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僕の黒いノートの表紙に
ときどき
窓が出来ていることがある
その向こうで
君のかなしみが
淡い落下をいつまでもつづけている
(背景はいつも夏の
 {ルビ誰彼時=たそがれどき}か
 {ル ....
夏は容易く永遠を擬態するので

僕らの意識の最も敏感な部位は

いつでも眩暈に侵されたままだ
自分と向かいあいすぎて
時折その界面をとおりぬけて
向こう側の自分と
いれかわってしまうのだ
白い春の夕暮れ
浅い眩暈が意識を通過する
柔らかな距離がゆるやかに傾き
西に沈む誰かの声 遠い声

傍らの抽斗の中で
淡い儀式の記憶が疼く
それはやはりある春の夕暮れの
古い棟のうらさ ....
必死に壊れつづけている

飛び散る銀色のビス
耳には音楽のようにつづく歯車の諧音
プリミティヴな装置に
青い微笑み
必死に壊れつづけている

遠くから重く暗い地響きのようなうなり
は ....
なまぬるく
なまめかしい
春の夜風の底 へ
わたしは
指を溜める

纏わりつくのは
すこしはなれたところでざわめく
緑と水の匂い
だろうか

やがて下弦の月がのぼって
ちいさな ....
淡いピンクのチューリップがいけられた
硝子の花瓶のそばに
罅の入った銀色の金属製の心臓が
取り外されて置いてあった
彼はその代わりに
肋骨の中に脈動変光星をひとつ
納めようとしていた
昨 ....
阿麻さんの塔野夏子さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黒いノート- 塔野夏子自由詩21*06-11-19
- 塔野夏子自由詩14*06-7-15
存在しない鏡- 塔野夏子自由詩12*06-6-3
遠い声- 塔野夏子自由詩15*06-5-7
incomplete_poet- 塔野夏子自由詩12*06-4-27
余_黒- 塔野夏子自由詩13*06-4-19
春のオブジェ- 塔野夏子自由詩14*06-4-3

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