すべてのおすすめ
わたしは 生みの親だもの
おまえが憎いわけは ない
けれども わたしは 手を貸さない
さぁ
潔く
心地良く
羽ばたいて ゆけ
誤解も あるだろう
嫌悪 ....
君は変わったね
同じことを
君が言い出す前に
キスをしよう
全てが始まったあの日を眺めながら
全ての終わりを語る唇を
塞いでしまおう
傾く船にはもはや
救いの手立 ....
幼い日々
などというものは
これまでも
これからも
全く変わりありませんので
特筆いたしません
或るときから
うたに喜ぶようになって
泳法はままならずとも
流れゆく日々 ....
ミラーハウスで求め合わないか
前と
後ろと
右と左と
斜め、っていう曖昧な角度も
加えて
つまりはすべて
求め合う姿は
すべてに映るさ
求め合うふたりに
すべてを魅せる ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった
わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ
と
美しい光
いつつ
むっつ
と
美しい光
けれどもそこ ....
良き友よ
お前の肩を
叩かせてくれないか
軽く 一度だけ
そして
良き友よ
おれの肩を
叩いてはくれないか
軽く 一度だけ
渾身の力を注がない分だけ
渾身の ....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
少女のために
空き地のために
泥靴のために
良かれ、とついた嘘
自分の肩幅も
かえりみず
良かれ、とついた嘘
あの頃は
そうでもしなければ
苦しくて
....
貝殻を気取る私は
捕獲されるのを警戒する
辺りが静かになった頃
深い深い、おそらく他人には不快と思われる
夜の底にて
ようやく貝は口を開く
ポロポロと子守歌
誰にも与えら ....
ふわり、風
ふわり、髪
いつかの夏の真昼の丘で
風にそよいでいたきみのこと
ふわり、風
ふわり、髪
いつかの夏の真昼の丘で
きみの光が思い出に捕らわれそうで
....
もともと性に合わないんだ
優しくされるのも
穏やかになるのも
まんざらではなかったけれど
もともと性に合わないんだ
じっと見つめてごらん
鉄塔のもっと上
じっと聞 ....
この手には限りがあることを
渋々から卒業をして
潔く
承知出来るようになったんだ
五本の指は五本でひとつ
二本の腕は二本でひとつ
一生懸命になるのではなくて
一生懸命にならざ ....
まっさらなノートを買った
でも
それだけでは
所有にならない
光のようなシャツを買った
でも
それだけでは
所有にならない
汚さなければならない
涙が出るほどに
渾身の力で ....
寒冷に順応できず
やがて
命を奪われかけて
それゆえ
灼熱
灰と 火柱と 黒煙と
好き好んで
化身となったわけでは無いのに
ただ
寒さに耐えられず
ただ
冷た ....
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている
川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
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