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大根の筋に見とれ
頭の真ん中が
すいと 浮かんだ気がした
ぼんやりと 窓辺で眺めていると
水色の自転車が
昼光の泣き声と共にやってきたので
天国から迎えに来たのかと思った
....
遠くに咲く
桜の写真
浮かべて 流れて
さらに さらに 霞みゆく
Gが高めの空気
追いかけていきそうになる沈黙へ
花びらが散る
クリスマス、雪に見立てた紙吹雪。 ....
ぼうず頭を撫でる
指を刺す硬い毛と
頭皮から感じる桃源の温度
父と母がここにいる
朝刊を読む父の無精髭
下顎のかげんが、ちょうどよい。
皆おなじ背丈、おなじ艶、おなじ顔。
....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと
もがいているようで
かなし ....
うぐいすあんこの芝生には
昨日あそんだプラスチックが点々と
とりどりの花を咲かせ
雲の金糸から こぼれる朝露の
グレープフルーツっぽさよ
こぽこぽこぼれる 透明なグラスに
わたしが点滅するというのは
こういうとき なのだろうか
あふれる濃縮還元ジュースは
せつなくて
地下鉄の降り口をまちがえた
まちがったとわかっても
....
14:34発
皐月のシャツ着た
ゆふいんの森5号
水平線を描く
電線を
斜め下から
追ってゆく
風景も
ゆったりと
融けて
車窓の後ろへと
帯びてゆく
電車の中は
か ....
ほ がでた
ぞろり 列をなし
あまりの眩しさに
皆 皮膚を震わせた
いくつかの球がころがり
海が無気力な日がやってくると
僅かなひとときを選び
ほ がさいた
玄関か ....
王麗の木箱から
はみでた毛糸は
そろりと巻くか
するりと着てしまうには
あまりにも遠く
フランソワの無邪気に
毛が纏わり
駆けてく山羊の
背にもう一度
ふれようと
毛糸に手を通す ....
1.
内ポケットに入り込み
しっかりとボタンを留める
頭を膝にうずめて
もれてくる光が無いことに
安堵
2.
予感と習慣から
ふいに
ひたいに張り付いた前髪をかきわけ ....
タララッタ タララ
たららら ハイ!
葉をひらひらさせて へリコプターン
リズムに乗って
かろやかに〜
帽子を下ろし
メレンゲガールに ごあいさつ
そして
やさしく
つつみこ ....
葉をひろげて
スカートパラシュート〜
葉をおもいっきりひろげて
すって
はいて
ふくんで
抱きかかえるっ
はい!そのまま
ゆっくり腰をおとして
ポットの底まで
そして
....
凍えるようなフランスパンに
アプリコットジャムの毛布
パチパチと弾ける
ガーリックバターのシャッポ
クリームスープに浸しては 寒さを癒した
季節
家庭教師の家には いつも
ライ麦パン ....
林檎をむいて
皮をむいて
木陰をむいて
こっちをむいて
河をむいて
小波をむいて
さぁ むいて
君は流れてゆくね
むきながら
こぎながら
なきながら
ここで いいのだよ
おもい ....
賭けた
恋のゆくえ
書けた
ため息インクの
メッセージ
欠けた
鉢に水をやり
掛けた
シャツに袖をとおす
翔けた
はだしのまま
駈けた
鼓動が歌う
駆けた ....
洋なし色に 辺りが包まれ
萩焼のカップには
チャイの印香が漂う中
窓辺からは
いつもと同じ風景
いや 今日は
こんもりと茂る葉の代わりに
樹木には 綿雲の実がなり
成熟したそれは
....
銀すじに沿って
豆腐の上を歩くように
ゆっくりと足を進めた
バスに乗ってもよかったけれど
ひさしぶりに
以前のアダナに帰る
徐々に慣らしていこう
イオウ温泉につかるときのように
....
24歳 買い物にゆく
湿った月のような太陽の光の中
ラヂオ体操の帰りに見た
雨上がりのあさがお
そこに行ってしまった
8歳のはずの世界
今にも零れそうに
鮮やかなアサガオはゆ ....