文庫本のページで挟んで潰したわたしのうた
小さくて
みじかい
誰にも聞かれずにおわった
おわりがあるからよかった
イヤフォンでせきとめられた
音楽が出口をもとめてい ....
結婚してください
私が言いたいのはそれだけです
どんな場所 どんなタイミングでも
その言葉しか発しません
発作
ドクドクと私を攻め立てる 無重力の気管支炎 喘息
あめあられ ぜつぼうぜつぼ ....
波打ち際に立つと
のどが渇く
でもそれは欲望ではなく
思い出した事、だと思う
帰る波がめんどくさそうだ
指の間に挟まった砂もそう
いらないと思った途端に忘れられなくなる
生まれ変 ....
撃ってさ
食ってさ
寝てさ
起きてさ
切なくてさ
泣いてさ
それが何を解決するわけでもなくてさ
辛くてさ
考えてさ
猟、やめますってさ
言ってさ
銃を返してさ
昨日撃っ ....
わたしは新参者だから
とにかくにっこりと会釈する
「こんにちは」
と声をかける
するとにっこり
が返ってくる
けれどもそれは
返ってくるばかりで
声をかけるのはいつもわたし
それ ....
紙飛行機の届く距離メールで飛ばす「さっきはごめんいいすぎた。」
ひまわりの背を追い抜いた彼を息子と呼べないもどかしい夏。
夜ごは ....
ヒゲが邪魔ですねん。
口ヒゲがありますねん。
それが邪魔ですねん。
ヒゲの細胞一つに
世界が一つ隠されてますねん。
ヒゲが邪魔ですねん。
キノコが食べにくいねん。
ヒゲまで食べますね ....
牛がこない
遅れるなよと言ったのに
メールさえ返ってこない
電源を切っているのだろう
遠くに
うすちゃ色のまーぶるがみえる
きっとあれだ
おーい、と呼ぶ
MOO―、と感情を長くのば ....
太陽から地球まで
宇宙天気は穏やかな状態が続いています
太陽風は次第に速度を下げ320km/秒の低速
磁場強度も2〜3nTと弱めです
昨日上昇していた太陽風の密度は
最大で10個/c ....
もしもし、オレだよ。
3年前、心地よい概念に吸い込まれたオレだよ。
ほら、何でも二律背反にしてしまうオレだよ。
大変なことになったんだよ。
是非、振込んでほしい。
もしもし、オレだよ。
....
皆さんこんばんは。
今日もわたくしは、認知症のおばあちゃん達と肩を並べて、
それはもうとけあっていましたよっ・・・!
(どうせとけあうなら、
(もっと違う誰かとがよいのであ ....
夜明け前の高速道路を猛スピードで走ってみる
これで罪を免れられたら良いのに
人は皆罪人なのです
普段からよく訪れる場所に
いつもと違う時間帯に訪れてみる
見慣れた風景の中に
新しい世界 ....
元カレの イケメンぶりに 後悔す
顔面の レベルで変わる 心拍数
すっぴんを 見せても良いが 萎えるなよ?
気がつけば 小悪魔ブームも 去っていた
安めぐみ 名前の響きが ....
ぼくが笑っていればきみもいつか笑う。
だから今夜は、
地球照。
ひときわ明るく笑って、
翳る。
隠してる。
きみの裸月が見たい。
....
カップ酒飲みながら描かれる似顔絵を横目に
不忍池にむかって階段を下りる
もう大阪焼きの屋台はなくて
飛べなくなったオオワシが
うずくまって水面を見つめている
上野には
飛ぶ空がないのだ ....
バナナ♪
バナナ♪
バナナ ワニ♪
シガオ♪
シガオ♪
スガ シカオ♪
ワニ♪
男爵!
顎
説明!
可決、判決♪
カット、コマ割り、革命家
....
うららか春の陽 野原を
転がって
やって来て 会いに来て
あいに きみは藍に染まる
遠くの平原でいかづちが教える
きみの声がひびく 頭蓋の奥の湖で
....
就職支援センター
と云うところに
毎月行っている
無職だからである
就職支援センターは
仕事を紹介してくれる訳ではない
担当の人と
色々お話をして
最後ににこにこと
頑張ってくだ ....
針を含んだ
夜更けのくうきがはこぶ
とおい稲妻の裂ける音
面影のように遠雷
かすかに
(雪を呼んだのかい、それとも)
コートのポケット
握った手は汗ばんでいるか
遙かな遠吠 ....
沈黙が懐かしい セミの声
ぼくはここにあるもので満足しようとしている
熱帯のような通り雨の中
出かけようと支度するきみの、
理由を知りたい
....
申し訳ございません。
気概が不足しておりました。
すぐに補充いたしますので
そのままの格好でお待ちください。
申し訳ございません。
矜持の寸法が違っておりました。
すぐに裁断いたします ....
防波堤に逆らう波が
呼ぶんだもの
黒雲だって
やってくるさ
ピンポン。
宅配便です。
ピンポン。
ドンドン。
宅配便です。
科学的見地に立てば
推し量ることは到底不能な
矜持をお運びしてまいりましたが。
ピンポン。
宅配便です。
ピンピ ....
お店を出してくれたあの人は
やさしいひとでいい男だけど
私の好きな人じゃない
5年もごまかしてきたけれど
もう、避けられないみたい
貴女はそういうと
二人きりになった店の灯りを落と ....
――きみはやさしいから
ホームページなんか作ってはだめだよ
ウェブ日記なんかもってのほかだ
と
言われたことがある
ずいぶんとむかし
まだネットが一般的でなかったころ
私の髪 ....
改札を抜けるように明日が来るのです
明日が毎日、未来であると信じるひとたちが
道端にこぼれてこびりついたジュースまみれの
自分の影を踏んでいるのです
カタチあるものだけに価値があるかの ....
かつてお前はあんなに
力強く 熱く燃える目をしていたのに
風のように自由で その歌声は若々しく
どこまでも駆けていけたのに
お前の炎はかくも色褪せ
かきならす竪琴は銀のささやき
お前は{ル ....
あいたいよ
とても あいたいよ
とても とても あいたいよ
この世の中に
絶対なんてものはない
とあなたはいう
ないのですか
と問うと
ないよ
と応える
絶対にないのですか
と問うと
絶対にないよ
と応える
この世の中 ....
花つき言葉 −もとこへ−
一周年の祝いに
なにか書いてみせようと思ったが
気負いのせいかどうもうまく書けず
かといって最初の年に
なんにもなしでは済まないぞと思い
月並みだが ....
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