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欲しかった物がひとつ
縁日で買ったラムネ瓶の中で
からから回るビー玉
何度も取り出そうとしたけれど
出来る筈もなく
ただ瓶を透かし見ては
溜め息一つ
割ってしまえば手に入るのに
....
カテドラル 傍で祈れる 横顔に みとれたる我 聖句を忘る
夕暮れて 耳に届くは {ルビ夕の鐘=アンジェラス} サンタマリアと 汝は唱えん
微笑みの下に澱める 汝の罪 分かちて負わん 我にも ....
君は君 僕は僕だと始めから 分かっていたさ だから求めた
邪魔なのは 二人を分かつ この肌と 抱き合う度に 溶ける夢みる
寄り添えば 分かち合えると思ってた 足されるだけの 僕らの孤独
午後の日差しに翻る白いスカート
柔らかな髪
思えばあれは初戀だった
名前も知らぬ年上の彼女
消え入りそうな細い躯を
ただ目で追っていた
古い映画を観て、ふと思い出す
もう顔すら ....