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{引用=冬の終わり、
時雨模様
描かれるいくつもの輪のなかで
消えてゆくだけの悲しみがあり
雪にはなれず
かすかな温かさにふれたなら、
降りつもることすらできなくて}


  一瞬だ ....
携帯電話で話しながら

「近くのはずなんだけど、、、わかるようにスッキップしてみて」
と言われて正直にスキップする僕は
どうしょうもないバカだ

そんな僕を見て
君が笑ってくれ ....
その女の人は、ずいぶんと寡黙な人で
その寡黙さが
しきりに語りかけてくるのを
熱心に聞いていた

薄い手のひらでくるまれた
さらに繊細な指先は
紙袋のひもに引き伸ばされて
青く静止して ....
ねぇ、ホットコーラだよ

甘い匂いをただよわせて
黒くどろどろしてるんだよ

はじけるように笑ってた頃
涙がかわくのもはやかった
小さな世界から飛び出そうと
圧力に押されながら生きてい ....
鏡の色が
鏡そのものの色でないと気づいたとき

透明で書かれた文字が
読めるようになりました

そこには
「在る」
と書かれていて

それを読むことで
はじめて鏡に映ることができ ....
道順を、思い出している途中
まだまだ、窓が開かないので


軋むような音が聞こえて
当り障りの無い、そんな
眠れない夜がありました

覚えている
草の葉の匂いと
爪先立ちで空に消え ....
冬枯れの芝生を背負って空に飛び込めば
雲よりもはるか高くに居られる

重力に吸い寄せられた現実
あるがままの世界は逆さまだ
夕方の日は昇り
夜は足元に降りてゆく
暗闇に沈む星に手をのばし ....
独りなの
どこまでも遠く
風は髪を揺らして
此処は寒いの
薄く浮かぶ地平線
白い吐息

行き交う雲たちにご挨拶
ごきげんよう、皆さん
南に行けば
誰かに会えるでしょうか

頷き ....
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて 
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
 ....
おへその穴が気になって
ゆびをつっこんだらするする入ってしまった

はじめてさわった内側は生温かい
こりこりしたものがあったので
ひっぱり出してみたら癌だった
知らないうちに入り込まれてい ....
感情の糸をわたる指先は
安いヴァイオリンのように響いて
逆立つ髪を宥めれば
傾いた首の方へ流れてゆく


(鼓膜を抜けて届いた先には
 やわらかいあなたがまるまっている)


明滅 ....
天気のいい日はたまらない

家からは出ない
窓も開けない

 (つらいのだ)

去年の夏は猛暑で
「来年の花粉はひどいでしょうね」と
誰かが言っていた


   *


 ....
水平線を断ち切るように
僕らはときおり空を見上げる

加速してゆく時代は
小さな出来事をかき消して
紙の上の真実も風に飛ばされてしまう

渡り鳥が
故郷を忘れないでいられるのは何故だろ ....
生まれ落ちたのは下町だった

色褪せた写真のように
どれも茜色に染まっている
真昼の公園も
二間のアパートも
父親が働いていた小さな町工場も
視線の先には
いつも人がいて
ろくろ首の ....
傷つくほどに赤は流れ

与えることなく緑は枯れて

見上げることを忘れ青は沈んだ


いろいろを手放しても透明は訪れず
白い紙に黒い文字を並べれば


溶け出した灰色に
埋もれ ....
僕らが同じここという時代で言葉を向き合わせて日々に紛れる、こと
昨日川から汲んできた水をコップの中で回転させると底に小さな刺がたまった

アスファルトを雨が叩くと決まって空を見上げる人がいた
 ....
しあわせ村の村長さんは
昨日のことをすぐに忘れる

村の人口は減少してるのに
新しい学校をつくり
新しい文化会館をつくり

そんなこともすぐに忘れて
今は道路をつくることに夢中だ

 ....
彼女が泣いている

大きい声で啼いている

おくれおくれと鳴いている

がまんできないんだね

そんなにグミみたな恋愛したいのかい



僕はと云えば鉛筆をかじっている ....
  {引用=今も変わらずに花の名である人へ}


  きっと気紛れに入れたのでしょう
  桜の花びらが
  はらりと、
  不意に零れ落ちたので
  もうどうしようもなく立ち尽くしてしま ....
煙が這っている

吸殻 だとか 灰 だとか
抜け殻 だとか カス だとか
置き去りにして
きれいに消えてみせる

そんなふうに居なくなるなんて
ずるい
ただただ ずるい
儚さだけを ....
感情というものは
外に現れようとする衝動ですから
奥歯で
ギリギリと音を立てれば
痛そうに響くもの
すべて捨ててしまったと
言う人は
一つ何かが増えるたび
ただ恐ろしく感じます
何か ....
壊れてしまったあなたを
彷彿とさせる
指先 の 震え

