を隠している
....
茹ですぎてはいけない
くっついたら離れられなくなる
それはきっと
お互いを傷つけないためだ
それぞれが自立していられるくらいの
芯がなければいけない
あと、塩加減も大切 ....
「透明」という色を知っている
真実は色を重ねるほどに
現実へと置き換えられてゆくから
いつまでも透明は透明のまま
誰の目にも映らない
だから雨が降る日には
跳びまわ ....
まるで葉っぱの落ちた木のようだ
風が吹くたびに
小さな声をあげている
ゆっくりと息を吐きながら
それでも溜め込んだ本音を飲み込んで
掲げた両手の先
どこまでも遠い空を眺めれば
....
(地下鉄の入り口)
真昼でも陽の光の届かない
そこは蛍光灯で照らされた
もう一つの夜だった
疲れた足取りで階段を降りてゆく
行き先を示す電光掲示板には
目的の場所が表示 ....
髪を切ろうと決めたのは
特に心境の変化があったからではないけれど
肩までのびた髪を両手でまとめながら
記憶をほどいてみればさかのぼるほど
やけにたくさんの思い出が
ちらついてしまいま ....
生まれたときから
親指が無かったのだと
その子はいつも
両手をポケットに入れて
両手を使わなければならないから
雨が降る日は嫌いだと
右利きなのに
五本そろった左手で書く文字 ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある
前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした
「死んでやるー!」と何度 ....
エバ、君は
人の目を怖れるから
僕が見つめるほどに遠ざかったね
その気持ちは痛いほど
僕にも伝わってきたよ
エバ、君は
捨て猫だったから
信じることを怖れていたんだよね
瞳 ....
家の近くで見たのは野良犬の親子
道路をわたるときは子犬のほうが先で
親犬はあとからついてゆく
一見普通の光景だけど
親犬は眼が見えない
だから子犬が前を歩き
親犬はその匂いを頼 ....
真夜中、ロボットは
痛めたうでをかばいながら
他のおもちゃの手当てをする
文句を言いたそうな
他のおもちゃをなだめるように
タイヤのとれたスーパーカー
支えの折れた宝箱
首だけになったお人形
....
赤と緑が
美しく共存する
いつからかクリスマスのシンボルとして
家々に飾られるようになった
花を守るために
葉が変化したという
赤い花苞
この世界には
今も ....
佐野権太さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(66)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「憧憬」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-12
「僕」という種をまいた
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-2-9
「ありがとう」と言わせない
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
07-2-6
きらきらとゆきがふる
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-1-9
ただ、それだけの出来事
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-12-8
ときどき僕は、まだ羊水の中で
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-10-1
「一つ残らずささげよう」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-9-23
「揺らぎ」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
06-9-20
「弱アルカリ性のあなたへ」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-9-11
「とうもろこし」って言えなかった
-
ベンジャ ...
自由詩
13*
06-8-31
暑中見舞_(旅先より)
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-8-18
鬼の棲む場所
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-6-21
「今日という日に」
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
06-5-9
もうちょっとなんです
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-4-29
「春」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-3-25
「僕の体にしっぽがはえた」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-3-16
確定申告
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-3-14
ガードレール
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-2-28
僕の右手には優しさがにぎられている
-
ベンジャ ...
自由詩
5+*
06-2-28
アルデンテ_スパゲッティ
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-2-20
「透明」という色
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-2-13
背伸びする
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-2-11
「地下鉄には、もう一つの夜が」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-2-11
髪を切る日
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-2-9
手のひらの大きさ
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-2-8
知らないことを知っている
-
ベンジャ ...
自由詩
42*
06-2-6
エバが教えてくれたこと
-
ベンジャ ...
自由詩
2*
06-2-3
野良犬から見た世界
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-2-1
真夜中のロボット
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-1-27
ポインセチア
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
05-12-18
1
2
3
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