すべてのおすすめ
あなたは
今頃
アパートの一階、
小さな庭のある部屋で
寝転んで
テレビでも見てるんだろう
わたしは
届かない窓に
小さく手を差し伸べて
それでも足りなくて
こころのなかで
あなたの名前を呼 ....
天井高く
はめこまれた窓
少し欠けた
月が見えている
それは
絵画のようで
そして
こうやって
病院生活をしている自分も
まるで
すべてがフェイク
変えようのない過去
変わるかもしれない未 ....
カリッて
あたしの殻を
割って
中から
とろんって
あたしが
溢れ出すから
明日。
この部屋ともさよなら。
明日わたしは
どんな顔で
退院するのだろう。
何度も見上げた天窓。
今日も光が差し込んでいる。
もう
外へ出ていかなきゃ
この暗闇を破って
ずっと一緒だった
秘密や苦しみ。
悲しみや辛さ。
慣れ親しんだそれらは
友達のような安心感を私にもたらして
暗い繭から見る外は
まるで家猫が
じっと窓際 ....
走り去る緑
水田は
鮮やかにきらめいて
遠く木々が
燃え立つ
なんて
真っ青な
そら
これが
最後のドライブなら
そう言ってくれれば
よかったのに
梅雨と真夏の狭間で
紫陽花が耐えている
真夏の青空の色を湛えて
夏が来るのを
待っている
色はだんだん
褪せていく
散りきるまで
もうすぐ
深夜のファミレス
メロンソーダ
人工的なグリーンが
光を集めて
輝いて
私は
自分の席の話題に
ついていけずに
(バイクや車の話ばかりで)
辺りを見渡す
端の席に座っている ....
こころの扉、
ひとつづつ
鍵をしめていく
このままでは
あまりにも
辛いから
ひとつづつ
丁寧に
鍵を集めて
けれど
きっとそれは
忘却にもぎ取られ
探すことさ ....
小さな太陽が
たくさん
たくさん
わたしの
ちっぽけな存在を
かき消すかのように
夕方
ベッドで
横になっている
台所からは
母の立ち働く
音が聞こえる
サクサクいう
包丁の音
ガスレンジをつける
チッチッという音
何か炒める
ジャッという音
....
それは
川面に映る
夜桜のような
儚い恋だった
瞼裏に残る
桜を
胸にやきつけて
夜桜、
もうすぐ散る
雲の上で
誰か泣いている
その
降り注ぐ雨の下
泣いている人もいるだろう
雲の上で
誰か泣いている
誰にも気づかれることなく
誰にもなぐさめられることなく
まぶしくて
見えない
あの光のむこうに
何がある?
あの光へ
闇を抜け出て
光をめざして
こんな
青空の下でも
泣いているひとが
たくさん
いるんだろう
白い雲が
空を支えたとしても
支えようもなく
孤独に苛まれるひとが
きっと
たくさんいる
ほら
また
雪が降り始めた
春に
なりかねた
冬が
名残の雪を
散らす
それは
音を消し
街はまた
姿を変える
ほら
また
雪が降り始めた
さよならの雪が
日向で
猫が
まんまるくなって
昼寝をする
午前10時
おだやかに
すぎゆく時間
のびやかに
すぎゆく時間
平和が
ここにあった
時々
無性に
ラーメンが食べたくなる
蛍光灯を映して
きらきら光る油
立ち昇る湯気
スープを引き連れて
手繰り寄せられる麺
あぁ
ラーメンが食べたい
カウ・ボーイがあたしに言った
「忘れ物だよ」
あたしは
忘れたんじゃない
わざと置いていったのだ
もう
いらないから
「よかったら
あげ ....
雨の音と
エアコンの音が
重なりあう
夢の汀
目を閉じると
海が見える
砕け散る
水晶の波
泡立った
真珠の泡
深い深い
青に吸いこまれて
夢か
現か
深い夜の
反対側では
きっと
誰 ....
古い教会
脈々と
受け継がれる
祈り
神を信じ
祈りを捧げる人々に
わたしは
祈ろう
その願いが
叶えられますようにと
永遠に議論になりそうで深刻な問題、
「卵かけごはんに何を入れるか?」
・揉み海苔は絶対外せない
・ちりめんじゃこを入れたい
・しょうゆのみ!
・味の素、入れていい?
・鰹節がなきゃ
....
空が
開いた
梯子が降りて
天使たちが
行き交う
その梯子
少しだけ
昇らせて欲しいの
会いたいひとが
いるから
花束持って
訪ねたいの
空が開いた
....
開けるまでが
どきどきして
なかなか
開けられないの
えいって
気合いを
込めなきゃね
贈ってくれたひとの
気持ちが飛び出すから
ありがと
ありがと
何かあったの?
そんなこと
忘れて
笑って…
笑お!
冬はやっぱり
おこたがいいな
みんなが自然に集まって
他愛のない話をして
ねこもこたつで
丸くなるし
真っ白な雪を
ずっと見ている
雪は
わたしの中にも
降り積もり
あのひとへの想いも鎮めてくれそうで
だから
雪の日は
カーテンを閉めるのが
惜しくて
ムーミンといわれれば
確かにそうだけど
クロネコが
座ってるようにも
見えない?
あなたは笑って
あたたかいうちに
召し上がれ、と
砂糖を差し出した
では
頂きます
形
壊れないように
そっと ....
ボクはうまく歌えないから
かわりに聴いてほしい歌があるんだ
メロディが素敵で
でも
もちろん
歌詞だってしっかり聴いてよね
ボクのきもちそのまんまなんだから
おしつけ ....
母に貰った十字架
久しぶりに
つけてみようか
誰もが信者であるわけでもないけど
背負わされた十字架
身につけてる
でも
明日へとcrossするかも
しれないのだから
1 2 3