揺れる窓辺からこぼれた
儚さとは何だったか

問い は
景色の中に潜みながら
かすかな声を発する

嗚呼

そうであっ ....
逆立ちしてもできるんだと
空に向かって股をひろげたその子は
倒れたあと少し悔しがり
今度は大の字になって
世界に向けて発信中と叫ぶ

その子は誰にでもピースする
やめなさいと言いたくなる ....
風が吹いたと思ったら
あなたはもういませんでした
見上げた空には
枯葉が一枚舞っていて
届きそうで届かない
私は
待っているのをやめて
風になろうと決めたのに
枯葉は  ....
私は眠る
掛け蒲団の左右を身体の下に折りこみ
脚をやや開きぎみにし
両手を身体の脇にぴったりとつけた
直立不動の姿勢で
寝袋にくるまる旅人のように
防腐処理を施され
身体中を布で巻かれた ....
誰もいない
雪のホームで
ふたつの足跡が列車を待っています

小さな足跡が二歩すすむのを
一歩で追い越す大きな足跡が
追いつけない
小さな足跡を残して
振り返るように立ち止まると

 ....
窓を滑る川底に動けぬ魚がいる

空をうかがう眼を光らせても
端々に歪みを見ては現実は遠い
瞳のうろこを剥ぎ
平坦な眼差しで形をとらえよ

朝日は白くひるがえり
刻々と景色をめくりながら ....
友よ
私の背を見るな
たちまち笑い
たちまち逃げる
ほころぶ糸を引っ張って
私を優しく宥めるな

氷雨は土にも嫌われる
地に溢れ濁りきった海
寄り添う島の木の枝に
一羽の鳥が鳴くな ....
さようなら、晴れる人

暮れ際の暖かさ、名残、手のひらの名前を
呼んでいる、聞いている、思い出している
花びらの震える下で潜り抜けた門を
指先で触れるくらいの気配で通り過ぎる
一度過ぎた言 ....
折り目が
1センチほどやぶれた地図

玄関先でひろったのは
あさっての出来事
です

20世紀横丁までの
道順を
黄色いマーカーで
くっきり、記してあります

歩くべき道は
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
時雨模様- 嘉野千尋自由詩5*05-3-6
僕はスキップする- ベンジャ ...自由詩12*05-3-6
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ホットコーラ- ベンジャ ...自由詩405-3-4
存在- ベンジャ ...自由詩305-3-4
その途中- 霜天自由詩605-3-4
もっと上手に泳げる- ベンジャ ...自由詩6*05-3-3
トラベラー- dew自由詩205-3-3
さそりの心臓- ワタナベ自由詩3105-3-3
とどかない!- ベンジャ ...自由詩4*05-3-3
慟哭- ベンジャ ...自由詩16*05-3-2
花粉症- ベンジャ ...自由詩8*05-3-1
南セントレア_(離陸)- ベンジャ ...自由詩7*05-2-28
東京_(1974〜)- ベンジャ ...自由詩4*05-2-28
- ベンジャ ...自由詩705-2-27
夕暮れの流れ- 霜天自由詩305-2-26
しあわせ村の村長さん- ベンジャ ...自由詩10*05-2-26
カッチェス- ayu-m自由詩205-2-26
桜便箋- 嘉野千尋自由詩13*05-2-25
儚さで満たせばいい- ベンジャ ...自由詩5*05-2-25
悲しみ- ベンジャ ...自由詩6*05-2-24
悲しみ- ベンジャ ...自由詩3*05-2-24
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枯葉- ベンジャ ...自由詩10*05-2-22
夜毎の木乃伊- 岡部淳太 ...自由詩11*05-2-22
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さようなら、晴れる人- 霜天自由詩1305-2-20
20世紀横丁- 望月 ゆ ...自由詩4*05-2-19

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